TheRetroChannelが設計したAtari 2600/VCS向けの映像アップグレード基板『TIARA v2』が販売開始されました。価格は27.50ドルで、NTSC版とPAL版が用意されています。記事執筆時点では、販売ページに33個の在庫があると表示されています。
TIARA v2は、Atari 2600にS-Videoとコンポジット映像、モノラル音声出力を追加するための改造基板です。もともとのRF出力を撤去する必要がなく、改造後も従来のRF接続をそのまま利用できるのが特徴となっています。RF、コンポジット、S-Videoという複数の映像出力を用途に応じて使い分けられるというわけです。
●TheRetroChannel「TIARA v2」販売ページ
https://lectronz.com/products/tiara-atari-2600-s-video-and-composite-mod-v2
Atari 2600のTIAチップ裏面に重ねてハンダ付け
取り付けはAtari 2600内部にある映像・音声処理チップ「TIA」の裏側から、TIARA v2の基板を重ねるように配置して行います。その後、TIARA側の指定されたスルーホールにハンダを流し込み、TIAの端子と接続する仕組みです。大規模な配線を行うタイプの改造と比べると比較的シンプルな構造ですが、本体を開けてハンダ付けする作業自体は必要となります。
また、本体のモデルや映像方式によっては抵抗の取り外しや変更も必要です。たとえば一部のNTSCモデルでは基板上の抵抗を取り除く必要があり、PAL版のAtari 2600 Jrでは抵抗の交換が必要になる場合があります。そのため、自分が所有している本体のモデルとNTSC/PALの違いを確認したうえで作業する必要があります。
v2では外部出力用の配線ハーネスも付属しており、白がS-Videoの輝度信号、赤が色信号、黄色がコンポジット映像、青がモノラル音声に割り当てられています。一方でRCA端子やDIN端子、外部接続用のケーブルなどは付属していません。実際にどのような端子を本体に取り付けるかは、ユーザー側で用意する必要があります。
RF出力を残したままS-Videoやコンポジットを追加可能
TIARA v2のポイントのひとつが、Atari 2600にもともと搭載されているRF出力を残せることです。RF回路そのものを置き換えてしまう改造ではないため、改造後も従来の接続方法を利用できます。同時にS-Videoやコンポジット映像を追加できるため、CRTテレビや映像機器など、接続する環境に合わせて出力方法を選択できます。
新たな端子を取り付けるためにケースへ穴を開ける方法だけではなく、既存の開口部から配線を外へ引き出す構成も可能です。その場合は本体ケースを加工せずに済みますが、あくまでも不要になるのはケースの穴開けなどであり、TIARA v2自体を取り付けるハンダ作業が不要になるわけではありません。
なお、S-Videoとコンポジット映像は同時に出力することも可能です。元のRF出力も引き続き使用できるため、Atari 2600のオリジナルの接続環境を残しつつ、より扱いやすい映像出力を追加したいユーザーには面白い選択肢となりそうです。

一部のAtari 2600 Jrや特殊な映像方式には非対応
TIARA v2には対応できないAtari 2600もあります。RIOT、TIA、CPUなどをひとつのICへ統合した、後期の一部Atari 2600 Jr、いわゆる「one-chip」モデルには対応していません。こうしたモデルは比較的珍しいものですが、Atari 2600 Jrへ導入する場合は事前に内部の構成を確認しておいたほうがよさそうです。
また、フランス向けのSECAMモデルと、南米などで使用されていたPAL-N/PAL-Mモデルについてはテストされておらず、動作も保証されていません。販売時にはNTSC版またはPAL版を選択する必要があるため、日本国内で海外版Atari 2600を入手して使用している場合も、本体の映像方式を確認してから注文する必要があります。
このほかAtari 2600では、ゲーム側が独特な映像信号を利用していることから、一部のタイトルを現代のディスプレイやアップスケーラーに接続すると正常に表示できない場合があります。販売元では、こうした問題はTIARA v2そのものの故障ではなく、ゲーム側の映像出力方法や接続する機器との組み合わせによって発生する可能性があると説明しています。
RF接続が標準だったAtari 2600へS-Videoやコンポジット映像を追加しながら、オリジナルのRF出力も残せる「TIARA v2」。27.50ドルという比較的手を出しやすい価格も含め、実機を現在の映像環境でも活用したいAtari 2600ユーザーには注目の映像改造基板となりそうです。
via.RetroRGB















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