ふとしたことで気が付いたのですが、安価にFPGAのゲームボーイ/ゲームボーイカラー互換機が作れることで話題になったFunnyPlayingの『FPGBC KIT』に、ファームウェアの互換性がないふたつのリビジョンがあることがわかりました。
●『FPGBC KIT』の販売ページ
https://funnyplaying.com/products/fpgbc-kit?variant=40858870284349
そのことがわかったのは、『FPGBC KIT』の販売ページに別々のファームウェアが入手できるリンクが貼られていたからでした。実は、最初にリリースされたVer1.0と現在販売されているVer1.1とはファームウェアの互換性がなく、Ver1.1にVer1.0用のファームウェアを更新してしまうと動かなくなってしまいます。
仮にVer1.0用のファームウェアをVer1.1に適用してしまった場合は、V1.02と書かれたファームウェアで上書きする必要があります。
●旧モデル(Ver1.0)用のファームウェアリンク(GitHub)
https://github.com/makhowastaken/GWGBC_FW
●最新モデル(Ver1.1)用のファームウェアの直リンク
https://drive.google.com/file/d/1k4BGtd_904_DBeYddGmp3N77wzGeIQIO/view?usp=sharing
実は現在絶賛トラブル発生中
ということで、なぜかこのふたつのバージョンの『FPGBC KIT』を所有しているわけなんですが、きっかけとなったのは昨年12月の頭の出来事でした。注文していた『FPGBC KIT』が届いたのでさっそく組み立てていたところ、不具合が発生してしまったのです。
組み立てた後で問題が出てくると面倒なので、あらかじめねじなどを締める前に動作チェックで『Dr. MARIO』を起動してみたのですが、問題なく遊べることを確認。安心してねじを締めていったところ、なぜか音は出るものの液晶になにも映らなくなってしまったのです。
そこでサポートに連絡しておくってもらったのが、ディスプレイとボードを接続するケーブルです。こちらが届いたのが年末だったのですが、やはり映像は表示されず。さらにサポートに連絡しておくってもらったのが、たまたまですがこVer1.1の『FPGBC』のボードでした。
結果的にはこちらに取り替えても映像は表示されなかったため、ディスプレイの問題であると判断。さすがに何度もただで送ってもらうのはもうしわけなかったため、ディスプレイだけ売ってほしいとお願いしたところ、15ドルで販売できる(送料はサービス)と言われたので現在はそちらを送ってもらっている途中となっています。
ちなみに、『FPGBC KIT』は単体では売られていないため、1個$1で販売されている『GBA SP Decorative PVC Backing』を15個注文しろといわれたのですが……本当にこちらが送られてきてしまったら、まだまだ動かせるようになるのに時間が掛かってしまいそうです(笑)。
そうした流れがあったなか、なんとなーく『FPGBC KIT』の販売ページを見てたときに、ファームウェアのリビジョンの違いがあることに気が付いたというわけですね! しかし、それ以外にもいくつかGitHubを読んでいて初めて知ったこともありました。
もしかしてファームウェアではなくハードウェアの変更で対応していく?
GitHubのページによると、makhowastaken氏がFunnyPlayingに機能に関する要望を出したところ、その中のいくつかは承認され、今後実装が予定されているものがあるそうです。
- ディスプレイの正確な色補正のためのLUT(将来のファームウェアで対応)
- より多くのピクセルグリッドモード、ゲームボーイカラーQ5ラミネートバックライトキットとの機能パリティ(将来のファームウェアで対応)
- SDカード対応
- フラッシュカートのフラッシュ(バーンマスターの置き換えなど)
- システムアップデート
- セーブステート
- ゲームボーイアドバンスサポート
- IR機能
- 単三電池対応(本当?)
- 高速充電
『FPGBC KIT』は、当初IR機能(赤外線通信)を搭載する予定でしたが、現在販売されているものにはそちらが含まれていません。FunnyPlayingではほかにも追加したいと考えている機能があるため、そちらが優先される可能性があります。
ちなみに現在販売されているVer1.1と以前とのモデルとの違いは、外部クロックリファレンスが追加された以外はわからないとのこと。どうやら同社では、ファームウェアを更新していくことで機能の充実やバグフィックスなどをしていくことよりも、新たなリビジョンをどんどんリリースして対応していくといったようにも見えます。
makhowastaken氏はFunnyPlayingの姿勢に対して否定的に考えている部分もあり、SDカードのサポートとゲームボーアドバンスへの対応は予定はされているものの、ハードウェア全体的なリフレッシュが行われるまで期待出来ないとも語っています。もしかしたら、数ヵ月という話ではなく、2~3年掛かる可能性もあるとのこと。
いずれにせよ、ハードウェアとしてはまだまだ過渡期にあり、開発途中のバージョンに近いと言えるのかもしれません。