中華エミュ機『Retroid Pocket 2+』でゲームキューブエミュレーターを動かすときにドハマりした3つのポイント

中華エミュ機『Retroid Pocket 2+』でゲームキューブエミュレーターを動かすときにドハマりした3つのポイント

これは、最新の情報をキャッチアップしようと久々に中華エミュ機『Retroid Pocket 2+』を買ってみたものの、最初に試したゲームキューブエミュレーター『Dolphin-MMJR2』のセットアップでドハマリしてしまった男の物語である。

……というわけで、レビューでもしてみようかと『Retroid Pocket 2+』を購入したのですが、Androidベースのマシンが初めてだったということもあり、いろいろと謎だらけ。まぁ、真っ先に試そうと思ったのがゲームキューブだったことも原因かもしれません。そこで今回は、いろいろと試してわかった知見について、共有したいと思います。

今回主にハマったポイントは以下の3つ。一応、現時点で解決できたと思われるものの、勘違いも含まれている可能性もあるため、わかり次第随時アップデートしていきたいと思います。

  1. アップデートがうまくいかない
  2. コントローラーが使えない
  3. フレームレートが低すぎる

その前に、先ほども少し触れたように当初レビューとして記事を作ろうと計画していたため、中途半端に写真なども撮ってあるため、少しだけ『Retroid Pocket 2+』自体についてもご紹介しておきたいと思います。

前モデルから大幅に強化された『Retroid Pocket2』

Retroidの人気中華エミュ機『Retroid Pocket2』をベースに、内部的に大幅なアップデートが行われた『Retroid Pocket 2+』。マルチアーケードエミュレーターのMAMEや、PCエンジン、NEO-GEO CD、PSP、PlayStation、PlayStation 2、ニンテンドー3DS、ゲームボーイ、ゲームボーイカラー、ゲームボーイアドバンス、Wii、ゲームキューブ、スーパーファミコン、ファミコン、NINTENDO64、ドリームキャストと、主要なレトロゲームマシンに対応しているところも特徴となっています。

プロセッサUnisoc Quad-core Tiger T310 1 x A75 + 3 x A55 + PowerVR GE8300
メモリー2GB LPDDR4x
ストレージ32GB EMMC
OSAndroid 9
通信機能WiFi 2.4G/5G + BT 5.0
バッテリー4000mAh
画面サイズ3.5インチ
解像度480p
スクリーンタッチスクリーン
アスペクト比4:3
ジョイスティックLeft/Rightアナログジョイスティック

前モデルとの比較

モデルRetroid Pocket 2Retroid Pocket 2+
CPU4 x A71 x A75
3 x A55
GPUMali450 MP2PowerVR GE8300
メモリー1GB2GB
ストレージ8GB32GB
WiFI2.4G2.4G + 5G
OSAndroid 8.1Android 9.0
外部出力HDMIHDMI
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▲パッケージはこのような感じ。
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▲同梱物は、本体の他、保護シートとUSBケーブル、マニュアルのみ。
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▲大きめの液晶画面に、操作しやすいボタン配置。前面スピーカーと、必要なものがひと通り詰め込まれている感じ。
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▲上部には電源ボタンやボリュームボタンの他、USB Type-Cと、外部ディスプレイに出力可能なmicro HDMIも搭載されています。
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▲背面側はこんな感じで、すっきりとしています。

ゲームキューブエミュレーター『Dolphin-MMJR2』でハマった3つのポイント

①アップデートがうまくいかない

『Retroid Pocket 2+』では、ゲームキューブ/Wii用のエミュレーターとして『Dolphin-MMJR2』が採用されています。まずはこちらをアップデートしようと思ったのですが……なぜかインストールの最後の最後で、「アプリはインストールされていません。」というメッセージが表示されてできず。これがひとつ目の問題でした。

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▲アップデートしようとすると、インストールの最後でこける。

②コントローラーが使えない

ふたつ目の問題は、コントローラーが使えないことでした。そもそも、Android端末にコントローラーを付けたような仕様のためか、デフォルトの状態でゲームを起動すると画面上にバーチャルコントローラーが表示されて動かせるものの、マシン自体のコントロールはまったく効かない状態に。

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▲画面上に表示されているボタンでコントロールはできるものの、それだと意味がない!?

③フレームレートが低すぎる

これまたデフォルトの状態ではフレームレートも表示されますが、20前後と低めで音も割れ気味。このままの状態では快適にプレイすることができません。これが3つ目の問題でした。単純にこれが、『Retroid Pocket 2+』の限界なのかと思いましたが、そうではないことが判明。快適とまではいかずとも、そこそこプレイできるレベルに改善可能なことがわかりました。

一応、ひと通りこれらの解決作を見つけることができたので、工場出荷状態に戻し再現してみることに。

『Retroid Pocket 2+』の初期セットアップ

『Retroid Pocket 2+』の電源を入れるとランチャーが起動し、初期セットアップが開始されます。基本的にはそれぞれで必要な項目を選んで、R1ボタンを押して次の項目に移っていく感じです。ここではいくつかのポイントだけ触れていきます。

まずは言語選択から。「OTHER LANGUAGES」を選び、「Add a language」を選択。リストの一番下のほうにある日本語を選びます。右側の4本線をドラッグ&ドロップして、一番上に日本語が来るように変更したら、Bボタンで元に画面に戻ります。

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ネット接続にはUSB Typc-Cで使えるLANアダプターがオススメ

続いてWiFiのセットアップ画面が出ますが、ご存じの方もいるように本機では技適マークが付けられていないため、そのままでは日本国内でWiFIを利用することができません(機能としては動く)。そこでオススメなのが、『UOEOS USB-C LANアダプター』です。こちらは、USB Type-Cに差して使えるLANアダピターで、特に何の設定もする必要もなく有線でインターネットに繋げることができます。

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▲WiFIの代わりに、LANアダプターを使用。WIFIの項目はスキップしてOK。

タイムゾーンは日本を選択。プリインストールするソフトは、とりあえず14本すべてを選んでおきます。2種類あるランチャーは、好きな方を選んで構いません。

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ランチャーが起動しても何も表示されていませんが、まずは画面下部にある「Emulation」を選び、続いて「Systems」を選択。使用するエミュレーターにチェックマークを入れてOKを選択します。

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▲面倒な場合はAllを選択しましょう。
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ランチャーにエミュレーターのリストが表示されれば、とりあえず初期設定は完了です。

『Dolphin-MMJR2』を入れ直し

『Dolphin-MMJR2』のアップデートがどういう理由かこけるため、こちらのアプリを削除。Githubより最新バージョンのAPKを入手してインストールすることにしました。ちなみに、本体のブラウザなどを利用することでPC不要でもアップデートできるようですが、今回はいつもAndroid端末にAPKをインストールしている手順でやってみることにしました。

まず、トップ画面に並んでいる『Dolphin-MMJR2』のアイコンを長押しして、アプリを削除します。次にGoogle Playにログインし、『Apk Installer』をインストールしておきます。

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PCのブラウザでGithubにアクセスし、『Dolphin-MMJR2』の最新バージョンをダウンロードしておきます。この記事を書いている時点での最新バージョンは「2.0-15989」でした。

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▲一番上の.apkファイルをダウンロード。

●Releases · Bankaimaster999/Dolphin-MMJR2 · GitHub https://github.com/Bankaimaster999/Dolphin-MMJR2/releases

USB Type-CでPCに接続すると『Retroid Pocket 2+』にデータの転送を行うかどうかのアナウンスが表示されるので、「File transfer」を選びます。『Retroid Pocket 2+』本体の内部ストレージにアクセスし、「Download」フォルダに、先ほどの.apkファイルをコピーします。

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『Retroid Pocket 2+』にインストールした「APK Installer」を起動すると、先ほどの.apkファイルが表示されるため、それを選んでインストールを開始します。

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▲「APK Installer」の画面に先ほどの.apkファイルが表示されます。
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▲初回のみ提供元アプリの許可が必要になるので、設定を選んでチェックしておきましょう。※エミュレーター側も同様の手順が必要。
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▲インストールを選ぶと、インストールが開始されます。
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▲今回は無事インストールすることができました。

SDカードにゲームのROMデータをコピー

『Retroid Pocket 2+』ではmicroSDカードが利用できるため、ゲームのROMデータはそちらに入れることにしました。ROMの場所は自分で選ぶためどこでもいいような気がしますが、今回は「ROMs」フォルダの中に「GC」という名前のフォルダを作り、そこにリッピングしたISOデータを入れてあります。

ちなみに、ゲームキューブのソフトのリッピングはかなり癖があり、大きく分けてWiiを改造して行うものと、特定の型番のドライブを用意して行うものの2種類があります。今回は後者を選んでいますが、詳しくは過去に紹介した記事があるのでそちらを参照してください。

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▲ランチャー経由ではなく、Androidのトップからエミュレーターを起動し、「+」ボタンを押してSDカードにコピーしたROMの場所を指定しましょう。
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▲ゲームを登録すると、自動でパケ写なども設定されます。
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▲これでようやくゲームが起動するところまでたどり着きました。

コントローラーのボタンをセットアップ

とりあえずゲームが起動することがわかったら、いったん先ほどのゲームのパケ写が出ている画面まで戻ります。ここでゲームのパケ写を長押しすると、個別に設定可能なメニュー画面が表示されます。

こちらで「GameCube Input」を選び、コントローラーのボタンをセットアップしていきます。ちなみに、このあたりはまとめてできそうな予感もしますが、いまいちうまくいかないため、この方法を採用しています。

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▲「GameCube Input」を選択。
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▲「GameCube Controller 1」をタップ。
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▲「Emulated」を選択。

「GameCube Controller 1」を選んで、「Emulated」を選択すると、それぞれのボタンの設定をしていく画面に切り替わります。まず『Retroid Pocket 2+』の十字キーで各ボタンを選んでAボタンを押し、続けて『Retroid Pocket 2+』側で設定したいボタンを押します。これをひと通り設定していきましょう。

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▲ひとつひとつのボタンがどれに該当するか、設定していきます。
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▲この時点でコントローラーが動くか確認。まだバーチャルボタンは表示されたままです。

ボタンの配置が終わったら、動作確認をして問題なさそうならば、ふたたびパケ写の画面に戻ります。上部にコントローラーのアイコンがあるので、そちらを選択しましょう。

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▲ついでに歯車アイコンから「Graphics」を選び、「Show FPS」のチェックを外してFPSの表示も消しておきます。

ここはあっているか不明ですが、「GameCube Controller 1」を選んで「GameCube Adapter」を選択すると、先ほどのバーチャルコントローラーは表示されなくなります。

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パフォーマンスを改善するためのチェックボックス

これでゲームの起動とコントローラーの設定までは完了しました。しかし、このままではパフォーマンスがあまり出ない状態です。そこで、ゲームを起動後に液晶画面の下側から上に向けてスワイプして、Andoroidのナビゲーションバーを表示します。ここで左側の三角ボタンを押しましょう。

ここで「Quick Settings」を選択します。

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いくつか項目が表示されますが、チェックが外れいている「Skip EFB Access from CPU」と「Store EFB Copies to Texture Only」のふたつにチェックを入れることで、フレームレートが向上します。これでひとまず、すべてのセットアップが完了しました。

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▲チェックが外れいているふたつの項目に、チェックを入れておきましょう。

どこでもセーブステートが利用できるなど携帯ゲーム機ならではの快適さも

これだけやっても、100パーセント完璧なパフォーマンスとまではいきませんが、ゲーム自体はそこそこのクォリティで遊ぶことができるようになりました。それとは別に、据え置き機にはない携帯ゲーム機ならではの快適さもあります。

まずはセーブステート。先ほどのAndoroidのナビゲーションバーからメニューを表示することで、「Quick Save」や「Save State」という項目が選べます。こちらから、いつでも好きなタイミングでゲームの進行状況を保存しておくことが可能です。

中華エミュ機『Retroid Pocket 2+』でゲームキューブエミュレーターを動かすときにドハマりした3つのポイント

また、これまた携帯ゲーム機ならではですが、途中でゲームを中断したくなったときは、そのままスリープ状態にしておけば、スマホゲームのような感覚でやめることができ、すぐに続きもプレイすることができます。

ほんの序盤だけ、『ゼルダの伝説 風のタクト』を遊んでみましたが、こちらもあまり大きな問題がないようでした。

中華エミュ機『Retroid Pocket 2+』でゲームキューブエミュレーターを動かすときにドハマりした3つのポイント

Andoroidがベースということもあり、ある程度は使い方が推測しやすい部分もありながらも、中華エミュ機的な使い方がわからないところもある感じです。いずれにせよ、それぞれの項目で突き詰めていくことで、より使いやすいゲーム機に仕上げていくことができそうな感じはします。

詰まるところ、今回の記事は『Retroid Pocket 2+』でゲームキューブの『ゼルダの伝説 風のタクト』を遊べるようにしただけだったのですが、まさかここまでのボリュームになるとは予想もしていませんでした。また、他のエミュレーターについても引き続き調査をしていきたいと思います。

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