『X-COM』をクラシックAmigaで! OpenXcom移植版『AmiXcom』が登場、68K+AGA環境向けに開発

『X-COM』をクラシックAmigaで! OpenXcom移植版『AmiXcom』が登場、68K+AGA環境向けに開発

1990年代を代表する名作ストラテジーゲーム『X-COM』シリーズを、クラシックAmigaで楽しむための新たなプロジェクトが登場しました。

●AmiXcom公式GitHub
https://github.com/angree/AmiXcom

●AmiXcom Tags/各バージョン
https://github.com/angree/AmiXcom/tags

●OpenXcom公式GitHub
https://github.com/OpenXcom/OpenXcom

開発者のGrzegorz Korycki氏(angree)は、オープンソースで開発されている『OpenXcom』をAmigaOS 3.x向けに移植した『AmiXcom』をGitHubで公開しています。2026年8月16日に最初のアルファ版v0.1.0が登場してから急速なアップデートが行われており、8月18日にはv0.6.0までバージョンアップしています。

『OpenXcom』は、『UFO: Enemy Unknown(X-COM: UFO Defense)』と『X-COM: Terror from the Deep』を現代の環境で動かすためにオープンソースで再実装したゲームエンジンです。ゲームそのもののデータは含まれていないため、プレイにはオリジナル版のデータが必要になります。Steam版などからデータを利用することも可能です。

今回登場した『AmiXcom』で面白いのは、そんな現代向けのOpenXcomを、逆に68K世代のクラシックAmigaへ持ち込もうとしているところです。

PiStorm専用ではなく、クラシックな68K Amigaをターゲットに

『AmiXcom』はAmigaOS 3.xにネイティブ対応した移植版として開発されており、68020以上の68K CPUとAGAチップセットをターゲットにしています。

PiStormやVampire、Emu68といった高性能な拡張環境専用ではなく、FPUも必須ではありません。さらにOpenXcomが利用しているSDLをそのまま移植するのではなく、Amigaのグラフィックスやオーディオ機能の上に必要なSDL 1.2 APIだけを実装する独自の軽量レイヤーが用意されています。

ただし、現時点ではかなり大量のFast RAMが必要です。

開発版では約50MBのメモリーを使用しており、32MBの環境ではロードできないことが確認されています。また、68020以上が動作条件として設定されているものの、現在実用的に遊ぶためには高速化されたAmiga環境が必要になりそうです。

標準のAGA版は320×200ドット/256色で動作するほか、RTG対応版もビルドされています。

すでにGeoscapeから戦闘まで動作

まだアルファ版ではあるものの、単にタイトル画面が表示できるといった段階ではありません。

現在は、

メインメニュー

ニューゲーム

Geoscape

基地画面

戦闘ブリーフィング

装備画面

Battlescape

という一連の流れまで動作しています。

『X-COM: UFO Defense』と『X-COM: Terror from the Deep』両方のルールセットもロード可能です。

一方で、ゲームを最初から最後まで通してクリアできることまでは確認されていません。開発者によるテストも現時点では数時間程度にとどまっており、クラッシュなどが発生する可能性があるアルファ版という位置付けです。

また、クラシックAmiga実機をターゲットに開発されているものの、GitHubの説明によると現在の動作確認はWinUAE上で行われており、実機からの動作報告はまだ寄せられていません。

わずか数日で大幅な高速化

興味深いのは、公開からわずか数日にもかかわらず、かなり激しいペースで最適化が進められていることです。

8月17日に公開されたv0.5.0では、68040/40MHzクラスを想定した環境で、戦闘中のセーブ時間が従来の約45~60秒から約8秒まで短縮。ロード時間も約90秒から約20~25秒となり、それぞれ約7倍、約4倍高速化されました。

さらに3Dで描画されるGeoscapeの地球表示も約10倍高速化されています。以前は戦闘時にユニットを1歩移動させるだけで約6秒必要だったものが約0.3秒まで短縮されるなど、実際にゲームを遊ぶためのパフォーマンス改善が続けられています。

続くv0.5.7では、Geoscape上でマウスを動かしたときに発生していた大きな処理落ちも改善。テストでは一連のマウス入力処理に13.94秒かかっていたケースが、20ミリ秒未満まで短縮されたと報告されています。

そして8月18日には最新のv0.6.0が公開され、過去バージョンから設定ファイルを引き継いだ場合でも、新しいAmiga向けの最適化設定が適用される仕組みが追加されています。

完成すれば「現代向け移植をレトロPCへ逆移植」という面白い存在に

『X-COM』自体はAmigaとも縁のあるタイトルですが、『AmiXcom』は単純に当時のAmiga版を再現するものではありません。

現代のPCでクラシックな『X-COM』を快適に遊べるよう開発されてきたOpenXcomを、今度はクラシックな68K Amigaへ持ち帰るという、いわば“逆移植”のようなプロジェクトになっています。

まだメモリー使用量の多さや音楽未対応など課題も残されており、完成版と呼べる状態ではありません。しかし、公開からわずか数日で次々と高速化が行われていることを考えると、今後どこまで必要スペックを下げられるのかも気になるところです。

クラシックAmiga実機で『OpenXcom』を快適にプレイできる日は、意外と近いのかもしれません。

via.GenerationAmiga

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