Nintendo Switch向けのAmigaエミュレーター「UAE4ALL2-HD-SWITCH」の最新版となるバージョン1.02が、2026年9月6日にGitHubで公開されました。今回のアップデートでは、左右のJoy-Conをそれぞれ1台のコントローラーとして利用できる「Single Joy-Con Mode」をはじめ、Turbo、CHD、m3u、Quick Save/Quick Load、内蔵FTPサーバーなど多数の機能が追加されています。
UAE4ALL2-HD-SWITCHは、Amiga 500やAmiga 1200、CD32などをNintendo Switch上で再現するHomebrewアプリです。今回の1.02は、単純な不具合修正にとどまらず、Amigaのゲームを実際に遊ぶうえで便利な機能がまとめて追加された大型アップデートとなっています。
●UAE4ALL2-HD-SWITCH 1.02 リリースページ
https://github.com/theheroGAC/UAE4ALL2-HD-SWITCH/releases/tag/1.02
●UAE4ALL2-HD-SWITCH 公式CHANGELOG
https://github.com/theheroGAC/UAE4ALL2-HD-SWITCH/blob/main/CHANGELOG.md
左右のJoy-ConだけでAmigaの2人プレイが楽しめる!
今回追加された機能の中でも、Nintendo Switchらしさを感じさせるのが「Single Joy-Con Mode」です。このモードを有効にすると、左右のJoy-Conを本体から取り外して横向きに持ち、それぞれを1人分のAmiga用ジョイスティックとして利用できるようになります。
追加のProコントローラーなどを用意することなく、付属しているJoy-Conだけですぐに2人プレイができるというわけです。TVモードだけではなく、本体のスタンドを利用したテーブルモードにも対応しています。『Sensible Soccer』や『Speedball 2』『Lotus 2』『Worms』『Micro Machines』といったマルチプレイ対応タイトルを遊ぶときには、とくに便利な機能となりそうです。
Single Joy-Con Modeでは、SL/SRボタンがFire 1/Fire 2として利用できるほか、アナログスティックなどもAmigaのジョイスティック操作に割り当てられます。Nintendo Switchを持ち寄って遊ぶというよりも、「その場でJoy-Conを分けてすぐ対戦」というSwitch本来のスタイルをAmigaのゲームでも利用できるのが大きな特徴です。
長いロードはTurboで高速化!m3uとCHDにも新たに対応
フロッピーディスクを利用するAmigaのゲームで気になりやすい長いロード時間を短縮するために、「Fast-Forward/Turbo Mode」も追加されました。ゲーム中にZRボタンを押し続けている間はエミュレーションが高速化され、ボタンを離せば通常の速度に戻ります。
また、Lボタンから呼び出せるQuick MenuでTurboをONにして、継続的に高速化することも可能です。ロードの長いフロッピーベースのゲームや、飛ばすことができない長めのイントロなどを素早く進めたいときに重宝しそうです。
複数枚のフロッピーディスクを使用するゲーム向けには、.m3u形式のプレイリストにも対応しました。ADFファイルを順番に記述したm3uファイルを用意しておけば、ゲーム中に「ZL+十字キー左右」を押すことで次または前のディスクへ切り替えられます。ディスク交換のたびにメインメニューへ戻る必要がなくなるため、複数枚組のアドベンチャーゲームなども遊びやすくなっています。
さらに、Amiga CD32のCD-ROMイメージやHDF形式の仮想ハードディスクでは、圧縮形式のCHDを直接利用できるようになりました。開発者によれば、CHD化によって元データから50~70パーセント程度ストレージ容量を削減できるとのこと。ただし圧縮率はデータの内容によって異なるため、すべてのイメージで同じ削減率になるとは限りません。
Quick Save/Loadやゲーム中メニューも追加。FTPでmicroSDを抜く必要もなし
プレイ中の使い勝手を向上させる機能として、Quick SaveとQuick Loadにも対応しています。「ZL+R」で現在の状態を保存し、「ZL+L」で読み込みが可能。さらにZLと十字キーの上下を組み合わせることで、使用するクイックセーブスロットを切り替えられます。
ゲーム中にLボタンを押すことで呼び出せるQuick Menuも追加されました。ここからTurboの切り替えやステレオセパレーションの変更、Quick Save/Load、m3uのディスク交換、フロッピーディスクの取り出し、スクリーンショットの撮影などを行えます。ゲームを終了して設定画面に戻る必要がないため、実際に遊んでいる最中の操作性も大きく改善されています。
そして、個人的にもかなり便利そうに感じるのがFTPサーバーの内蔵です。Systemタブから「FTP File Transfer」を選択するとFTPサーバーが起動し、画面に表示されたSwitchのIPアドレスとポート5000を指定することで、PCから無線LAN経由でファイルを転送できます。
FileZillaやWinSCP、Windowsのエクスプローラーなどから匿名ログインで接続可能で、ADFやHDF、WHDLoad用のLHAファイル、Kickstart ROMなどをmicroSDカードへ転送できます。ファイルを追加するたびにSwitchの電源を切ってmicroSDカードを抜き、PCに差し直すといった作業を減らせるのはかなり大きなメリットといえるでしょう。
WHDLoadの不具合なども修正
新機能だけではなく、不具合の修正も行われています。WHDLoadでゲームを起動したあとメニューに戻り、別のゲームを起動するとAmigaDOSのCLI画面に入ってしまう問題が修正されたほか、Nintendo SwitchのHorizon OS上で発生していた起動時のクラッシュについても対策が施されています。
なお、UAE4ALL2-HD-SWITCHは任天堂が提供する公式ソフトではなく、Nintendo SwitchのHomebrew環境で動作するアプリです。利用にはHomebrew Menuを実行できる環境が必要で、AmigaのKickstart ROMやゲームデータについても適切に入手したものを使用する必要があります。
当サイトでは8月にPS Vita向けの「UAE4ALL2-HD-VITA 1.00」も紹介しましたが、今回のSwitch版1.02はJoy-Conを利用した2人プレイや内蔵FTPサーバーなど、Nintendo Switchの特徴を活かした機能が多数盛り込まれています。単なる別機種への移植というよりも、「SwitchでAmigaを遊ぶ環境」としての使い勝手を一段階引き上げるアップデートといえそうです。















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