ROM管理・プレイ環境「RomM」の開発版「5.3.0-alpha.3」が、2026年9月17日に公開されました。今回のアップデートでは、EmulatorJSを利用したブラウザープレイにおけるゲーム内セーブの自動同期や、保存済みデータからゲームを再開するときの処理が改善されています。
RomMは、自分で用意したゲームデータをサーバー上で管理し、対応するタイトルをブラウザーなどからプレイできる無料のオープンソースソフトです。EmulatorJSを使ったブラウザープレイのほか、セーブデータやセーブステートを複数の端末で同期する機能などが用意されています。
●RomM 5.3.0-alpha.3
https://github.com/rommapp/romm/releases/tag/5.3.0-alpha.3
ゲーム内セーブを検出して数秒後にサーバーへ同期
今回のアップデートで大きく改善されたのが、EmulatorJSでプレイしているときのゲーム内セーブの扱いです。
これまでにもセーブデータをサーバーへ同期する仕組みは用意されていましたが、自動アップロードはEmulatorJS側の「System Save interval」に依存しており、標準では5分間隔でした。また、この設定を無効にしていた場合は自動同期自体が動作しないという制限もありました。
5.3.0-alpha.3では、ゲームの実行中にRomM側が約1秒間隔でセーブデータを確認。データが2回連続で同じ状態になり、なおかつサーバーに保存されているものから変更されている場合にアップロードする仕組みが導入されています。
これにより、ゲーム内で通常のセーブ操作を行ったあと、「Save & Quit」などを実行しなくても、変更されたセーブデータが数秒単位でサーバー側へ反映されるようになります。この自動同期機能は、今回から標準で有効になります。
また、ゲーム終了時や別ページへ移動するときにも、まだ同期されていないセーブデータが存在する場合はアップロードを試みる処理が追加されています。
ただし、ブラウザーのタブ自体を閉じる場合には制限があります。ブラウザー終了時の送信には「keepalive」を利用していますが、送信できるデータ量には64KBの上限があります。大きなセーブデータなど、状況によっては必ず同期されるとは限らない点には注意が必要です。
セーブデータとセーブステートの「新しいほう」から再開
ゲーム再開時の処理も変更されています。
ここでいう「ゲーム内セーブ」は、ゲーム本来のセーブ機能によって作られるデータです。一方の「セーブステート」は、エミュレーターがゲーム機全体の状態を保存し、その瞬間から再開できるようにするものです。
従来は対応するセーブステートが存在する場合、そちらが優先的に選択されるケースがありました。そのため、ゲーム内でセーブしたデータのほうが新しくても、古いセーブステートから再開してしまう可能性がありました。
今回の変更では、最新のゲーム内セーブと、利用可能なセーブステートの更新日時を比較。より新しい進行状況を持つデータが起動時に選ばれるようになっています。同じ時刻だった場合は、ゲーム内セーブも含めたマシン全体の状態を持つセーブステートが優先されます。
複数の端末からRomMを利用している場合などは、「別の端末で続きを遊んだあと、古い状態から再開してしまう」といったトラブルを減らす効果が期待できそうです。
セーブ履歴もスロットごとに整理
セーブデータの一覧表示についても整理が進められています。
セーブデータはスロット単位でグループ化され、各スロットの最新版には「Latest」と表示。過去のバージョンは折りたたまれ、必要に応じて履歴を確認できるようになりました。
また、別のエミュレーターやコアで作られた互換性のないセーブステートについても、一覧から完全に隠すのではなく、グレーアウトした選択不可の状態で表示されます。どのエミュレーターで作成されたものなのかも確認可能です。
一方で、スロットごとに保存される履歴には新たに上限が設定されています。標準設定では1スロットにつき50バージョンまでとなっており、アップデート後に新しいデータをアップロードした際、50件を超える古い履歴が整理される場合があります。
設定値を変更すれば制限を無効にすることもできますが、これまでの履歴をすべて残しておきたい場合は、アップデート前に設定を確認しておいたほうがよさそうです。
PS1/PS2のディスク識別も改善
このほか、プレイステーションやプレイステーション2用ディスクの識別処理にも修正が加えられています。
従来の処理では、ディスク内に記録されているシリアル番号が小文字だった場合や、一般的ではない区切り文字が使われている場合、一部タイトルのIDを正しく取得できないことがありました。今回のアップデートでは、こうした表記の違いにも対応しています。
また、複数枚組のタイトルについて、フォルダー内で最初に見つかったディスクではなく、ディスク1を基準にタイトルを識別するよう変更。.m3u形式のプレイリストについても、先頭に登録されたディスクを利用して識別する仕組みへ改善されています。
現時点ではプレリリース版。5.3.0系列では設定変更にも注意
「RomM 5.3.0-alpha.3」は正式な安定版ではなく、あくまでプレリリースとして公開されている開発版です。GitHub上では9月17日13時39分(UTC)に公開されており、今回紹介したセーブ同期やPS1/PS2識別処理などの変更も収録されています。
また、5.3.0系列ではファイルシステム構造の設定方法も変更されており、従来の環境から移行する場合は「config.yml」でライブラリーの構造を明示的に指定する必要があります。旧設定の「filesystem.roms_folder」や「filesystem.firmware_folder」も廃止されているため、既存環境をそのまま更新する場合は公式の移行案内を確認したほうがいいでしょう。
ブラウザー上でゲームを遊ぶ仕組みやセーブ同期自体は以前からRomMに用意されていましたが、今回の更新では実際のゲーム内セーブを検出して素早くサーバーへ反映し、再開時にもより新しい進行状況を選ぶ方向へ改善されています。
複数のPCや端末から同じゲームの続きを遊ぶ環境を構築している人にとっては、セーブデータの扱いやすさに直結するアップデートといえそうです。














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