Analogue Pocket向け新系統GBAコア「K3V GBA」が登場! 電源OFF中の経過時間もRTCに反映

Analogue Pocket向け新系統GBAコア「K3V GBA」が登場! 電源OFF中の経過時間もRTCに反映

Analogue Pocket向けの新たなゲームボーイアドバンス用FPGAコア「K3V GBA」が公開されました。2026年8月14日付でopenFPGA Libraryに掲載されたバージョン0.1.5では、電源を切っている間の経過時間をRTC(リアルタイムクロック)へ反映できるほか、セーブステート、早送り、連射、画面フィルターなどに対応しています。

●K3V GBA公式GitHubリポジトリー
https://github.com/K3v-68/k3v-gba

●openFPGA Library:K3V.GBA
https://openfpga-library.github.io/analogue-pocket/handheld/game%20boy%20advance/2026/08/14/k3v-gba.html

●Spiritualized1997/openFPGA-GBA
https://github.com/spiritualized1997/openFPGA-GBA

既存のGBAコアを一から置き換えるものではありませんが、時計機能を利用するゲームをAnalogue Pocketで遊びたい人にとって、気になる選択肢になりそうです。

MiSTer系GBAコアから派生した新たなブランチ

K3V GBAは、Analogue Pocket向けに公開されている「mincer-ray/openfpga-GBA」バージョン0.6.2をベースに、継続的な開発を行う派生プロジェクトです。その上流にはMiSTer向けGBAコアがあり、CPU、GPU、サウンド、DMA、タイマー、シリアル通信などの基本部分を受け継いでいます。

つまり、GBAのハードウェアをゼロから作り直した完全新規コアではありません。開発者も、独自に変更した部分を除けばゲームの動作精度は上流版に準じるとしており、「サイクル単位で完全」「既存コアより高精度」といった主張はしていません。

Analogue Pocketには以前からSpiritualized1997氏によるGBAコアが存在しますが、K3V GBAはそれとは異なる系統の選択肢となります。

電源OFF中の経過時間をRTCへ反映

最大の特徴は、電源を切っている間の時間経過を次回起動時にRTCへ反映する「powered-off catch-up」への対応です。

RTCは、現実の時刻や経過時間に合わせてゲーム内イベントを変化させるための時計機能です。一般的なエミュレーターでは当たり前に利用できることもありますが、FPGAコアではカートリッジ内の時計回路やバックアップ電池に相当する仕組みを別途再現する必要があります。

K3V GBAではゲームごとにRTCの状態を保存し、本体の電源を切ったあとでも、次回起動時に経過した時間を反映できるようになっています。なお、電源OFF中もFPGAが動作し続けるという意味ではなく、保存したRTC情報を利用して空白期間を補正する機能です。

通常のゲームでRTCが自動認識されない場合に備え、「Force RTC(ROM Hacks)」という設定も用意されています。これは主にRTC対応のROMハック向けで、通常は自動判定に任せ、必要な場合だけ有効にすることが推奨されています。

セーブデータとRTC情報を分離

セーブまわりの設計も興味深いポイントです。K3V GBAでは、通常のセーブデータを64KiBまたは128KiBの標準的な「.sav」ファイルとして保存し、RTC情報は別の16バイトの「.rtc」ファイルへ記録します。両方のファイルは、Analogue Pocketの共通GBAセーブフォルダー内にゲームごとに保存されます。

RTC情報をセーブデータの末尾へ付け足さないため、「.sav」はほかのAnalogue Pocket向けGBAコアでもそのまま利用できます。たとえばSpiritualized GBAコアは「.rtc」を参照しませんが、共通セーブ領域にある通常のセーブデータは読み込めます。

バージョン0.1.2で使われていた、セーブデータ末尾に16バイトのRTC情報を追加する旧形式については、自動移行機能も備えています。旧形式を読み込んだあと正常に終了すると、標準サイズの「.sav」と独立した「.rtc」に分割して保存されます。

ただし、バージョンを切り替える際は、念のため事前にセーブデータをバックアップしておいたほうがよいでしょう。

セーブステート、早送り、連射にも対応

K3V GBAはRTC以外にも、Analogue Pocketで遊ぶ際に便利な機能を備えています。

  • セーブステートとスリープ
  • Yボタンによる早送り
  • Xボタンによる連射
  • 画面フィルター
  • 高品質オーディオ
  • 2人用リンクケーブル機能の一部

早送りには、速度を優先する「Fastest」と、表示の安定性を重視する「Stable」の2モードがあります。

Fastestは予備のフレームバッファーを使わないため、画面が途中でずれて見えるティアリングが発生する場合があります。また、ゲームが低速な外部メモリーへどの程度アクセスするかによって、早送りの倍率も変わります。

リンク機能は現時点では2人対戦の一部のみ

リンクケーブル機能も実装されていますが、現段階では通常の2人用マルチプレイに使われる経路のみを対象とした部分対応です。

3人・4人プレイ、ゲームキューブとの接続、ワイヤレスアダプター、1本のカートリッジからデータを配るSingle-Pakには対応していません。通常のシリアル端子を利用する周辺機器も未実装です。

このほか、太陽センサー、ジャイロ、傾きセンサー、カートリッジ側の振動機能といった特殊ハードウェアには現在対応していません。64MiBのGBA Videoカートリッジもサポート対象外です。

openFPGA Libraryの紹介欄には「rumble」と記載されていますが、現在のGitHub READMEではカートリッジ振動は未実装とされています。導入時には最新のGitHub情報を確認してください。

K3V GBAの導入方法

導入する場合は、GitHubのリリースページから最新版の「K3V.GBA_<バージョン>.zip」をダウンロードし、含まれている「Assets」「Cores」「Platforms」の各フォルダーをAnalogue Pocket用SDカードのルートへ統合します。

ゲームデータと「gba_bios.bin」は、SDカード内の「/Assets/gba/common/」へ配置します。ROMデータとBIOSは、利用者自身が適法に用意する必要があります。

macOSのFinderでは、フォルダーをドラッグした際に既存フォルダーとの「統合」ではなく「置き換え」になる場合があります。既存のコアやデータを消さないよう、ファイルを手動でコピーするか、対応する更新ツールを利用したほうが安全です。

初期バージョンながら、RTC対応を求めるユーザーには注目のコア

K3V GBAは、既存のGBA実装を土台に、RTC、セーブデータ、メモリー制御、Analogue Pocketとの橋渡し部分などを重点的に改良したプロジェクトです。公開されたばかりの初期バージョンであり、対応していない周辺機器や通信方式も残されていますが、電源OFF中の経過時間まで扱えるRTCは大きな魅力です。

標準サイズのセーブデータと独立したRTCファイルを組み合わせ、ほかのGBAコアとのセーブ互換性を維持しようとしている点も実用的です。時計連動要素のあるGBAタイトルをAnalogue Pocketでじっくり遊びたい人は、今後の更新も含めてチェックしておきたいコアといえるでしょう。

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