MiSTer FPGAをJAMMA筐体に組み込める「Multisystem2 Arcade」、8月18日より初回出荷! 4人プレイにも対応

MiSTer FPGAをJAMMA筐体に組み込める「Multisystem2 Arcade」、8月18日より初回出荷! 4人プレイにも対応

英国のHeberは2026年8月14日、MiSTer FPGA対応のJAMMAシステム「Multisystem² Arcade(Multisystem2 Arcade)」について、初回分の出荷を8月18日より開始すると発表しました。

本製品は、MiSTer FPGAをJAMMA対応のアーケード筐体へ組み込むために必要な機能を1枚の基板へまとめたオールインワンシステムです。今回の出荷案内に合わせて、追加ハードウェアなしで利用できる4人プレイモードも明らかにされています。

●Heber公式発表:Batch 1 shipping starts August 18th
https://shop.heber.co.uk/blog-news/multisystem2-arcade-batch-1-shipping-starts-august-18th/

●Multisystem² Arcade公式製品ページ
https://multisystem.uk/products/multisystem-2-arcade/

●Heber公式オンラインショップ
https://shop.heber.co.uk/multisystem2-arcade-system-jamma-with-black-enclosure/

●Multisystem² Arcade User Manual Issue 5(PDF)
https://multisystem.uk/media/2026/05/HeberMultisystem2ArcadeUsermanual.pdf

MiSTer FPGAをアーケード筐体へ直接組み込める一体型システム

Multisystem² Arcadeは、MiSTer FPGAプロジェクトの各種コアをアーケード筐体で利用することに特化したハードウェアです。

一般的なMiSTer FPGA環境ではDE10-Nanoなどを中心に、SDRAM、USBハブ、アナログ映像出力、入力インターフェースなどを組み合わせます。一方のMultisystem² Arcadeでは、Altera Cyclone V FPGA、128MB SDRAM、1GB LPDDRメモリーなどを独自の10層基板へ統合。別途DE10-NanoやMiSTer PiなどのFPGAボードを追加する必要はありません。

基板には、ハードゴールド処理された56ピンのJAMMAエッジコネクターを搭載。JAMMA対応筐体へ接続すると、電源、操作入力、アナログ映像、音声をまとめて扱えます。

製品は黒い3Dプリント製ケースへ組み込まれた完成品として出荷され、筐体内へ固定するためのクイックフィット式スライドレールも付属します。

CRTと純正コントロールを生かしたアーケード環境を構築

映像出力は24ビットのアナログ方式で、JAMMA端子からアーケード用CRTモニターへ接続できます。15ピンのVGA端子も備えており、対応するCRTや液晶ディスプレイへネイティブ解像度またはスケーリングした映像を出力可能です。

入力部分には、Heberが開発した低遅延インターフェース「CTRLDock Arcade」を内蔵しています。通常の2人プレイモードでは、各プレイヤーにつきジョイスティック、スタート、コイン、最大9個のアクションボタンに対応。『ストリートファイターII』のような6ボタンタイトルでは、CPS1/CPS2用キックハーネスを利用できます。

さらに、1P・2Pそれぞれにトラックボール、スピナー、光学式入力機器を接続するための専用端子を用意。ホイールなどに利用できるアナログ入力や、4基のUSB 2.0端子も搭載しています。

音声については、物理ボリューム付きのクラスD・10Wアンプを内蔵。JAMMA端子からの標準的なモノラル出力に加えて、専用端子や3.5mmジャックからステレオ音声を取り出せます。

スイッチひとつで4人プレイモードに切り替え

8月13日付で公開されたユーザーマニュアルIssue 5では、新たに4人プレイモードが追加されました。

4人プレイを利用するために基板や拡張ボードを交換する必要はありません。本体にある8連DIPスイッチのうち、6番を切り替えるだけで、通常の2人プレイモードから4人プレイモードへ変更できます。

これにより、『Teenage Mutant Ninja Turtles』『ザ・シンプソンズ』『ガントレット』『ランページ』など、3~4人同時プレイに対応したアーケードゲームを実際の筐体用コントロールで遊べるようになります。

ただし、4人プレイモードでは既存の入力端子を3P・4P用に割り当て直すため、各プレイヤーが利用できるボタン数は2人プレイモードより少なくなります。筐体側にも3P・4P用の操作パネルと配線が必要です。

初回出荷は注文番号20020~20390が対象

8月18日から出荷されるのは、初回生産分にあたる「Batch 1」のうち、Level 1に分類された注文です。対象となる注文番号は20020~20390と案内されています。

現在はさらに3つの生産バッチが製造中で、初回分に続いて順次出荷される予定です。Level 2~4の具体的な出荷状況については、準備が整い次第発表されます。

出荷は予約注文の受付順に行われ、対象となる注文は最初に「Awaiting Shipment」へ更新されてメールが送られます。実際の発送時には、通常その数日後に改めて通知が届くとのことです。全体の出荷作業は2026年9月まで続く予定となっています。

予約受付は5月6日に開始されており、現在もHeberのオンラインショップから注文できます。

現在の価格は258ポンド、8月中に10ポンド値上げ予定

Multisystem² Arcadeの価格は、英国の付加価値税込みで258ポンド、税別では215ポンドです。日本から購入する場合は、このほかに国際送料や輸入時の税金などが発生する可能性があります。

Heberによると、RAMをはじめとする部品価格と輸送コストの上昇を受け、2026年8月中にMultisystem²とMultisystem² Arcadeをそれぞれ10ポンド値上げする予定です。

同社は、この1年間だけでRAMの仕入れ価格が5回引き上げられ、部品の納期も数カ月から6カ月以上へ伸びていると説明しています。現在確保している在庫分については可能な限り現行価格を維持するものの、新規注文分の値上げは避けられないとしています。

HDMI出力は非搭載なので注意

購入前に注意しておきたいのが、Multisystem² Arcadeには標準のHDMI出力が搭載されていない点です。

本製品は古いアーケード筐体とCRTモニターで使うことを目的に設計されているため、正式な映像出力はJAMMAおよびVGAのアナログ方式となっています。基板上にはデジタル映像を実験するための未実装端子がありますが、製品仕様としてHDMI出力が保証されているわけではありません。

HDMIを利用して一般的なテレビやPC用ディスプレイへ接続したい場合は、家庭用ゲーム機スタイルの「Multisystem²」を選ぶ必要があります。

また、Multisystem² Arcadeを動かすには、ゲームやシステムを保存する32GB以上推奨のSDカードと、5V・12Vの電源、操作入力、映像出力を備えたJAMMA対応筐体または互換インターフェースが別途必要です。JAMMA以前の筐体や独自配線を採用した筐体では、変換基板や追加配線が必要になる場合があります。

MiSTer FPGAを“実際の筐体”で使うための本格派ハード

MiSTer FPGAをアーケード筐体へ接続する方法はこれまでも存在しましたが、Multisystem² ArcadeはFPGA本体、メモリー、JAMMA接続、アナログ映像、音声アンプ、低遅延入力をひとつにまとめている点が特徴です。

ジョイスティックとボタンだけでなく、トラックボール、スピナー、アナログ入力、キックハーネスまで想定されており、汎用的なアーケード筐体の中身をMiSTer FPGAへ置き換えたいユーザーにとって、かなり実践的な製品といえます。

初回出荷直前に4人プレイモードまで追加されたことで、多人数対応筐体のレストアや自作にも活用の幅が広がりました。オリジナル基板を温存しながら、実際のCRTと筐体用コントロールで多数のアーケードコアを動かしたい人には、注目の選択肢となりそうです。

ABOUT US
アバター画像
retrogamer