PlayStation 2向けゲームランチャー「RiptOPL」の最新Rolling Buildが公開され、PS1ゲームの起動環境を中心に大幅な機能改善が行われました。
今回の更新では、PS2上で動作するPS1エミュレーター「Ember」の最新バージョン「Beta 2」を正式に同梱。RiptOPLのゲーム一覧からPS1のCUE/BINなどを扱えるほか、ゲームごとのメモリーカード管理や、240p/480pの出力切り替えなどにも対応しています。
PS2とPS1のゲームをひとつのランチャーから扱いたいユーザーにとって、かなり注目度の高いアップデートとなりそうです。
●RiptOPL最新更新まとめ — PSX-Place
https://psx-place.com/resources/fork-riptopl-customized-open-ps2-loader.1711/updates
●RiptOPL開発スレッド — PSX-Place
https://psx-place.com/threads/fork-riptopl-customized-open-ps2-loader.50327/
●Ember Beta 2 — PSX-Place
https://www.psx-place.com/resources/ember.1755/
PS1のBIN/CUEをRiptOPLから直接選択可能に
RiptOPLは、PS2向けの定番ゲームランチャー「Open PS2 Loader(OPL)」をベースに、さまざまな機能を追加したフォークです。
PS1については以前からPOPSTARTERによるVCD形式の起動に加え、2026年8月末からEmberへの対応が進められてきました。今回の最新Rolling BuildではGageformer氏が開発する「Ember Beta 2」がパッケージに正式に組み込まれ、PS1関連機能がさらに整理されています。
Emberを利用した場合、PS1ゲームは.cue、.bin、.exe形式から起動可能です。RiptOPLではPOPSTARTER用のVCDとEmber用ゲームを同じPS1ライブラリ上で扱えるようになっており、ファイル形式などに応じて使用するコアが決定されます。
つまり、あらかじめVCDへ変換してPOPSTARTERから起動する方法だけではなく、BIN/CUEで保存しているPS1のディスクイメージをRiptOPLのライブラリから選び、そのままEmberへ渡して起動できるというわけです。
PS1ゲームごとに独立したメモリーカードを利用
今回のPS1関連機能で、もうひとつ便利なのがゲームごとのメモリーカード管理です。
Emberではゲームをそれぞれ専用フォルダーに配置する構成となっており、その中に「MC1.vmc」「MC2.vmc」という仮想メモリーカードを保存します。そのため、複数のPS1タイトルで同じメモリーカードを使い回すのではなく、ゲームごとに独立したセーブ環境を持たせることができます。
たとえばUSBメモリーなどの場合は、「EMBER/games/ゲーム名/」の下にCUE/BINを配置する形です。このゲーム名はRiptOPL上での表示やカバーアート、ゲーム別設定の識別にも利用されます。
なお、Emberを利用するにはPS1のBIOSをユーザー自身で用意する必要があります。RiptOPLのパッケージにはEmber本体は含まれていますが、著作物であるPS1 BIOSやゲームデータそのものは収録されていません。
内蔵HDDでは専用「__.EMBER」パーティションに対応
PS2の内蔵HDDを利用している場合についても、Ember専用の仕組みが用意されています。
APA/PFS形式の内蔵HDDでは、通常のUSBストレージのようにルートへEMBERフォルダーを置くことができないため、「.EMBER」という専用パーティションを利用します。複数用意する場合は「.EMBER0」から「__.EMBER9」まで利用可能です。
このパーティションをマウントしたままEmberへ引き継ぐことで、ゲームの読み込みだけではなく、ゲームごとの仮想メモリーカードや設定ファイルへの書き込みも行える仕組みになっています。
Emberの映像出力を240p/480pから選択可能に
映像面では、新たに「PS Emulation Settings」からEmberの出力モードを変更できるようになりました。
設定項目には「Default」「240p」「480p」が用意されており、240pを利用してPS1らしい映像出力を狙うことも、480pを利用してプログレッシブ出力することもできます。
RiptOPL側で設定すると、起動時にEmberの設定ファイルへ必要な項目が反映される仕組みです。「Default」に戻した場合はRiptOPLが追加した設定が取り除かれるため、Ember側のほかの設定を維持しながら切り替えられるようになっています。
Ember Beta 2自体も性能や互換性を改善
今回同梱されたEmber Beta 2では、エミュレーター本体にも多数の改良が加えられています。
開発者によると、パフォーマンスが大幅に改善され、より多くのゲームがフルスピード、またはそれに近い速度で動作するようになったとのこと。グラフィックやフリーズなどの互換性問題、サウンドやCDオーディオも改善されています。
さらにアナログコントローラーと振動、デジタル入力のみ対応するゲームをアナログスティックで操作する「D2A」、ゲーム別設定などもBeta 2で追加されています。
ネットワークや安定性にも多数の修正
最新Rolling BuildではPS1関連以外にも、さまざまな修正が入っています。
SMBやUDPFS/UDPBDなどのネットワーク関連では接続やデータ転送の改善が行われたほか、BGM再生時のフリーズや音飛びにつながる問題、画面切り替え時などに残っていたI/O処理に関する問題も修正されています。
さらに、今後は各リリースに固定ファイル名の「RIPTOPL.ELF」が用意されます。起動設定側で毎回異なるファイル名を指定し直す必要がなくなるため、Rolling Buildを頻繁に更新する場合には地味ながら便利な改善といえそうです。
なお、RetroAchievementsについても今回さらなる改良が行われていますが、機能自体は2026年9月6日の更新ですでに追加されています。同じくHTTP経由のゲーム読み込みも以前から導入されているため、これらを今回初めて追加された機能と混同しないよう注意が必要です。
あくまでも「Rolling Build」なので利用時は注意
RiptOPLで公開されている最新版は「Rolling」と呼ばれる開発ビルドです。
新しい機能や修正をいち早く利用できる一方、安定版として提供されているものではありません。開発元でも、ビルドや使用するゲーム、PS2本体、ストレージ環境などによって互換性が変わる可能性があることが案内されています。
とはいえ、RiptOPL上でPS2ゲームだけではなく、PS1のBIN/CUEまで同じライブラリから選択でき、さらにゲーム別メモリーカードや240p/480p切り替えまで利用できるようになったことで、PS2をPS1/PS2の統合ゲームランチャーとして活用する環境はかなり充実してきました。
特にPS1のディスクイメージを大量に管理しているユーザーにとって、今後の進化が気になるプロジェクトになりそうです。















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