Anbernic『RG353V』レビュー! フロントエンドAPPでAndroidモードの操作性も格段にアップ。小ぶりで持ち歩きにも便利な中華エミュ機【PR】

Anbernic『RG353V』レビュー! フロントエンドAPPでAndroidモードの操作性も格段にアップ。小ぶりで持ち歩きにも便利な中華エミュ機

Anbernicより2022年9月20日よりプレセールが開始された、新型中華エミュ機の『RG353V』。一般向けに配送が開始される前に、本機のサンプルをメーカーよりご提供していただきました。そこで今回は、その魅力と特徴をお届けしていきます。

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https://jp.anbernic.com/products/rg353vs-rg353v

『RG353V』と同時に『RG353VS』という機種も発売されていますが、このふたつの違いは『RG353V』がLinuxとAndroid11のデュアルOS、『RG353VS』がLinuxのみのシングルOSとなっているところです。これは完全に好みの問題かもしれませんが、Androidのほうが扱い慣れている人はTPOによって環境を切り替えられる『RG353V』を選んだ方がいいかもしれません。

パッケージの中身は至ってシンプル。本体の他、マニュアルとUSB Type-Cケーブル、スクリーンプロテクター、マニュアルといった感じです。開封したすぐの状態でもある程度バッテリーは充電されている状態になっていました。また、最初から15GBのmicroSDカードが本体に入れられているので、そちらにデータを入れることですぐにゲームを遊ぶこともできます。

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RG353Vのスペック

カラーバリエーション透明な黒/ グレー/ ホワイト/ 透明な紫
システムAndroid 11、Linux(64bitシステムと32-bit coreと互換性があり)
CPURK3566 Quad-Core 64 bit Cortex-A55、メイン周波数最大1.8GHz
メモリーLPDDR4 1GB
ストレージ16GB TF
液晶3.5インチIPSパノラマ、ゼロ距離OCA全密着
解像度640×480
タッチスクリーン対応
Wi-Fi/Bluetooth2.4/5G WIFI 802.11a/b/g/n/ac、Bluetooth4.2
ソフトウェアLinuxシステムは有線ハンドル機能をサポート。マルチメディアネットワークプレイもサポート。Androidシステムは フロントエンドAPP内蔵
対応言語マルチ言語
スピーカーシングル ホーン スピーカー
バッテリーLi-polymer 3200 mAh、最大6時間の利用が可能
TFカード最大512GBまで対応
その他の機能内蔵Wi-Fiオンラインファイティング、ストリーミング、HDMI、振動モーターをサポート。3.5mmステレオイヤホンをサポート。省エネ設定、輝度ディスプレイ、その他の機能特性の設定
付属品USB充電ケーブル、ボックス、説明書、スクリーンプロテクター
本体サイズ横126mm×縦83mm×高さ21mm
重量0.18Kg
主な対応エミュレーターAndoroidのゲーム、PSP、ドリームキャスト、セガサターン、PlayStation、ニンテンドーDS、NINTENDO64、CPS1CPS2、CPS3、FBA、NEO GEO、ゲームボーイ、ゲームボーイカラー、ゲームボーイアドバンス、ファミコン、スーパーファミコン、メガドライブ、セガマスターシステム、ゲームギア、MSX、PCエンジン、ワンダースワンカラー、N-Gage、その他移植ゲームなど20種類以上のゲームをサポート。

ディスプレイは3.5インチのIPS液晶で、解像度は640×480。SoCはRK3566を搭載しています。バッテリーの容量は3200mAhで、最大6時間のプレイが可能です。ちょっと変わっているのは、本体下部中央に付けられたスピーカー。

こちらはシングルホーンとなっており、こちらから音が出る仕組みです。ちょっとステレオじゃないところが気にならなくもないですが、それほど音にこだわらない場合はこれでも十分かもといった感じでしょうか。

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ゲーム中の操作に関わるボタンは、基本的に前面下部に集約されています。LinuxモードとAndroidモードのどちらも実際にゲームを遊んで操作してみましたが、特に不満を感じる部分はありませんでした。

それよりも感心させられたのは、特に何の設定をすることもなくそのままコントローラーが使えるところ。特に十字キーはもちろんのこと、アナログキーもそのまま操作に使うことができます。

PlayStationなどどちらでも遊びやすいゲームはもちろんのこと、ファミコンなどそもそも十字キーの操作しか想定されていなかったようなゲーム機向けのエミュレーターであっても、アナログキーで操作することができるので、ちょっと変わった気分でプレイすることができます。

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少し遊んでいて気になった部分は、バッテリーの熱です。このスケルトンのボディを観ても分かるように、本体背面側下部に設置されていますが、これがほんわかと暖かくなってくるのです。熱の影響がどれほどあるかはわからないものの、気になる人は気になるかも? といったところでしょうか。

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▲音量の調整は、左上側面のボタンで可能。
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▲本体下部側面のUSBポートから、バッテリーの充電が行えます。

本体上部のmini HDMIポートに接続することで、本体の映像を外部ディスプレイに出力することができます。これ自体は便利なのですが、なかなか癖があって一発で映像が出力されないことも度々発生。とはいえ、機能としては便利なのであるだけでもありがたいといったところでしょうか。

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▲本体上部側面には、ヘッドフォン端子とmini HDMI用の端子、周辺機器を接続するためのUSB OTGが並んでいます。

ベンチマークの結果は予想通り?

Androidのほうにベンチマークソフトをインストールして、さっそくパフォーマンスをチェックしてみることに。搭載しているSoCが以前ご紹介した『RG353P』と同じであるため、今回もだいたい同じぐらいの性能だろうと思っていたのですが……何度か試したところ、低く出ることもありましたが少し上回るスコアも出ることがあったので、だいたい同じという結果に。

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機種シングルコアのスコアマルチコアのスコア
RG353V142409
RG353P121408
Retroid Pocket 3367408

OSの切り替えはmicroSDカードの差す場所方式

本機には本体右側面にふたつのmicroSDカードスロットが用意されています。上側のTF1に付属のmicroSDカードがささっている場合はLinuxモードで起動。下側のTF2にささっている場合はAndroidモードで起動します。

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Linuxモードで起動した場合は、あまり細かな説明は不要だと思いますが、いきなりゲームメニューが表示されます。そのため、ROMさえ用意して設定しておけば、単純にゲームが遊べるといった感じです。

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▲Linuxモードでは、おなじみのランチャーが起動。

今回の『RG353V』特徴のひとつとして、AndroidでもフロントエンドAPPが利用できるようになったところがあります。最初に起動すると、いつものような画面が表示され、いつものようにインストール済みのアプリも一覧で表示することができます。

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▲Android起動時は、いつもの画面が表示されます。
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▲アプリ一覧も、いつものように表示可能。

ところで、このフロントエンドAPPってどうやって表示するんだ? と思ったら、「クイック設定パネル」でONにすることができるのがわかりました。こちらは、Androidで起動しているときに、画面上部からスワイプすることで表示できるメニュー画面です。

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フロントエンドAPPをONにすると、なんとランチャーのようなものに画面が切り替わります。たしかにこれならば、Linuxの時と同じような感覚でゲームが起動できるので、なかなかいいんじゃないでしょうか。

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▲AndroidのフロントエンドAPPが起動。

もうひとつ、Androidモードで良かったところは、ランゲージで日本語が普通に選べるところでした。『Retroid Pocket 3』では日本語化するのにかなり苦労したので、当たり前のように言語が選べるのはいいですね。

ということで、以下いくつかのゲームをパフォーマンスチェックとして本機でプレイしてみたので、その感想をご紹介しておきます。

ファミコン

ファミコンの動作チェックには、『沙羅曼蛇』をプレイ。もはやこのあたりのエミュレーターの動作はほぼ不満なく遊ぶことができます。

ちなみに別のゲームに切り替えるときに、最初はいちいちメニューからRetroArchを終了していたのですが、スタートボタンとメニューボタンを押すことでゲーム選択画面に戻ることができるのがわかってからは、かなり快適になりました。

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スーパーファミコン

スーパーファミコンでは『ゼルダの伝説 神々のトライフォース』をプレイ。まったく問題なくプレイ可能。十字キーでのプレイに加えて、アナログスティック(左)でも操作ができるので、結構新しい体験かもしれません。

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NINTENDO64

NINTENDO64は、『ゼルダの伝説 時のオカリナ』をプレイ。イベントシーンは若干インタラプトが入るような印象でしたが、ゲームプレイ自体は概ね許容範囲といったところでしょうか。

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メガドライブ

メガドライブは、『マイケルジャクソンズ ムーンウォーカー』をプレイ。ゲームはもちろんのこと、サウンドもバッチリ。やはりこのあたりのエミュレーターはもはや動いて当たり前といったところでしょうか!?

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PlayStation

PlayStationは、おなじみの『リッジレーサー』をプレイ。十字キーでも操作可能ですが、やはりアナログスティックでそのまま遊べるのはいい感じですね。気のせいか、いつもよりもうまく走れたような気分にさせてくれます。

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PSP

PSPは『勇者のくせになまいきだ』をプレイ。元々画面が横長のゲーム機ということもあり、ゲームプレイ自体は快適に遊べるものの、本機では少し画面が小さくなってしまう印象です。しかし、アナログスティックでのプレイはいい感じでした。

ちょっと注意が必要なのは、エミュレーターでボタンが割り当てられているせいか、スタートボタン+メニューボタンが効かなかったところ。そこが少しだけ残念なポイントでした。

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コストパフォーマンスはまずまず。普段使いのゲーム機としてもおすすめ

『RG353V』の定価は1万7000円台ですが、これだけコンパクトにまとまっており、パフォーマンスもほぼ不満がないレベルの性能を持っていることを考えれば、十分すぎるぐらい魅力的な機種といえます。

今回はスケルトンパープルなカラーを選びましたが、本体の手触りもマットな感じで、長時間遊んでいてもべたつくことはありません。傷がつくのは気になりますが、ポケットに入れておけるサイズ感も絶妙です。新たな中華エミュ機が1台欲しいとお考えの人は、ぜひこちらもリストに加えてみてはいかがでしょうか?

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※時短のため、画面はHDMI経由で撮影したものをはめ込式で作成しています(手に持ってるやつ)。

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高島おしゃむ
ライター/編集者。コンピューターホビー雑誌「ログイン」の編集者を経て、1999年よりフリーに。 現在はゲームやホビー、IT、XR系のメディアを中心に、イベント取材やインタビュー、レビュー、コラム記事などを執筆しています。