iPadがA500から68060ワークステーションまで化ける! 無料Amigaエミュレーター「Amigo」が正式公開

iPadがA500から68060ワークステーションまで化ける! 無料Amigaエミュレーター「Amigo」が正式公開

iPad上でCommodore Amigaを再現できる無料エミュレーター「Amigo — Amiga Emulator」が、App Storeで正式公開されました。

●App Store:Amigo — Amiga Emulator
https://apps.apple.com/jp/app/amigo-amiga-emulator/id6792285150

●Amigo公式GitHubリポジトリー
https://github.com/thomas-luebker/Amigo

●Amigo公式ユーザーガイド
https://github.com/thomas-luebker/Amigo/blob/main/docs/USER_GUIDE.md

初期状態のAmiga 500から、68060 CPUや高解像度RTGグラフィックス、ネットワークを備えたワークステーション環境まで構築できる本格的なアプリです。タッチ操作だけでなく、マウス、キーボード、ゲームコントローラー、Apple Pencilにも対応しています。

アプリは完全無料で、広告やアプリ内課金、アカウント登録もありません。ソースコードもGPL-2.0ライセンスでGitHub上に公開されています。

WinUAEをiPadへネイティブ移植

Amigoは、Windows向けAmigaエミュレーターとして長年開発が続けられている「WinUAE」をiPadへ移植したアプリです。

開発者のThomas Luebker氏は、WinUAEのUnix/SDL3レイヤーをベースにiPadOS向けのコアを構築し、設定画面や操作部分をSwiftUIで作り直しています。デスクトップ版WinUAEの画面をそのまま小さく表示したものではなく、iPadのタッチ操作やファイル管理に合わせた専用インターフェースが用意されています。

開発中は「iPadUAE」という名称が使われていましたが、App Storeでの正式公開に合わせて「Amigo — Amiga Emulator」へ変更されました。

2026年8月16日現在のバージョンは0.6.5で、日本のApp Storeからも無料でダウンロードできます。対応OSはiPadOS 17以降です。

A500から68060搭載ワークステーションまで再現

Amigoでは、68000から68060までの各種CPUと、OCS、ECS、AGAチップセットをエミュレーションできます。FPUやMMUにも対応しており、シンプルなAmiga 500相当の構成だけでなく、大幅に強化されたAmiga環境も作れます。

さらに、Picasso96互換のRTGグラフィックカードを設定可能です。標準的なAmigaの画面モードを超える高解像度・多色表示のWorkbenchをiPad上で利用でき、68040/68060と大容量メモリーを組み合わせたワークステーション風の構成も再現できます。

開発者によると、M1搭載端末で68060を動かした場合、JITを無効にしたFS-UAEとの比較で約2.8倍のベンチマーク結果を記録したとのことです。ただし、これはインタープリター同士を特定環境で比較した開発者側の測定値であり、すべてのiPadで同じ性能になるわけではありません。

フロッピーだけでなくハードディスク環境にも対応

対応するフロッピーディスクイメージはADF、ADZ、DMSです。ハードディスクについてもHDFに加え、RDB形式とプレーン形式のイメージを読み込めます。

ファイルはiPadOSの「ファイル」アプリから「このiPad内」のAmigoフォルダーへコピーします。Kickstart ROM、フロッピー、ハードディスク、保存した構成を種類ごとのフォルダーへ整理でき、バージョン0.6.5ではサブフォルダー内のファイルも認識するようになりました。

複数のマシン構成に名前を付けて保存できるため、ゲーム向けのA500、AGAタイトル向けのA1200、高解像度Workbench用の68060環境といった設定を切り替えて使えます。

セーブステートにも対応し、5分ごとの自動保存機能が用意されています。ゲームだけでなく、Workbench上で作業する場合にも扱いやすい設計です。

指で直接マウスポインターを動かせる

iPad向けアプリらしく、タッチ操作には2種類の方式が用意されています。

標準のトラックパッド方式では、画面上で指を滑らせると、その移動量に応じてAmiga側のマウスポインターが動きます。1回タップが左クリック、2本指タップが右クリックです。

「1:1 Mouse」を有効にすると、指を置いた位置へAmiga側のポインターが直接移動します。画面上のアイコンやメニューを、タブレットアプリに近い感覚で操作できるのが特徴です。2本指ドラッグによるスクロールにも対応しています。

画面上には、Amigaキーボード、テンキー、ファンクションキー、仮想ジョイスティックを表示できます。物理キーボード、マウス、トラックパッド、対応ゲームコントローラーも利用可能です。

Apple Pencilでは、対応モデルのホバー機能でポインターを移動し、スクイーズ操作をクリックとして使用できます。ゲームだけでなく、Deluxe Paintのようなマウス中心のソフトをiPadで扱いたい場合にも面白い機能となりそうです。

USB-CやAirPlayでテレビへ出力

USB-CまたはAirPlayを利用した外部画面出力にも対応しています。Amigaの画面をテレビやディスプレイへフルスクリーン表示し、iPad側を操作デバイスとして使うことができます。

また、bsdsocket.libraryを利用したネットワーク接続にも対応。適切なAmigaOS環境とネットワークソフトを用意すれば、エミュレーター上で動くAmiga用ソフトからインターネットへアクセスできます。

単に昔のフロッピーゲームを起動するだけでなく、高解像度Workbench、物理キーボード、外部ディスプレイ、ネットワークを組み合わせ、iPadをAmigaワークステーションのように使えるのがAmigoの大きな特徴です。

AROS ROMを内蔵しているため、何もなくても起動可能

Amigoには、オープンソースのAROS Kickstart代替ROMが組み込まれています。そのため、App Storeからインストールした直後でも、Amigaに似た環境を起動してアプリの操作を確認できます。AROS ROMで動作するソフトであれば、別途Kickstart ROMを追加せずに利用できる場合もあります。

ただし、Amigo本体には純正のKickstart ROM、AmigaOS、ゲームは収録されていません。実機に近い互換性で市販ソフトを動かしたり、本格的なWorkbench環境を構築したりするには、利用者が正規に入手したKickstart ROMやAmigaOS、ディスクイメージを用意する必要があります。

Kickstart ROMとディスクイメージは、AirDropやクラウドストレージなどを経由してiPadの「ファイル」アプリへコピーできます。

無料、広告なし、データ収集なし

Amigoは無料で公開されており、広告、アプリ内課金、ユーザーアカウントはありません。App Storeのプライバシー表示では、開発者によるユーザーデータの収集も行われないとされています。

ソースコードはGitHubで公開され、ライセンスはWinUAEと同じGPL-2.0です。AmigoはToni Wilen氏が開発するWinUAEと、Bernd Schmidt氏が始めたUAEの成果をベースにしています。

App Storeで公開された各ビルドに対応するソースコードを確認できるため、使用しているエミュレーションコアやアプリの実装が公開された、透明性の高いプロジェクトとなっています。

JIT非対応というiPadOS特有の制限も

注意点として、iPadOSでは実行中に生成したコードを動かすJITを通常のApp Storeアプリで利用できないため、AmigoのCPUエミュレーションはインタープリター方式で動作します。

開発者は日常的なWorkbench操作やツール、多くのゲームは良好に動作すると説明していますが、負荷の高いソフトではPC上のJIT対応Amigaエミュレーターより遅くなる可能性があります。68060を選択できるからといって、すべての処理が実機の高速な68060環境やPC版WinUAE以上の速度で動くことを保証するものではありません。

また、現在のバージョンは0.6.5と、まだ初期段階にあります。互換性や操作方法については、今後も更新が続くものとみられます。

iPadの画面と操作方法を生かした本格派Amiga環境

iPadでAmigaゲームを動かす手段としては、これまでもRetroArchなどが利用できました。しかしAmigoは、WinUAEをベースにした幅広いマシン設定と、Workbenchを使うことまで想定したiPad専用インターフェースを備えている点が大きく異なります。

タッチ操作で手軽にA500用ゲームを遊ぶことも、キーボードやマウス、外部ディスプレイを接続して68060+RTGの高性能Amiga環境を構築することも可能です。

無料、広告なし、オープンソースで、AROS ROMを使えばインストール直後から試せます。iPadを所有しているAmigaファンにとって、まずダウンロードしておきたいアプリといえるでしょう。

via.Reddit

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