Anbernic RG DS向け「ROCKNIXDS 1.5 beta」公開。DraStic強化、3種類の性能プロファイルを追加

Anbernic RG DS向け「ROCKNIXDS 1.5 beta」公開。DraStic強化、3種類の性能プロファイルを追加

Anbernic RG DS向けのカスタム環境「ROCKNIXDS 1.5 beta 1」が、2026年9月29日に公開されました。今回のバージョンでは、ニンテンドーDSエミュレーターまわりがさらに強化されており、「SuperDrastic 0.3.0-beta.1」の採用に加えて、性能と消費電力のバランスを切り替えられる3種類の電力/性能プロファイルなどが追加されています。

なお、ROCKNIXDSは独立したOSというよりも、Linuxベースのゲーム向けOS「ROCKNIX」をRG DS向けにカスタマイズするプロジェクトです。DraSticの映像を2枚のディスプレイへ直接出力する「libdsflip」や、上下2画面を活用するDSi風のEmulationStationテーマなどを組み合わせることで、RG DSでニンテンドーDSタイトルをより快適に遊べる環境を目指しています。

●ROCKNIXDS 1.5 beta 1
https://github.com/JorreFog/ROCKNIXDS/releases/tag/v1.5-beta.1

3種類の性能プロファイルを追加

「ROCKNIXDS 1.5 beta 1」で大きな変更点となっているのが、ニンテンドーDSゲーム向けに追加された電力/性能プロファイルです。「balanced」「performance」「battery saver」の3種類が用意されており、システム全体だけではなくゲームごとに設定することもできます。

デフォルトの「balanced」ではCPUの最大クロックが1416MHzに設定され、入力遅延が約17ms増える代わりに、フレームを1枚多くキューへ保持する仕組みが採用されています。「performance」はCPU最大1992MHzで、キューを最短にして入力遅延を抑える設定。一方の「battery saver」はCPUを1104MHzに抑え、3フレーム分のキューを利用することで消費電力を抑える方向に振られています。

プロファイルCPU設定特徴
balanced最大1416MHz標準設定。性能と安定性のバランス重視
performance最大1992MHz入力遅延を抑えた性能重視
battery saver1104MHz消費電力重視

また、これまでCPU側が原因ではないフレーム落ちまでCPU負荷の問題として扱われ、その結果1992MHz付近で動作し続けるケースがあったCPU governorの挙動も見直されています。必要以上にCPUクロックを引き上げないようにすることで、性能を維持しながら発熱や消費電力を抑える狙いがあるようです。

DraSticは「SuperDrastic 0.3.0-beta.1」に変更

ニンテンドーDSエミュレーターについては、DraSticエンジンが「SuperDrastic 0.3.0-beta.1」へ更新されました。ROCKNIXDSでは独自の「libdsflip」を利用し、DraSticが描画した映像を通常のコンポジターなどを経由せず、RG DSの上下ディスプレイへ直接送る仕組みが採用されています。

この仕組みは以前のバージョンから導入されていたもので、2倍内部解像度での動作やフレームペーシング改善などがROCKNIXDSの大きな特徴になっています。さらに今回の1.5 beta 1には、これまで1.5系で開発されてきたCanvas-DSテーマ、ゲーム終了時のresume機能、メニューへの復帰高速化なども含まれています。

『ポケモン ブラック2』は1104MHzでも約60fpsとのテスト結果

興味深いのが、開発者による『ポケットモンスター ブラック2』を使った実機テストです。Redditへの報告によると、内部解像度を2倍に設定した状態でCPU 1104MHz、GPU 200MHzに抑えても、約60fpsで動作したとのこと。約28分間、街の間を移動し続けるテストを実施し、SoC温度についても平均49度前後だったと報告されています。

ただし、これはあくまでも開発者側で行われた特定タイトルでのテスト結果です。すべてのニンテンドーDSタイトルが同じ条件で60fps動作することを保証するものではありません。実際、Battery Saverでは『ブラック2』で5~14秒に1回程度、遅れて表示されるフレームが発生する場合があることも、公式のリリースノートで既知の問題として挙げられています。

RG DSの2画面を活かした専用UIも特徴

ROCKNIXDSはエミュレーターの高速化だけではなく、RG DSの2画面を活かしたフロントエンドも特徴のひとつです。DSi風にデザインされた「dii-ess-aye」をベースにしたテーマを採用しており、上下のディスプレイを使ってゲーム一覧やパッケージ画像、スクリーンショット、RetroAchievementsの進捗などを表示できます。

また、DraSticのメニューについても下画面側に表示しながら、上画面にはゲーム画面を残しておく仕組みが導入されています。一般的なシングルディスプレイのエミュ機向けUIをそのまま利用するのではなく、RG DSならではの2画面構成を前提に作られているところもROCKNIXDSの特徴といえそうです。

現時点ではあくまでもβ版

一方で、「ROCKNIXDS 1.5 beta 1」は正式版ではなく、GitHubでも「Pre-release」として公開されています。開発者は安定性を重視するユーザーには、引き続きStable版の1.4を利用するよう案内しています。

既知の問題としては、ゲーム起動時のタイミングによって上下画面の同期位置が変化し、ときどき下画面の更新が垂直同期に間に合わず、1リフレッシュ遅れて表示される現象が残っています。この問題については現在も改善作業が続けられているとのことです。

また、開発者はReddit上で、ROCKNIXDSの開発にAIを大きく活用していることも明らかにしています。一方で、プロジェクトの計画や設計判断、テストについては人間による監督のもとで進めていると説明しており、その後GitHub側にもAI利用に関する説明を追加したとしています。

GammaOS Nanoとは別のプロジェクト

RG DS向けには「GammaOS Nano」など別のカスタム環境も存在していますが、ROCKNIXDSはそれとは別のプロジェクトです。ただしROCKNIXDSのREADMEでは、DraSticの描画経路から余分な処理を取り除き、ディスプレイへ直接出力するというアイデアについて、GammaOS Nanoの「DraStic Nano」から着想を得たことが明記されています。

ROCKNIXDSはそこから独自にlibdsflipや2画面用フロントエンド、RetroAchievements対応などを組み合わせており、とくに今回の1.5系では「必要な性能だけを使ってDSゲームを滑らかに動かす」という方向へチューニングが進められているようです。まだβ版ではあるものの、RG DSでニンテンドーDSタイトルを中心に遊んでいるユーザーにとっては、今後の正式版が気になるアップデートになりそうです。

via.Reddit

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