セガを代表するレースゲームのひとつ『デイトナUSA』を、スーパー32Xで動かそうという非公式プロジェクトが進められています。
●sega-vr-disasm
https://github.com/matiaszanolli/sega-vr-disasm
今回公開されたのは、セガサターン版『デイトナUSA』をスーパー32X向けに移植するための初期テストです。開発には、スーパー32X版『Virtua Racing Deluxe』の解析プロジェクトをベースにしたエンジンが利用されており、30fpsでの動作を目指したブランチを出発点としているとのことです。
スーパー32Xで『デイトナUSA』を動かすという試み
『デイトナUSA』は、1994年3月にアーケードで稼働を開始したセガの3Dレースゲームです。ポリゴンへ画像を貼り付けるテクスチャーマッピングに対応した「MODEL 2」の第1弾タイトルとして登場し、豪快なドリフトを中心としたゲーム性などで人気を集めました。
家庭用では、1995年4月1日にセガサターン版が発売されています。今回のプロジェクトがユニークなのは、このサターン向けタイトルを、同時代のより限定されたハードウェアであるスーパー32Xへ持っていこうとしている点です。
公開された映像を見ると、現段階では完成した「スーパー32X版デイトナUSA」が動いているというより、『Virtua Racing Deluxe』のエンジン上に『デイトナUSA』を構成する要素を載せ始めた技術デモに近い状態です。
ベースになっているのは『Virtua Racing Deluxe』
プロジェクトの土台となっているのが、スーパー32X向けに発売された『Virtua Racing Deluxe』です。
現在GitHubでは同作の解析が進められており、ゲームの3D描画部分を含む内部構造がかなり詳しく調査されています。元になった解析プロジェクトでは、オリジナルがおよそ20fpsで動作していたのに対して、カメラ補間を利用した表示40fps化などの最適化も進められています。
今回の『デイトナUSA』移植テストでは、そのプロジェクトから派生した30fps向けのブランチを利用しています。つまり、ゼロからスーパー32X向けの3Dレースエンジンを作るのではなく、すでに実機向けに作られている『Virtua Racing Deluxe』の仕組みを活用しながら、『デイトナUSA』らしいコースや表示へ置き換えていくアプローチです。
コースエディターもすでに公開
興味深いのは、このプロジェクトに関連して『Virtua Racing Deluxe』向けのコースエディターも公開されているところです。
「VR32X Track Editor」と名付けられたツールでは、ROM内に収録されている5種類のコースを3D表示できるほか、コースをOBJ形式で書き出してBlenderなどで編集し、それを再びROMへインポートすることも可能です。オリジナル版だけではなく、30fps版のROMにも対応しています。
ただし、現時点ではコースの見た目を変更しただけでは物理判定や当たり判定までは変化しないとのこと。今後は物理・衝突データの生成や、AIの走行ライン、チェックポイントなどへの対応も予定されています。完全に自由なコースを作れる段階ではないものの、『デイトナUSA』のコースを『Virtua Racing Deluxe』のエンジンへ持ち込むうえでは重要なツールになりそうです。
テクスチャを使った表現もテスト中
最初に公開された映像ではポリゴン主体の見た目が目立ち、『デイトナUSA』というよりも『Virtua Racing Deluxe』に近い印象でした。しかし、その後にはテクスチャを利用した新たなテスト映像も公開されています。
開発者によると、ディテール表現に使われていた一部のポリゴンを削減することで処理の余裕を作り、路面や観客席などへのテクスチャ表示を試しているとのこと。また、コース脇の木については、板状のスプライトを利用したビルボード表現と傾きの処理を組み合わせています。
こうした表現が最終的にどこまで実用化できるのかはまだわかりませんが、初期映像から短期間で「より『デイトナUSA』らしく見せる」ための実験が進んでいることが確認できます。
まだ遊べる『32X版デイトナUSA』が完成したわけではない
注意しておきたいのは、今回公開されたものはあくまでも開発初期のテストだということです。
現時点で一般ユーザーが遊べる完成版ROMが公開されているわけではなく、車の挙動やコース、敵車、サウンドなどを含め、『デイトナUSA』を再現するためにはまだ多くの作業が必要になると考えられます。Reddit上でも、現在の映像について「まだ『Virtua Racing』に近い」という趣旨の指摘が出ています。
また、「30fps」という数字についても完成版で30fps動作が保証されたという意味ではありません。あくまでも今回利用しているエンジン側の30fps化ブランチを出発点としている、という段階です。
それでも、本来セガサターンで発売された『デイトナUSA』をスーパー32Xでどこまで再現できるのかという試みそのものはかなり興味深いものです。『Virtua Racing Deluxe』の解析成果やコース編集ツールを活用しながら、どこまで「32X版デイトナUSA」に近づいていくのか、今後の進展にも注目したいところです。
via.Reddit















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