2022年にクラウドファンディングを成功させたレトロゲーム向け新作『Black Jewel Reborn』を巡り、開発状況について正反対ともいえる情報が発信されています。
2026年8月12日、PSCDGames名義のitch.ioアカウントが、メガドライブ/Genesis版の未完成アルファを公開。このバージョンは今後完成しないと説明しました。
●公開されたメガドライブ版アルファ(itch.io)
https://x.com/PscdGames/status/2087883127083458649
こんにちは、みなさん。BJRの開発を積極的に続けています。新しい未発表のMD Engine上でゲームが開発されていることをお知らせしておきます。まだ最終版はありません。更新された初期ビルドで作業中です。
ところが翌13日、PSCD Games名義の公式Xアカウントが「開発は現在も続いている」と声明を発表。itch.ioを管理している人物は、すでに開発から離れた元プログラマーだと主張しています。
現時点では双方の説明が食い違っており、どちらの主張が正しいのかを外部から判断できる状態ではありません。
●Time Extensionによる経緯の整理
https://www.timeextension.com/news/2026/08/something-very-weird-is-happening-with-pscd-games-black-jewel-reborn-mega-drive-genesis-port
6万4095ユーロを集めたレトロゲーム向け新作
『Black Jewel Reborn』は、横スクロール型のファンタジーアクションゲームです。バーバリアンのRyanとアマゾネスのJuliaを操作し、敵と戦いながら奪われた「Black Jewel」を取り戻すという内容で、『Rastan』を思わせる作風が特徴となっています。
2022年7月13日から8月12日まで実施されたKickstarterでは、メガドライブ/Genesis、スーパーファミコン/SNES、ファミリーコンピュータ/NES、ゲームボーイの4機種向けに発売すると発表されました。
キャンペーンは目標額の4万ユーロを超え、785人から合計6万4095ユーロを調達。目標の160パーセントを達成しています。しかし、キャンペーン終了から4年が経過した2026年8月現在も、支援者に約束された各機種版は完成していません。
未完成のメガドライブ版アルファが公開
2026年8月12日、PSCDGames名義のitch.ioアカウントに「Black Jewel Reborn(SEGA Mega Drive/Genesis)Alpha」が公開されました。配布されているのは3.7MBのBINファイルです。任意価格方式でダウンロードでき、メガドライブ対応エミュレーターやフラッシュカートなどを使って動作させられます。
説明によると、ゲームは最後までプレイできるものの未完成で、グラフィックを含む複数の不具合が残されています。itch.io上のステータスも「Canceled」とされています。さらにコメント欄では、今後の完成予定について尋ねられたPSCDGames名義のアカウントが、「このバージョンのゲームは完成・発売されない」と回答しました。
ここで注意したいのは、『Black Jewel Reborn』というプロジェクト全体が終了したと断言しているのではなく、今回公開されたアルファ版について「完成しない」と説明している点です。
itch.io側は「かつて80~90パーセント完成していた」と主張
従来のメガドライブ版デモページには、さらに踏み込んだ説明が掲載されています。itch.io側の人物は、メガドライブ版が一時は80~90パーセントまで完成しており、困難な状況でも開発を続けていたと主張。その後、別のメンバーが自分たちで完成させることを選んだため、プロジェクトが不明瞭な状態になったと説明しています。
また、スーパーファミコン、ファミリーコンピュータ、ゲームボーイ版については、開発が始まっていなかったとも主張。さらに、自分たちはPSCD GamesのXアカウントやKickstarterへアクセスできないとしています。
ただし、スーパーファミコン版とファミリーコンピュータ版については過去にデモが公開されているため、「開発が始まっていなかった」という説明とは食い違う部分があります。
公式Xは「新しいMD Engineで開発を継続中」と反論
アルファ版が公開された翌日の8月13日、PSCD Games名義の公式Xアカウントは、この説明に反論しました。
X側は『Black Jewel Reborn』の開発を現在も継続しており、未公開の新しい「MD Engine」を使って作業していると説明。まだ最終版ではなく、更新された初期ビルドを開発している段階だとしています。
さらにTime Extensionの報道によると、X側はitch.ioアカウントを管理している人物について、別のクラウドファンディング企画『Cyber Mission』を巡る問題でPSCD Gamesが財政難に陥った際、開発から離れた元プログラマーだと主張しています。
現在は混乱を防ぐため、itch.ioページの管理権を取り戻そうとしているとのことです。Kickstarter側でも8月13日に「Small update for BJR」と題した更新が行われています。
アルファ版と現在の開発版は別物なのか?
双方の説明を整理すると、今回公開されたアルファと、PSCD Games公式Xが開発中だと主張しているバージョンは、異なる開発環境から生まれた別のビルドである可能性があります。
- itch.io側が公開したのは、旧体制で制作された未完成のメガドライブ版
- 公式X側が開発中とするのは、新しいMD Engineへ移行した別バージョン
- itch.io側は旧版が完成しないと説明
- 公式X側はプロジェクトそのものは継続中と説明
このように考えれば、ふたつの主張が完全に矛盾していない可能性もあります。
しかし、新しいMD Engineでどこまで開発が進んでいるのか、旧バージョンから何が引き継がれているのか、ほかの3機種版が現在どうなっているのかなど、重要な点は明らかにされていません。
支援者が知りたいのは具体的な進捗
今回の問題で最も影響を受けるのは、2022年のKickstarterに参加した785人の支援者です。開発を続けているという声明が事実であっても、キャンペーン終了からすでに4年が経過しています。支援者にとって必要なのは、誰が現在プロジェクトを管理しているのかという明確な説明に加えて、完成までの工程や各機種版の進捗、現実的な出荷予定でしょう。
現段階では、プロジェクトの中止も完成も確認できていません。未完成アルファの公開によって一部の成果物を実際に確認できるようになった一方で、開発体制を巡る混乱も表面化しました。『Black Jewel Reborn』が本当に完成へ向かっているのか、今後はPSCD Gamesからの具体的な進捗報告が求められそうです。
via.Time Extension















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