LinuxをベースにしたゲーミングUMPCのSteam Deck OLED。通常のWindowsマシンとは少し異なり、特殊な作法も必要なことからエミュレーターを導入するのにもいくつかの手間がかかりました。それらのセットアップを、極力ひとまとめにして一気に行ってくれるツールが『EmuDeck』です!
初代Steam Deckのときにもお世話になったツールではありますが、Steam Deck OLEDを入手したことで改めて最新版を使ってみることにしました。結論からいうと、以前のものよりも大幅に簡素化されており、より簡単にエミュレーターが導入できるようになっていました。
そこでこちらでは、そのセットアップ方法をご紹介していきます。
●EmuDeck公式サイト
https://www.emudeck.com/
あらかじめ準備しておくもの
この『EmuDeck』のセットアップ自体は、Steam Deck OLEDのデスクトップモードを利用して行っていきます。そのため、一応キーボードやマウスなどを用意しておいたのですが、この作業その物にはなくても全く問題ありません。
ゲームのROMをmicroSDカードに保存しようと思っている方は、あらかじめそちらも用意しておいたほうがいいでしょう。今回は内蔵のSSDを2TBに換装したばかりということもあり、そちらを使用することにしました。
すぐにエミュレーターを遊びたい場合は、事前にゲームのROMやBIOSなどを用意しておいてもいいかもしれません。このROMの転送方法はいろいろとありますが、今回はFTPを使用しています。そちらのセットアップがまだというかたは、それも済ませておくことをオススメします。
だいたい準備ができたら、Steam Deck OLEDをデスクトップモードに切り換えます。やり方は簡単で、「Steam」ボタンを押してメニューを呼び出し、「電源」の中から「デスクトップに切り替え」を選べばOKです。

デスクトップモードで『EmuDeck』をセットアップ
デスクトップモードに切り替わったら、ブラウザを起動して『EmuDeck』の公式サイトにアクセスします。
●EmuDeck公式サイト
https://www.emudeck.com/

サイトが表示されたら「Download」のボタンをクリックしましょう。ここでどのOSにインストールするか表示されるので、一番左にある「SteamOS」を選択します。

さらに選択肢が現れますが、今回はPatreonのサブスクライバー向けのものではなく無料版を利用するので紫色の「Download for Free」を選びます。

ファイルのダウンロードが開始されるので、完了したら『EmuDeck』のファイルをデスクトップにコピーしましょう。

デスクトップにコピーした「Install EmuDeck」のアイコンをダブルクリックするとインストーラーが起動するので、「Continue」を選びましょう。

インストーラーが起動すると選択肢がふたつ現れます。以前は「Custom Mode」を選んでいましたが、今回は「Easy Mode」を選択し、「Next」をクリックしましょう。

次に、ゲームのROMを入れるストレージを選択します。今回は内蔵のSSDにROMを入れるので、真ん中の「Internal Strorage」を選択しました。こちらはご自身の環境に合わせて選びましょう。そちらを選んだら、「Next」をクリックします。

続いてインストールするデバイスを選択します。こちらは「Steam Deck」を選び、「Next」をクリックします。

続いてレベルの設定をします。こちらはランチャーの『EmulationStation(ES-DE)』を選ぶか、Steamのなかに登録する「Steam Rom Manager」を選ぶかの二択なのですが、以前「Steam Rom Manager」を利用していたときは、Steamメニュー内にエミュレーターのROMが無駄に登録されてうざかった記憶があるので、今回は「Low」を選択しています。そちらを選んだら、「Next」をクリックします。

次に、『EmulationStation(ES-DE)』で使用するテーマを選択します。こちらはお好みで選んでOKです。選択したら、「Next」をクリックしましょう。

ソニックの映像に切り替わりインストールが開始されるので、しばらく待ちます。

インストールが完了すると、どのエミュレーターをセットアップしたのか一覧で表示されます。確認したら、「Next」をクリックしましょう。

次に、ゲームのROMを手動でコピーするかオートでインポートするかの選択肢が表示されます。今回は手動でコピーするため、「Manual copy」を選択しました。

「Manual copy」を選ぶと、「Open Emutation Folder」というボタンがひとつだけ現れます。こちらをクリックすると、フォルダが表示されます。この中に「roms」と書かれたフォルダがあり、さらにその中にゲームごとにフォルダが用意されているので、場所を覚えておきFPSで目的のROMをそれぞれのフォルダー内に転送しましょう。
同様にBIOSのファイルが必要な場合は、「bios」フォルダ内に転送しておきます。


確認したらウインドウを閉じて、「Next」をクリックしましょう。

アナウンスが表示されるので、、「Next」をクリックしましょう。

最後にホットキーの画面が表示されたら、セットアップの完了です!

インストールされていないエミュレーターなどを追加したい場合は、『EmuDeck』のメニューから「Manage Emulators」を選んで追加しましょう。また、こちらでエミュレーターのアップデートも行うことができます。

エミュレーターの起動
ROMの転送が終わったら(※後から追加や削除も可能)、ふたたびSteam Deck OLEDをゲーミングモードに切り替えます(単純に再起動してもOK)。ライブラリーのメニューから「非STEAM」を選ぶと『EmulationStation(ES-DE)』があるので、そちらを機動します。


エミュレーターを選ぶと、コピーしたROMのリストが表示されます。そちらを選ぶことでゲームが起動します。


このままでも十分ですが、より見栄えを良くするためにゲームの画像などを追加することもできます。その場合は、Steam Deck OLEDのメニューボタンを押してメニューを呼び出します。

『EmulationStation(ES-DE)』のメインメニューが表示されるので、「SCRAPER」を選択します。


次に、「SCRAPE THESE SYSTEMS」で画像を設定するエミュレーターを選びます。選択したら、Bボタンを押して戻りましょう。

一番下の「START」を選ぶと画像の取得が開始されます。


完了したら「OK」をクリックして、エミュレーターで確認してみましょう。

表記は英語ですが、見栄えはかなり良くなりました!
