MIL-CD対応とVA1基板の『ドリームキャスト』本体の見分け方。型番からも判別可能

MIL-CD対応とVA1基板の『ドリームキャスト』本体の見分け方。型番からも判別可能

1998年11月27日に発売された、セガ最後の家庭用ゲーム機『ドリームキャスト』。発売後に様々なバージョンが登場しましたが、目的によっては対応していないハードも含まれています。そこでこちらでは、主に中古市場で探しやすいようにMIL-CD対応の機種とVA1基板を持つ機種の見分け方をご紹介していきます。

MIL-CD対応機種の見分け方

正直これといったタイトルはほぼ皆無であるため、これらのタイトルを観るためだけにMIL-CD対応機種を選ぶ人はいないと思います。『ドリームキャスト』にはGD-ROMという特殊なメディアが採用されていたことからハッキングするのが難しいといわれていましたが、その穴となったのがこちらのMIL-CDでした。

このMIL-CDは、通常の音楽CDに動画などのコンテンツを盛り込んだ、いわゆるCD-EXTEAと同等のコンテンツです。

warezグループのUtopiaが、MIL-CDの脆弱性を付いてCD-Rにコピーしたプログラムをブートするプログラムを発表して以来、数多くの海賊版などが登場しました。それを受けて、セガがMIL-CD非対応の機種をリリースしたことから、MIL-CD対応と非対応の機種が発売された形となります。

社名と製造年月日をチェック

MIL-CDが非対応になったのは、 2000年12月28日以降と言われています。セガは、2000年10月に社名を変更しており、それに伴い『ドリームキャスト』に印字されている社名も変更されています。社名変更前は、「株式会社セガ・エタープライゼス」に。社名変更後は「SEGA CORPORATION」になっています。

MIL-CD対応とVA1基板の『ドリームキャスト』本体の見分け方。型番からも判別可能

また、バーコードの下に書かれている左から3番目の数字が製造年月日を表しています。

8・・・1998年製造
9・・・1999年製造
0・・・2000年製造
1・・・2001年製造

2000年以降は、上記にも書いたように、MIL-CD対応のものと非対応の機種が混ざっているため、社名などの表記と合わせてチェックする必要があります。また、下記に記載した型番からも推測が可能です。

MIL-CD対応とVA1基板の『ドリームキャスト』本体の見分け方。型番からも判別可能

VA1基板の見分け方

『ドリームキャスト』のハードを改造するときに、指定されることが多いのがVA1基板の機種であるかどうかです。『ドリームキャスト』は、発売時期によって、VA0、VA1、VA2.1の3種類の基板が使われており、この真ん中のものを選ぶ必要があるというわけですね。

下記の表を見ると、実はMIL-CD非対応の機種はタイプ3だけとなっているようです。「ローンチモデル」の型番が「670-13748」と書かれているものが「VA0」基板。タイプ2とタイプ3の「670-14071」のB~EとGがVA1基板。タイプ3はVA1基板が採用されていますが、2000年12月28日以降に発売されたMIL-CDに非対応機種であるため、 「670-14071」のB~Eまでの機種を探したほうがいいでしょう

ローンチモデルタイプ2タイプ3タイプ4
リージョンJapan Japan Japan Japan
HKTナンバーHKT-3000 HKT-3000 HKT-3000 HKT-3000
カラーエンコーディングNTSC-J NTSC-J NTSC-J NTSC-J
ファン金属プラスチック プラスチック プラスチック
社名株式会社セガ・エタープライゼス株式会社セガ・エタープライゼスSEGA CORPORATIONSEGA CORPORATION
MIL-CD対応対応非対応対応
GD-ROM製造メーカーヤマハ/サムソンサムソンサムソン――
GD-ROMドーターボードありありありなし(交換不可)
BIOS-CRC1.004 – 0x5454841F1.01d – 0x89F2B1A1不明1.01d – 0x89F2B1A1
モデル型番670-13748A
670-13748B
670-13748C
670-13748D
670-13748E
670-14071B
670-14071C
670-14071D
670-14071E
670-14071G670-14071F
基板VA0VA1VA1VA2.1
バリエーション通常版
Hello Kitty ドリームキャストセット
ドリームキャストR7
通常版
サクラ大戦 Dreamcast for Internet

参考サイト:users.skynet.be/t_chan/dc/mylist.htm

GD-ROMドライブは、ローンチモデルが5Vで、VA1は3.3Vの物が採用されています。タイプ4の基板がVA2かは定かではありませんが、こちらはこれまでのドータボードではなく直接取り付けられているようです。そのため、『GDEMU』や『MODE』などの光学ドライブエミュレーターに置き換えることはできません。

ファンも初期型は金属で、それ以外は黒いプラスチックが使われています。まぁ、そこを見るよりも、背面の型番をチェックしたほうが早そうですね(笑)。

MIL-CD対応とVA1基板の『ドリームキャスト』本体の見分け方。型番からも判別可能
▲ローンチモデルを開けたところ。本体の電池交換自体はこちらのほうがやりやすい印象です。
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▲なぜかマジックで塗りつぶされていますが・・・・・・MADE IN CHINAの表記と合わせて、ドーターボード部分に5Vと書かれています。

ってことでアキバでVA1基板のドリキャスを買ってきた!

つーわけで、秋葉原に行って型番「670-14071B~E」の機種を目安に『ドリームキャスト』の中古を探しに行ってみました。訪れたのは、スーパーポテト秋葉原店。ここは箱に入っていないドリームキャストの本体が並べられており、型番を確認して購入することができます。

MIL-CD対応とVA1基板の『ドリームキャスト』本体の見分け方。型番からも判別可能
▲価格は税込み7678円。やや傷はありましたが、比較的色あせしてないものを選択。
MIL-CD対応とVA1基板の『ドリームキャスト』本体の見分け方。型番からも判別可能
▲型番は670-14071Cのものを選択。製造時期は1999年のようです。
MIL-CD対応とVA1基板の『ドリームキャスト』本体の見分け方。型番からも判別可能
▲ドーターボードに3.3Vの表記。

まぁ、ほぼVA1基板じゃないかと思ったのですが、GD-ROMドライブを外しただけでは確実に確認することができません。海外のサイトを見ていると、コントローラー部分の基板に○で囲まれた1の数字が書かれている物がVA1だと説明しているところがあったのですが、こちらの機種では2の数字が・・・・・・ということで、なんだか気持ち悪かったので、仕方なくバラしてみることに。

結果的にはVA1と書かれている表記を見つけることができたので、ひとまず安心しました。ちなみに、手持ちの「670-13748B」(VA0)と、新たに購入した「670-14071C」(VA1)のいずれも、MIL-CDの再生が行えました。

MIL-CD対応とVA1基板の『ドリームキャスト』本体の見分け方。型番からも判別可能