2026年11月4日、Alessio Scanderebech氏が、Raspberry Pi向けのファミコンエミュレーター『nes-pi』v0.1.0を公開しました。Raspberry Pi 3 B+とRaspberry Pi 4に対応しており、Linuxなどの汎用OSを介さずに直接動作する「ベアメタル方式」を採用しています。
本作は、先日公開されたNEOGEOエミュレーター『neo-pi』と同じ開発者による新たなプロジェクトです。入力遅延を抑えるための仕組みに加え、ブラウン管テレビのような映像を再現するフィルターやステートセーブなども搭載されています。
●『nes-pi』公式サイト
https://alessioscand.github.io/nes-pi/
●GitHub Releases(ダウンロード)
https://github.com/alessioscand/nes-pi/releases
Nestopiaをベースに採用! 入力遅延を抑える仕組みも
『nes-pi』は、Raspberry Piをファミコン専用機のように利用できる非公式のエミュレーターです。一般的なエミュレーション環境とは異なり、OSやグラフィック処理のための余分な階層を省いたベアメタル方式を採用していることが特徴です。
エミュレーターのコアには、再現精度の高いファミコンエミュレーターとして知られるNestopiaを採用。多くのマッパーに対応しており、バッテリーバックアップによるセーブデータの保存や、スプライトの表示制限を解除する機能なども利用できます。
特に力が入れられているのが、入力遅延を抑えるための仕組みです。USBゲームパッドの入力を1ミリ秒間隔で取得するほか、「ビームレーシング」と呼ばれる技術を採用しています。
これは、ゲーム画面を1フレーム単位で完成させてから出力するのではなく、描画された走査線をHDMIの出力タイミングに合わせて順次送り出す仕組みです。開発者によると、コントローラーの入力から映像出力までの遅延を、実機のファミコンとブラウン管テレビを組み合わせた環境に近づけることを目指しているとのことです。
ただし、実際の操作遅延は使用するゲームパッドやディスプレイなどにも左右されるため、すべての環境で同じ応答速度が得られるわけではありません。
映像出力は1080pと720pに対応しています。整数倍スケーリングによってドット絵をくっきりと表示できるほか、ブラウン管テレビ風の映像を再現する機能も搭載されています。
映像フィルターには、スキャンラインを表示するRGBモードに加え、S-Video、コンポジット、RF接続時の映像を再現するNTSCフィルターが用意されています。さらに、カラーパレットの変更や、ファミコン特有のスプライトのちらつきを軽減する設定も利用可能です。
ゲーム中には、以下のような機能も利用できます。
- ゲームごとに1スロットのステートセーブ
- PNG形式でのスクリーンショット撮影
- A・Bボタンの連射機能
- フレームレートや本体温度などのステータス表示
- USBゲームパッド2台によるふたりプレイ
- ゲーム終了時のセーブデータ保存と安全な電源終了
また、microSDカードにゲームがひとつしか登録されていない場合は、ゲーム選択画面を省略して直接起動する「Toaster mode」も搭載されています。
Raspberry Pi 3 B+と4に対応! microSDカードから簡単に起動
『nes-pi』はGitHubで無料配布されており、ソースコードもGPLv3ライセンスで公開されています。導入するには、対応するRaspberry Pi本体のほか、FAT32形式のmicroSDカード、USBゲームパッド、HDMI対応のテレビまたはモニターが必要です。
基本的な導入方法は以下の通りです。
- GitHubのReleasesページから『nes-pi』のSDカード用パッケージをダウンロードします。
- FAT32形式でフォーマットしたmicroSDカードのルートに、パッケージの内容を展開します。
nespiフォルダーに、別途用意した.nes形式のゲームデータをコピーします。- Raspberry PiにUSBゲームパッドとHDMIディスプレイを接続し、電源を入れます。
Raspberry Pi 4を使用する場合は、電源端子に近い側のHDMI 0ポートを使用します。初回起動時にはゲームパッドのボタン割り当てを設定でき、以降はコントローラーからゲームの選択や各種操作を行えます。
なお、ゲームデータはパッケージに含まれておらず、利用者自身で適法に用意する必要があります。BIOSファイルは不要です。
現時点で対応しているのはNTSC方式のファミコンゲームで、PAL方式のゲームやディスクシステムには対応していません。また、CRTテレビへの出力についても、今後の対応予定として挙げられている段階です。
先日公開された『neo-pi』がNEOGEOに特化したエミュレーターだったのに対し、今回の『nes-pi』はファミコンに対象を絞ったものとなっています。どちらも汎用的なエミュレーション環境とは異なり、特定のゲーム機をシンプルな構成で楽しめるところが特徴です。
使っていないRaspberry Pi 3や4を持っている人にとっては、こうした専用のゲーム環境を構築してみるのも面白いのではないでしょうか。



















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