69ドルの超小型ゲームボーイ互換機『FPGB MINI』を分解・検証! 実カートリッジは好調もセーブ操作などに課題

69ドルの超小型ゲームボーイ互換機『FPGB MINI』を分解・検証! 実カートリッジは好調もセーブ操作などに課題

海外のレトロゲーム専門メディアRetroRGBは2026年10月30日、FunnyPlaying製の超小型FPGA携帯ゲーム機『FPGB MINI』の分解・実機検証記事を公開しました。ゲームボーイ/ゲームボーイカラー用の純正カートリッジやROMファイルの動作を確認した一方、フラッシュカートリッジの互換性やセーブ操作など、実際の使い勝手に関わる課題も報告しています。

『FPGB MINI』は2026年9月18日に初回販売された製品で、価格は69米ドル。今回の情報は新型の発表ではなく、RetroRGBのKen氏がメーカーから提供された実機を分解し、動作を確かめたものです。

●RetroRGB『Inside the FPGB Mini』
https://retrorgb.com/inside-the-fpgb-mini.html

●FunnyPlaying『FPGB MINI』公式商品ページ
https://funnyplaying.com/products/fpgb-mini-fpga-game-handheld-console

ゲームボーイのカートリッジより少し幅広い超小型ボディ

『FPGB MINI』の本体サイズは約64×113×22mmで、一般的なゲームボーイ用カートリッジより少し幅が広い程度に収まっています。小型ながら厚みがあるため、Ken氏は手に持ったときの収まりの良さを評価。一方、ボタンはカチッとした押し心地で、オリジナルのゲームボーイに採用されているゴム接点式の感触とは異なるそうです。

ディスプレイは約3インチのIPS液晶で、解像度は800×720ピクセル。ゲームボーイの160×144ピクセルを縦横それぞれ5倍の整数倍で表示できるため、ドットを崩さず拡大できるのが特徴です。画面周囲の縁も細く、Ken氏はディスプレイを本機の大きな長所として挙げています。

純正カートリッジと約30本のROMが動作。一方、フラッシュカートリッジには課題

Ken氏が試したゲームボーイ/ゲームボーイカラー用の純正カートリッジはすべて動作し、microSDカードから読み込んだ約30本のROMファイルも問題なく起動したとのことです。初期のレビューで問題が報告されていた一部のゲームも、今回の検証では動作したとしています。ただし、あくまで同氏が試した範囲での結果であり、すべてのソフトの動作を保証するものではありません。

一方、周辺機器や特殊なカートリッジには制約が見つかっています。『Game Boy Camera』と『Game Genie』は、本体のカートリッジ挿入口の形状と干渉し、通常の状態では装着できませんでした。なお、『Game Boy Camera』については、外装を取り外して接続した際には動作したと報告されています。カメラ自体が非対応というより、物理的な形状が問題になっているようです。

さらに、フラッシュカートリッジの『EverDrive GB X7』と『EZ-Flash Junior』も試されていますが、Ken氏の環境ではどちらも起動できませんでした。FunnyPlayingの公式マニュアルでも、純正品以外のカートリッジについては動作を保証していません。これらの製品を普段から利用している場合は、とくに注意したいところです。

ROMファイルのセーブには本体メニューでの追加操作が必要

使い勝手で気になるのが、microSDカードからROMファイルを起動した際のセーブ操作です。ゲーム内で通常のセーブを行った後、さらに本体メニューから『Save Game』を実行しなければ、セーブデータがmicroSDカードに書き込まれない仕組みになっています。この手順を忘れると、ゲームの進行状況が保存されません。

この点はFunnyPlayingの公式マニュアルにも明記されています。ただし、追加操作が必要なのはmicroSDカードから読み込んだROMファイルの場合で、純正カートリッジについてはオリジナルのゲームボーイと同じようにゲーム内でセーブできると説明されています。

メニューにも改善の余地があります。ROMファイルの一覧は1画面に7件しか表示されず、下位フォルダーに入れたROMファイルは一覧に現れないとのこと。また、音量と画面の明るさは20パーセント刻みでしか調整できず、細かな設定は行えません。

USB Type-C端子を使ったヘッドホン出力についても、Ken氏が試した変換アダプターでは音声が出なかったと報告されています。ただし、適切なパッシブ型アダプターを試せていたかどうかは本人も断定しておらず、ヘッドホン出力そのものが機能しないと結論づけられたわけではありません。

分解で判明した2枚の基板構造。RTCと精度テストでも一部問題が

本体内部は、FPGAやメモリーなどを搭載したメイン基板と、カートリッジスロットや側面ボタンを受け持つ基板の2枚に分かれていました。FPGAにはGowin製の『GW5AS-EV25』を採用し、16MBのSDRAMと16MBのフラッシュメモリーを搭載。カートリッジとFPGAの電圧差を調整する回路や、音声出力用のDACなども確認されています。

気になるのはRTC(リアルタイムクロック)関連です。Ken氏の検証個体ではRTCが正常に機能せず、内蔵ボタン電池の電圧を測ったところ約0.3Vしかなかったそうです。ただし、これは今回の個体で確認された問題であり、すべての『FPGB MINI』に同じ不具合があるとは限りません。なお、電池を取り外そうとした際にホルダーを破損した件については、Ken氏自身が分解作業中に起こしたものと説明しています。

ゲームボーイの動作精度を調べるテストでは、CPU命令やタイミングに関するテストには合格。一方、サウンドテストでは不合格となり、RTCについても基本的なMBC3テストは通過したものの、時刻の範囲や1秒未満の書き込みに関するテストでは問題が報告されています。サウンドテストは実機の一部リビジョンでも不合格になるとされており、これらの結果だけで通常のゲームプレイ全般に支障があるとはいえません。

改良版を待つか、ファームウェアの改善を見極めたい

RetroRGBは『FPGB MINI』のディスプレイや基本的なゲーム互換性を評価する一方、現状ではファームウェアの完成度に課題があり、積極的にはおすすめしにくいという見解を示しています。

当サイトでは10月20日、FunnyPlayingがユーザーの意見を反映した改良版の準備を進めていることをお伝えしました。ただし、今回報告された問題が改良版でどこまで解消されるのか、具体的な変更内容や発売時期はまだ明らかになっていません。公式マニュアルにはファームウェアの更新手順が掲載されていますが、今回の互換性やセーブ操作の課題が修正済みだと確認できる公式の更新情報も、執筆時点では見つかっていません。

FunnyPlayingの公式商品ページでは、10月31日時点で価格は69米ドル、在庫は『Sold out』と表示されています。純正カートリッジをコンパクトな本体で楽しみたい人には魅力的ですが、フラッシュカートリッジやmicroSDカードでの運用を重視するなら、今後の改善状況を確認してから購入を判断するのがよさそうです。

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