『FFVII』のモデルをすぐ見比べたい――PS1・N64の「デジタル博物館」制作者が開発理由を語る

『FFVII』のモデルをすぐ見比べたい――PS1・N64の「デジタル博物館」制作者が開発理由を語る

海外メディアのTime Extensionは2026年10月13日、プレイステーションやNINTENDO64などのゲームに登場する3Dモデルをブラウザ上で閲覧できる「Pardall Games Library」の制作者、Alfred Baudisch氏へのインタビューを公開しました。

同氏はインタビューの中で、ゲームから抽出した3Dモデルやテクスチャーを確認する際の手間を減らし、必要なときにすぐ見たり比較したりできるようにしたかったことが、開発のきっかけだったと明かしています。

「Pardall Games Library」は2026年9月下旬から公開されているサービスで、今回新たに登場したものではありません。しかし、今回のインタビューによって、レトロゲームのグラフィックに対する制作者のこだわりや、サービスが誕生するまでの経緯が明らかになりました。

●Pardall Games Library(ファイナルファンタジーVII閲覧ページ)
https://library.pardallgames.com/?f.game=Final+Fantasy+VII

きっかけは3Dモデルを確認するたびに発生する手間

Baudisch氏は、もともとプレイステーションやNINTENDO64のゲームだけでなく、その独特なグラフィック表現にも強い関心を持っていたそうです。

2022年には、自身が制作していたゲームの参考にするため、プレイステーション用ソフト『Driver』から3Dモデルを抽出する作業に着手。その後、2025年11月には『バンジョーとカズーイの大冒険』のようなゲームを作りたいと考え、ステージや背景がどのように作られているのかを調べるために、再びゲームデータの抽出に取り組み始めました。

また、同氏にとって『ファイナルファンタジーVII』は人生で最も重要なゲームだといいます。過去に抽出した召喚獣のアニメーションや、プリレンダリングされた背景に関するデータを手軽に確認したいという思いも、ライブラリを開発する理由のひとつになっていたそうです。

しかし、抽出した3Dモデルを確認するには、Unityを起動してモデルを読み込み、作業が終わればシーンから削除するといった手順が必要でした。テクスチャーの管理にも別のアプリを利用しており、大量のデータを扱うことが負担になっていたといいます。

そこで考えたのが、こうした準備をせずにモデルをすぐ表示し、複数のデータを比較したり、アニメーションを再生したりできる仕組みでした。

こうして生まれたのが、当初は内部向けツールだった「Pardall Asset Browser」です。これが後に、一般ユーザーもブラウザから利用できる「Pardall Games Library」へと発展していきました。

『FFVII』や『バイオハザード2』などのモデルをブラウザで鑑賞

「Pardall Games Library」は、レトロゲームの3Dモデルやテクスチャー、アニメーションなどを閲覧できるウェブサービスです。

2026年10月14日時点では19作品が掲載されており、プレイステーション用ソフトの『ファイナルファンタジーVII』『バイオハザード2』『トゥームレイダー』などに加えて、NINTENDO64用ソフトの『ゴールデンアイ007』、セガサターン用ソフトの『バーチャファイター』なども収録されています。

なかでも『ファイナルファンタジーVII』のページには、クラウドやエアリスといったキャラクターだけでなく、モンスターや召喚獣、フィールドなど、さまざまなデータが登録されています。

本サービスの特徴は、単にモデルを一覧表示するだけではないことです。

制作者の説明によると、3Dモデルをさまざまな角度から眺められるほか、ワイヤーフレームや頂点カラーといった表示方法に切り替えることもできます。ゲーム中では確認しにくかったポリゴンの構造や、当時のグラフィック表現を観察することができるというわけです。

さらに「3D Arena」と呼ばれる機能では、異なるゲームのモデルを同じ空間に並べて比較したり、アニメーションを再生したりすることが可能です。Baudisch氏によると、こうした様子をGIFアニメーションとして出力する機能も用意されています。

※これらの機能は制作者の説明に基づくもので、当サイトで個別の動作検証を行ったものではありません。

ゲームを遊ぶだけでは気付かなかった発見も

Baudisch氏は、このサービスを主にゲーム開発者やアーティスト、レベルデザイナーなどが参考資料として利用することを想定していたそうです。

しかし、実際には開発者以外のゲームファンにとっても楽しめるものになっていると説明しています。

たとえば『ファイナルファンタジーVII』では、ゲーム中に見慣れているキャラクターでも、3Dモデル単体でじっくり観察すると、その造形やテクスチャーの使い方に新たな発見があるかもしれません。

また、異なる作品のモデルを並べてみれば、同じ時代のゲームでもキャラクターの作り方やポリゴンの使い方が大きく異なっていることに気付く場合もあるでしょう。

なお、本サービスは3Dモデルなどを自由にダウンロードできる素材配布サイトではありません。

Baudisch氏は、あくまでもゲームのグラフィックを鑑賞したり、研究や資料として参照したりするための「デジタル博物館」と位置づけています。公式FAQでも、モデルやテクスチャーなどのダウンロードには対応していないことが明記されています。

かつてプレイしたゲームの世界が、実際にはどのような3Dモデルやテクスチャーによって構築されていたのか。普段とは少し違う視点からレトロゲームを眺められるところが、このライブラリの面白さといえそうです。

『ファイナルファンタジーVII』の閲覧ページはすでに公開されているため、気になる人は一度チェックしてみてはいかがでしょうか。

via.Time Extension

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