2026年10月25日、開発者のjmverges氏がPS Vita向けの非公式Homebrew『vitaterm』v0.2.0を公開しました。こちらは、PC上で動作しているAI開発ツール『Claude Code』を、PS Vitaの画面やボタンを使って遠隔操作できるというユニークなアプリです。
今回のアップデートでは、画面の文字表示やキーボードの入力操作などが改善。さらに、PS Vita実機での基本的な動作も確認されています。
ちなみに、PS Vita本体でAIが直接動くようになるわけではありません。あくまでもPCで実行している『Claude Code』を、PS Vitaから操作するためのツールとなっています。
●『vitaterm』開発元GitHub
https://github.com/jmverges/vitaterm
●GitHub Releases
https://github.com/jmverges/vitaterm/releases
●『Brewology』配布ページ
https://store.brewology.com/vita/ahomebrew.php?brewid=1717
PS Vitaのボタンやタッチ画面でAIを操作!
『vitaterm』は、PC上で実行している『Claude Code』のセッションをネットワーク経由でPS Vitaに表示し、遠隔操作できるようにするアプリです。
『Claude Code』は、Anthropicが提供するAIを活用した開発ツールで、プログラムの作成や修正などを自然言語で指示できるのが特徴です。
通常はPCのターミナルなどから操作しますが、『vitaterm』を利用することで、PS Vitaをワイヤレスの操作端末として使えるようになります。
面白いのが、PS Vitaに搭載されているボタンやタッチ画面を活用しているところです。
たとえば、PC側で『Claude Code』が作業している内容をPS Vitaの画面で確認し、承認を求められたときには×ボタンで応答できます。また、○ボタンは処理の中断、方向キーは選択肢の切り替えに割り当てられています。
□ボタンを押すとPS Vitaの画面キーボードが表示され、ここから新しい指示を入力することも可能です。さらに、△ボタンではメニューを呼び出し、セッションの切り替えや各種コマンドの操作などが行えます。
このほか、アナログスティックやタッチ操作で過去の表示内容をスクロールしたり、SELECTボタンで最新の表示位置に戻したりする機能も用意されています。
画面上部には『Claude Code』の作業状況や、ユーザーによる承認待ちといった状態も表示されるため、PCの前に座っていなくても作業の進行状況を確認できる仕組みです。

v0.2.0では文字表示やキーボード操作を改善
今回公開されたv0.2.0では、PS Vitaの実機で使いやすくするための改善が行われています。
まず、ターミナルの表示領域が従来の120列×32行から96列×28行に変更され、文字のサイズが約25パーセント大きくなりました。表示できる情報量は減っていますが、そのぶん小さな画面でも文字を読みやすくしています。
また、アクセント記号付きのアルファベットなどにも対応し、PS Vitaからの入力と画面表示の両方で利用できるようになりました。
キーボード操作についても改善が加えられています。従来は入力した文章を送るために別途操作が必要でしたが、v0.2.0では画面キーボードで入力を確定すると、そのままEnterキーも送信されるようになっています。
さらに、RボタンにはBackspaceが割り当てられ、長押しによる連続削除にも対応。SELECTボタンを長押しすると、各ボタンに割り当てられた操作を確認できる機能も追加されています。
こうした変更によって、PS Vitaの限られたボタンでも『Claude Code』を操作しやすくする工夫が施されています。

利用にはPCとHomebrew対応のPS Vitaが必要
『vitaterm』を利用するには、非公式アプリを実行できる環境を導入したPS Vita、またはPS TVが必要です。
加えて、PC側にも『Claude Code』をインストールし、あらかじめログインしておく必要があります。対応するPC環境としてはMacとLinuxが案内されており、WindowsについてはWSL2を経由する構成となっています。
PC側ではPython 3.11以降のほか、『tmux』や『pipx』などのツールも必要です。また、PS VitaとPCは同じWi-Fiネットワークに接続して利用する形となります。
接続時にはPCとPS Vitaの両方に6桁のコードが表示され、一致していることを確認してペアリングを行います。開発元によると、両者の通信には暗号化も利用されているとのことです。
なお、PS Vita側のアプリはVPK形式で配布されており、『VitaShell』などを利用してインストールします。
当サイトでは、以前にPS Vitaを改造してエミュレーターやPort版のゲームを動かす方法を紹介しています。非公式アプリを利用するための環境に興味がある人は、こちらの記事も参考にしてみてください。
ちなみに、『vitaterm』自体とは別に、『Claude Code』を利用するための環境や契約なども必要になります。
PS Vita実機での動作も確認! ただし開発は初期段階
『vitaterm』は、もともとニンテンドーDSから『Claude Code』を操作するために開発された『ds-claude-terminal』から派生したプロジェクトです。
PC側のサーバーや通信の仕組みを引き継ぎながら、PS Vitaの画面やボタン構成に合わせて専用のクライアントが新たに作られています。
開発者によると、PS Vita 1000の実機を使用して、ペアリングや暗号化通信、ターミナル表示、文字入力、承認操作などが動作することを確認したとのことです。
一方で、PS Vitaのカメラで撮影した写真をPC側に送る機能については、現時点ではエミュレーター『Vita3K』での動作確認にとどまっています。
開発元も本作を開発初期段階のものと位置付けており、すべての機能がPS Vita実機で検証されているわけではありません。また、通信の安全性についても、開発者の説明とは別に独立した検証が行われているわけではない点には注意が必要です。
今回の『vitaterm』はゲームを遊ぶためのツールではありませんが、かつての携帯ゲーム機を最新のAI開発ツールの操作端末として活用するというのは、なかなかユニークな試みです。
PS Vita自体に高い処理能力を要求するわけではなく、画面やボタンといったハードウェアの特徴を活かして新たな役割を与えているところも興味深いですね。
まだ開発が始まったばかりの段階ですが、今後どこまで実用的なツールに仕上がっていくのか注目したいところです。


















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