ゲームボーイポケットスケルトン MODEL-Fの液晶をオリジナルのカラーで交換してみた【救いたい!】

ゲームボーイポケットスケルトン MODEL-Fの液晶をオリジナルのカラーで交換してみた【救いたい!】

数年前に購入したゲームボーイポケットの『スケルトン MODEL-F』。いわゆるファミ通の別注モデルとして販売されたものですが、購入したときからちょっとだけ気になっていたのが、液晶画面がうっすらとビネガーシンドロームになっていたことでした。

それから数年がたち、すっかり放置していた本機を見てみたところ……なんということでしょう。液晶画面がすっかり真っ黒になってしまっているではあーりませんか! これはなんとか救いたい! ということから今回の企画がスタートしました。

ゲームボーイポケットスケルトン MODEL-Fの液晶をオリジナルのカラーで交換してみた【救いたい!】

ってことで、こちらの動画ではこのファミ通モデルのゲームボーイポケットを修理するという記事をお送りいたします。

ゴールはオリジナルに近いスタイルで修理を目指すこと!

通常はこうした古いゲーム機はIPS液晶に交換するなどしてしまうのですが、特別な仕様のモデルということもあり、あまりそれはしたくありません。そこで今回は、このビネガーシンドロームに侵されてしまった本機を、できるだけオリジナルの形で直していきたいと思います。

ちなみにビネガーシンドロームとは、液晶部分に使われているフィルムが劣化して加水分解することで発生する現象ですが、ようはこの液晶部分に使われている偏光板を新しいものに交換することで直すことができるってわけですね。

ゲームボーイポケットスケルトン MODEL-Fの液晶をオリジナルのカラーで交換してみた【救いたい!】

まず取り寄せたのが、交換用の偏光板です。こちらはメルカリでそれっぽいものが売られていたので購入しています。あとで気が付きましたが、かなり前にゲーム&ウオッチの偏光板を交換するときに購入したものとほとんど変わらなかったので、特に新たに追加で買い足す必要はなかったのかもしれません。

●LOCTITE(ロックタイト) ハケ塗りシールはがし
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なにはともあれ、まずは本体を開けていかないと話しになりません。ゲームボーイポケットの場合、使用するドライバーは2種類必要です。まずは本体の外側で締められている6本のネジを外していくのですが、ここで使用するのがY字型ドライバーと呼ばれるもの。3.8mmのものを用意すれば大丈夫だと思いますが、持っていないなら他のサイズのものと合わせて入手しておくことをオススメします。

●特殊ネジ用ドライバー
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この外側のネジは全部で6ヵ所ありますが、そのうち2本は電池フタの中にあるのでそちらも忘れずに外しておきましょう。中を開けたら、今回は通常のプラスドライバーを用意して3ヵ所のネジを外していきます。

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▲6ヵ所のネジをY字ドライバーで外していきましょう。
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基板を壊さないように取り外すと、前面のシェルに液晶部分が取り付けられているのがわかります。こちらは両面テープで貼られているので、壊さないように慎重に取り外していきましょう。なんとか液晶部分の取り外しに成功したら、今度はその液晶に貼られている偏光板を剥がしていきます。こちらもスキマなどを利用して慎重に剥がしていかなくてはなりません。

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▲ツメを2ヵ所揚げて、ディスプレイケーブルを外します。
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▲ディスプレイ部分が付いた前面のシェル。

ここまで来たらゴールは間近! ……と思ったら大間違いでした~! この液晶部分にベットリと張り付いたノリを剥がしていかなくてはならないのですが、これが想像以上に時間が掛かってしまったのです。

今回はこのノリを剥がすのに、アマゾンからシール剥がしを購入したので安心していたのですが、そんな生やさしいものではありませんでした。実際に作業を開始して、最終的に綺麗にノリを剥がし終わるまで、なんと4時間以上もかかってしまいました。

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▲最初についていた偏光板を剥がしたところ。ノリがベットリと付いています。
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ってことで、今度こそゴールは間近! と思っていたのですが、ここにも別の穴が待ち構えていたのです。事前にメルカリで購入しておいた偏光板ですが、実際に本機と合わせてみると、なんだか画面が緑色になってしまいます。見た目的には、どちらかというと初代のゲームボーイに近いような?

ゲームボーイポケットスケルトン MODEL-Fの液晶をオリジナルのカラーで交換してみた【救いたい!】
▲なんか、画面が緑っぽい?

それもそのはずで、初代のゲームボーイに使われていた液晶はSTN。このゲームボーイポケットではFSTNに変更されています。つまり、この偏光板もFSTNに対応している必要があったのです。

このFSTNは、通常の偏光板に加えて位相差板というものが追加されており、それにより緑っぽい色ではなくグレーっぽい配色になるというわけですね。ということで、日本のアマゾンではそちらに対応した商品が見当たらなかったので、しかたがなく中国の通販サイトで注文することに。

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このFSTNは、通常の偏光板に加えて位相差板というものが追加されており、それにより緑っぽい色ではなくグレーっぽい配色になるというわけですね。ということで、日本のアマゾンではそちらに対応した商品が見当たらなかったので、しかたがなく中国の通販サイトで注文することに。

ゲームボーイポケットスケルトン MODEL-Fの液晶をオリジナルのカラーで交換してみた【救いたい!】

そこから待つこと約2週間。まさか、こんな小ネタの動画でこんなに時間やお金が掛かることになるとは思いも寄らなかったのですが、なんとか注文した商品が届いたので、さっそくためしてみることにしました。

が! なんと、比較してみたところ、すでに持っている偏光板とほとんど効果が変わらないではあーりませんか! ガーン!

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間違えて送ってきたのかもと思い通販サイトの販売業者に問い合わせてみましたが、いまいち要領を得ず。実際に間違えて送られてきたのか、それとも商品自体はあっているものの、そもそもそういう効果じゃないのかよくわからないものの、ここでふたたび作業がストップしてしまいます。

さらに別の偏光板を探さなければいけなくなったのですが、またお金と時間を掛けて注文してということを繰り返すのは無駄も多くリスキーです。そこで、ふたたびメルカリを検索してみるとこのゲームボーイポケットの液晶カラーに合っているとうたっているアイテムを発見。こちらを入手してみることにしました。

んで、さっそく届いたものを試してみたのですが……あれ? 変わってなくね? もしかして、また元の木阿弥かこれは!? と、がっかりしたものの、これ以上どうしようもないということで、とりあえずこちらの偏光板を貼って終わりにしようと思い両面に貼られていた保護シートを剥がしてみると、ありゃ? 色味が正しい物になっている!

ゲームボーイポケットスケルトン MODEL-Fの液晶をオリジナルのカラーで交換してみた【救いたい!】
▲さらに、メルカリで買い直してみたところ……!?
ゲームボーイポケットスケルトン MODEL-Fの液晶をオリジナルのカラーで交換してみた【救いたい!】
▲うぉぉぉぉ! キター!

どうやら、保護シートがジャマしてて、本来の色味が出ていなかっただけのようでした。もしかしたら、中国からとりよせたFSTNの偏光板も保護シートの影響だったのかも。その後、いろいろと調整しながらなんとか修理は完了。若干ゴミが付いていたりはするものの、まぁ、ここまでくるのに2週間以上もかかってしまったので、とりあえずは今回はこれでOKってことで。

こちらのゲームボーイポケットは無事直すことができたのですが、実はほかにも大量のマシンたちが列をなして待ち構えている状態です。これらも少しずつ手を加えていく予定なので、興味があったらまた遊びに来てください。

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高島おしゃむ
ライター/編集者。コンピューターホビー雑誌「ログイン」の編集者を経て、1999年よりフリーに。 現在はゲームやホビー、IT、XR系のメディアを中心に、イベント取材やインタビュー、レビュー、コラム記事などを執筆しています。