Wikipediaやカタログ本にも載ってないゲームボーイポケットのファミ通限定モデル『スケルトン MODEL-F』の真実

Wikipediaやカタログ本にも載ってないゲームボーイポケットのファミ通限定モデル『スケルトン MODEL-F』の真実

ビネガーシンドロームに侵されてしまった手持ちのゲームボーイポケット。こちらは、ファミ通限定モデルの『スケルトン MODEL-F』として1997年に発売されたものですが、動画を作る過程でいろいろな資料を集めて、多くのことが明らかになりました。

そもそもなんで資料を集めようと思ったのかというと、Wikipediaやゲームボーイ関連のカタログ本などを見ても、ほぼほぼ情報がないに等しかったからです。この時点で覚えていたのが、いかのようなものでした。

  1. 「無いものは作るの精神」とかなんとかいうキャッチコピー
  2. 当時はアスキーにいたので社内販売で買った記憶がある
  3. おそらく受注生産だった
  4. ファミ通が売ってたということは雑誌に関連記事が載っているハズ

という程度のものでした。1997年に本モデルが発売されたというのはWikipediaの記述でわかっていたので、用は1997年に発売されたファミ通で該当する物を見つければなにかわかるんじゃないかと考えたのです。

そこで手に入れたのが、1997年4月18日号No.435のファミ通でした。

▲この回の調査のきっかけとなった動画。

1997年3月21日からのキャンペーンで受注生産

この号で『スケルトン MODEL-F』について触れられていたのは、表紙と1ページのみの記事のみ。しかし、キャンペーンが行われていることがわかり、週刊ファミ通の1997年4月4日号、4月11日号、4月18日号にキャンペーンに関する記事を掲載されていたほか、ファミ通ブロスと月間コミックビームでは1997年5月号でもそれぞれキャンペーンが実施されていたことがわかりました。

Wikipediaやカタログ本にも載ってないゲームボーイポケットのファミ通限定モデル『スケルトン MODEL-F』の真実
▲1997年4月18日号の表紙。
Wikipediaやカタログ本にも載ってないゲームボーイポケットのファミ通限定モデル『スケルトン MODEL-F』の真実
▲こちらは、1997年4月18日号の記事。

上記の記事からわかったのは、キャッチコピーは「ないなら、創ろうという精神」だったこと。応募の締め切りは1997年5月12日の消印有効までで、同年5月下旬より4ヵ月程かけて発送が行われたこと。価格は送料と税込みの7000円だったこと。受け取り後に代金を支払う仕組みだったことなどでした。

つまり、1997年3月21日よりキャンペーンが開始され、5月12日消印有効のものまで受付。その後、1997年5月下旬以降に4ヵ月間ほどかけて商品が発送されたということになります。

ないなら、創ろうという精神で生まれた特注モデル

その後、この『スケルトン MODEL-F』について最初に掲載されたと思われるファミ通の1997年4月4日号を入手することに成功。ハードに関しては、こちらのほうがより詳しく掲載されていました。

Wikipediaやカタログ本にも載ってないゲームボーイポケットのファミ通限定モデル『スケルトン MODEL-F』の真実
▲写真左がファミ通の1997年4月4日号。
Wikipediaやカタログ本にも載ってないゲームボーイポケットのファミ通限定モデル『スケルトン MODEL-F』の真実
Wikipediaやカタログ本にも載ってないゲームボーイポケットのファミ通限定モデル『スケルトン MODEL-F』の真実

1997年4月18日号のファミ通にもある程度情報はまとまって載っていた載っていたのですが、特に本体の詳細については、こちらのほうが遥かに詳しく載っていました。通常のゲームボーイポケットとの違いもいくつかかりますが、まずは特徴的なスケルトンのボディ。

ゲームボーイポケットのクリアカラーは、ほかにも限定モデルとして発売されたトヨタバージョンやトイザラス限定カラー、グリコ限定カラーなどがありますが、こうした透明カラーバージョンは強度の問題などから採用されていませんでした。しかし、任天堂が新素材を開発したことにより、利用可能になったのだとか。

Wikipediaやカタログ本にも載ってないゲームボーイポケットのファミ通限定モデル『スケルトン MODEL-F』の真実

もうひとつ特徴的なのが、ミラーフレームです。こちらは元々銀カラーのみに使われていたものですが、その後生産中止が決定されていたものが採用されています。それに加えて、「FAMITSU 1997 [MODEL-F]」という文字が特別なフォントで記載されています。ちなみに銀カラーのほうは、1997年から黒いフレームに変更されていました。

この『スケルトン MODEL-F』は、3色のボタンカラーが使われているところポイントでした。たとえば、ゲームボーイポケットのカラーバリエーションにはすべて黒のボタンが使われていましたが、こちらはエンジとグレー、そして黒のボタンが採用されています。

もうひとつ、見落としがちなのがボディにプリントされている文字です。こちらも特別なフォントが使われており、唯一無二の存在になっています。

しかし、この雑誌に掲載されていたところと実際のモデルと違うところもありました。それが、基板の色です。雑誌では白い基板に見えていましたが、実際に届いたものは通常の緑色になっています。

ということでざっくりとご紹介してきましたが、少しでも気になっていた人がいればさんこうにしてみてください。

Wikipediaやカタログ本にも載ってないゲームボーイポケットのファミ通限定モデル『スケルトン MODEL-F』の真実
ABOUT US
アバター画像
高島おしゃむ
ライター/編集者。コンピューターホビー雑誌「ログイン」の編集者を経て、1999年よりフリーに。 現在はゲームやホビー、IT、XR系のメディアを中心に、イベント取材やインタビュー、レビュー、コラム記事などを執筆しています。