先日Xを見ていたときに、ふと目に飛び込んで来た情報が秋葉原にある秋葉館というお店で、たった500円のファミコン互換機が売られているというものでした。秋葉館といえば、マック関連のアイテムを売っているイメージの強いお店でしたが、いったいなぜファミコン互換機を、それもこんな低価格で!? と、いろいろと興味が湧いてきました。

ちなみにこの秋葉館ファミコンは、『FC互換機レトロゲーム プレーヤー』というのが正式名称のようで、株式会社ハックというところから発売されています。ということで、こちらのマシンをさっそく買ってきたので、今回はその能力を徹底的に調査してみたいと思います。

ツッコミどころ満載の秋葉館ファミコンの中身
税込みに加えて紙袋も付けてもらって500円という、超、超、激安のマハ……じゃなくて秋葉館ファミコンですが、パッケージ自体は意外としっかりとした作りです。ここ最近、こうしたファミコン互換機をいくつか触ってきましたが、それらと比較してもあまり見劣りはしませんでした。


肝心なパッケージの中身ですが、本体のほか映像と音声出力ケーブルと電源用のUSBケーブル、コントローラーがふたつ、そしてマニュアルに保証書となっています。

まず本体ですが、見た目はPS oneを模したようなデザインになっています。黒と赤というビビッドな色合いも、この怪しい互換機にはぴったりですね。このマシンですが、右側のボタンを押すことでふたが開く機構もしっかりと用意されています。
本体前面側面側にはコントローラーポートがふたつ。背面側にはAV出力用のポートと電源供給用のUSBポートが設置されています。



実際にカセットをさして遊ぶときは、こちらを開けてから利用することになります。しかし、その形状から動くか動かないかは別にして、ディスクシステムは利用できなさそうですね。

このプレステ風の本体に加えて、なぜそのデザイン? とツッコミを入れたくなったのが、コントローラーでした。こちらはメガドライブ用の『ファイティングパッド6Bパッド』をパクったようなデザインになっています。そもそも、ファミコンで6ボタンなんか使うことは全く無いような気がしますが、実際にいくつかのボタンは用途が不明です。
まず、下側にはABCボタンが並んでおり、上側はXYZのボタンが配置されています。ABボタンはそのままですが、XYボタンは連射用となっていました。CとZボタンについては、なんのために付いているのかまったくわかりません。

気になる秋葉館ファミコンのハード的な中身は?
ということで、箱の中身をチェックしたので、次は本体を開けてそちらの中身もチェックしてみることに。本体の分解はかなり簡単で、背面側にとめられているプラスのネジ4本を外すだけでOKでした。
さっそく分解してみたところ、中身はやはりシンプルなチップが並んでいるというだけの構成になっていました。一番大きいチップは富士通の集積回路で、「29DL400BC-90PFTN」という型番のものが使われています。
このチップ自体の正確な役割はわからないものの、こうしたファミコン互換機はどれも似たような作りになっていますね!


たった10本の内蔵ゲームのなかに”エキサイティング”なツッコミどころがあった!?
ファミコン互換機ではすっかりおなじみとなった、本体にもあらかじめゲームが内蔵されています。しかし、その数はほかの互換機と比較するとぐっと少なく、わずか10本。ということで、軽くどんなゲームが入ってるのかな……と思いながら、流してプレイしていると、そのうち2本とんでもねぇゲームが収録されていることがわかりました。
いや、気が付いていないだけで、ほかもそうなのかも……!? ということで、とりあえずそちらは後回しにして、先に他の収録タイトルをご紹介していきましょう。

DICE
ダイスを転がしていき、同じマークが付いているものと同じように重なるようにするというシンプルなパズルゲーム。微妙にどのボタンを押せば動かせるのかわかりにくいものの、遊び方は非常にわかりやすくなっているほか、クリアすると爆弾などのトラップなども登場します。



FIRE DRAGON
ドラゴンを操り、壁にぶつからないように火を食べていくというゲーム。難易度はEASYとNORMALの2種類が用意されています。実際のところ、ゲーム内容云々以前に、コントローラー自体の操作性が悪すぎてうまく操れずゲームオーバーになってしまうことが多そうです。



BLOCK PUZZLE
特に特徴もないテトリス風の落ちゲーパズルゲーム。あえて特徴をあげるとすれば、ふたり対戦に対応しているところ!?


WARRIOR
一見『バトルシティ』のようなゲームなのかと思いきや、とりあえず画面内に出てくる戦車や風船のようなものを撃って点数を稼いでいくような内容になっています。そこまでやりこんでないものの、倒しても倒してもどんどん新しいものが出てくるのでステージクリア型ではないのかも?
また、戦車を倒すとときおり武器を落としますが、これが強いのかなんなのかはまったくわかりません。


TWIN CARDS
これはシンプルな神経衰弱のゲームです。並べられたカードのなかから、対になる絵をめくっていけばOKというもの。難易度はLevel1とLevel2の2種類が用意されています。


POBBLE
障害物を避けながらコースを移動していくといったタイプのアクションゲーム。思いのほかスピード感があり、油断するとあっという間にゲームオーバーになってしまいます。


PANZER ATTACK
戦車のような砲台を左右に動かし、敵の攻撃を避けながら基地のようなものを打ち壊していくといった内容のゲーム。敵が動かないシンプルな『スペースインベーダー』のようなゲームといったところでしょうか。


SQUEE
今回収録されている10本のゲームのなかで、実は遊び方がまったくわからなかったのがこちら。カードゲームで何かしらのルールに従ってカードを出していくようですが……。トランプに同様の名前の遊び方のものがあるので、そちらと同じなのかもしれません。


トンデモソフトその①:GOBANG
えーっと、超簡単に説明すると任天堂の『五目ならべ』の丸パクリです! BGMも遊び方もまったく同じ!


トンデモソフトその②:RISKER
実は最初に『GOBANG』がパクりソフトであることを見落としていたため、こちらのソフトだけだと思っていましたが、少なくとも2本はパクりゲームが含まれていることがわかりました。
ってことで、この『RISKER』は、まんま『エキサイトバイク』のキャラを車に置き換えたものになっています。単純にルールや遊び方が似てるとかそういうレベルではなく、音楽やゲームモード、遊んでないときに流れるデモ画面までまったく同じになっています!


ちなみに、『エキサイトバイク』の中古は、近所のブックオフで297円で売られていました。『五目ならべ』のほうは後から気が付いたので見ていませんが、メルカリでは480円から売られているようです。つ・ま・り、この内蔵ゲームだけでも本機の500円を大きく上回ることになりますね!?

特殊なファミコンカセットの動作はいかに!?
まずは、基本的なチェック項目として動作が難しそうなマルチカートリッジや拡張音源を搭載したカセットを試してみました。結論からいうと、ほとんどのソフトは動かすことができませんでした。
具体的にチェックしたものを上げると、マルチカートリッジの『EverDrive N8 Pro Fami』、拡張音源を搭載した『ジャストブリード』、『じゅうべえくえすと』、『キング オブ キングス』、『悪魔城伝説』は全く動きません。
逆に、拡張音源を搭載していながら動いたのが『ギミック!』と『ラグランジュポイント』です。『ラグランジュポイント』はファミコンで唯一FM音源を搭載したタイトルですが、そちらの音は鳴らず、一部の効果音のみ鳴ります。ゲームプレイ自体はできるものの、少しさみしい感じですね。


通常のソフトでは、『スーパーマリオブラザーズ』と『ツインビー』、『信長の野望 全国版』、『蒼き狼と白き牝鹿 ジンギスカン』、『鉄道王』は、ゲームとしてはまったく問題なく遊ぶことができます。
しかし、本機に付属しているコントローラーが値段相応のチープさで、かなり操作がしづらくなっています。また、それよりも大問題だったのが、ボタンの配置です。オリジナルのファミコンとこのコントローラーとではABボタンの位置が逆になっているのです。
単に表記が逆になっているということではなく、実際のプレイでもボタン配置が逆のため、たとえば『スーパーマリオブラザーズ』などをプレイするときも、いつもの感覚でボタンを押してしまうとまったく動かないということもありました。

案外良かったのが、『ツインビー』です。こちらは連射ボタンが使えるので、わりとサクサクとステージを進んでいくことができました。




お値段以上の能力を発揮することは確実!
ここまでざっくりとこの秋葉館ファミコンの性能をチェックしてきましたが、500円とは思えないような能力を持っていることがわかりました。
また、ファミコン互換機としても、よくあるほかの機種とさほど大きな違いはありませんでした。しいて難を上げればコントローラーだけなんとかしたいといった感じです。
