かな~り前に、手持ちの初代ゲームボーイを修理しようと思い色々試してみたのですが、まったくうまくいかず。その後、そこそこ程度のいい本体を手に入れていたためすっかり放置していました。
状態としては液晶画面に縦ラインが入り、ほとんど見えなくなってしまったというもの。現状どうなっているのか確かめてみたところ、以前修理を試みたときよりも、さらに液晶が見えづらくなるなど状況が悪化。また十字キーも左側を押しても動かないなど、様々な不具合が発生していることがわかりました。
以前失敗したときの記事
しかし、ここ最近急激に手持ちのゲーム機を修理&改造するということにふたたび目覚め始め、ついに重い腰を上げることに。今回は液晶部分をIPS液晶に変更。シェルとボタンについては真っ白にするなどいろいろと検討をしたものの、あえてオリジナルのカラーリングに近いものにしてみました。

そこで入手したのが、Aliexpressで販売されていたキットです。こちらには、IPS液晶に交換するためのパーツとシェル、ボタン類に加えてドライバー2本もおまけで付いてきます。これはあとで説明しますが、途中でハンダごてが必要になる箇所もあったので、実際に自分でも交換しようと思っている人はそちらも用意しておいた方がいいでしょう。
●HISPEEDIDO GBO Q5 大型ディスプレイ バックライト IPS LCD Mod キット(7244円)
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ということで、今回は初代ゲームボーイの改造に挑戦していきます。
初代ゲームボーイの中を開ける
以前修理をしようと試みたときから、おそらく5年ほど経っているとおもわれることから、すっかりゲーム機の構造がどんな感じだったのか忘れてしまいました。
また、今回購入したキットはショップのページにざっくりとした改造方法は載ってはいるものの、こちらも細部の手順についてはいまいち不明瞭な部分が多数あります。そこで、まずはゲームボーイ本体を開けて、中の様子をチェックしてみることにしました。
この本体は、電池ブタを開けたところを含めて6本のネジで締められています。まずはこちらをはずしていきましょう。

ネジを外すと中にアクセスできますが、ケーブルで繋がれておりパカッとは開くことができません。このケーブルをハズすことで、前面と背面側のパーツに分離することができます。

まずは、この背面側の部分を交換していきます。こちらは4ヵ所のネジを外すことで基板を取り外すことが可能です。

この基板を外した状態の背面部分のシェルは、新たに手に入れたほうとそのままリプレイスすることができます。このときに、電池のスイッチ部分のボタンも忘れずに付けてから、取り替えてふたたびネジをしめておきましょう。


スピーカーだけはオリジナルからそのまま移植
続いて本丸とも言える、前面側のパーツを取り替えていくことに。こちらはなんと10本ものネジで止められているので、それらをすべて外していきます。


この取り外した前面側の基板やディスプレイ部分はほぼ使わず、新たに購入したほうに取り替えていくことになります。が、ここでいくつか疑問が発生しました。まず基板についてですが、オリジナルの方には様々なチップが付けられていたものの、新たに届いたほうは真っ黒な板のようなシンプルなものになっています。

はたしてこれで本当に動くんだろうか? と、少々不安に感じてしまいました。また、オリジナルにあってこの黒い基板側にないものがスピーカーです。キットにはとくにスピーカーは付属していないため、新たに追加購入するかオリジナルから移植するかの選択が迫られます。
今回は手っ取り早くオリジナルのスピーカーを移植することにしました。2ヵ所のハンダで付けられているだけなのでさほど難易度が高いわけではありませんが、今回の作業の中では一番面倒なところかもしれません。

続いて、IPS液晶を付属のアダプターに取り付けていきます。こちらは、付属の両面テープを適当なサイズに切って貼り付けていくのですが、あらかじめどのような形で取り付けるのか確認してから作業を進めていくことをオススメします。
また、IPS液晶だけではなく、アダプターの反対側の基板も同様に両面テープで貼り付けておく必要があるので注意しましょう。



このアダプターを、新しいシェルに取り付けます。このとき液晶部分に貼られている保護シートはまだ剥がさなくても大丈夫ですが、シートの赤い部分はシェルの外側に出しておくことで後で剥がしやすくなります。また、シェル側に新しいボタン類のパーツも忘れずに取り付けておきます。

次に先ほどスピーカーを移植した黒い基板を前面シェルに取り付けていきます。ここで注意しなければいけないのが、元は10本のネジをしめていましたが、ここでネジを付けるのは6本のみであるところ。つまり、上部側に付けていた4本のネジは余ってしまいます。
このネジと合わせて、上部の細いリボンケーブルを黒い基板側に取り付けておきましょう。

次に、この黒い基板と背面側のオリジナルの基板に太いリボンケーブルを取り付けていきます。このさし具合がいまいちわかりにくいので、とりあえず差し込んでからうまく動かないときはやり直してみたほうがいいかもしれません。


とりあえずケーブルの接続が完了したら、ネジ止めはせずに一旦動作確認をしておきます。ここで無事音と映像が出ることがわかったら、ネジをしめていきましょう。

ネジを締め終えたら、液晶部分の保護シートを取り外し、スクリーンプロテクターを取り付ければ完成です!


OSDメニューで色味やドットマトリックス風の表示にも切り替え可能
さて、今回交換したIPS液晶のキットですが、オリジナルのゲームボーイでいうと輝度を変更するあたりに付けられていたボタンを押していくことで色味を変更することができます。また、こちらのボタンを長押しすることで、OSDメニューを呼び出すことも可能です。









このOSDメニューでは、ブライトやバッテリー残量の表示、色味の細かい調整などが行えるほか、ピクセルエフェクトをオンにすることで、ドットマトリックス風の映像に変更することもできます。この辺りは完全に好みの問題なので、お気に入りの表示設定を探してみるのもいいかもしれませんね。



見た目はいいがボタン操作はやや難あり!?
実際にIPS液晶化とシェルを交換したことで、少なくとも見た目に関しては大幅に向上したように見えます。画面も驚くほど見やすくなり、ゲームもかなり快適に遊べそうです。その反面、若干いまひとつに感じるのがボタンの反応に関する部分。
とくに交換した直後はボタンを押したときの感覚が微妙で、若干ぎごちなく感じました。しかし、しばらく遊んでいるうちにだんだんマシな状態になっていきました。これは絶妙なかみ合わせなど様々な要因が重なっているのか藻しれませんが、もう少し研究を重ねていきたい部分でもありますね!
