初代『ポケットモンスター』をボクセル調の3Dジオラマとして再構築する非公式プロジェクト『Pocket Voxel』に、ブラウザから利用できるWeb版が登場しました。
●Pocket Voxel Web版
https://pocketvoxel.games/
●Pocket Voxel公式GitHub
https://github.com/pocket-stack/pocket-voxel
●PocketJSによる発表
https://x.com/pocket_js/status/2087529805181042829
『Pocket Voxel』は、ゲームボーイ版『ポケットモンスター』の平面的なマップを立体化し、建物や木々、草むらなどをボクセル調の3Dジオラマとして表現するプロジェクトです。以前の記事では、PSP/PS Vita版を動かすためにBunやRust、cargo-psp、VitaSDKなどの開発環境を用意して、自分でビルドする必要があると紹介しました。
しかし、2026年8月12日に公開されたWeb版では、対応するROMをブラウザに読み込ませるだけで、そのままプレイできるようになっています。さらに、PSP用とPS Vita用のパッケージまでブラウザ上から生成可能になりました。
Pocket Voxel が今、ウェブ上で動作します。
ここに Pokémon Red の ROM をドロップして、すぐにボクセルワールドに飛び込んでください。
ここで PSP および PSVita パッケージも直接ビルドできます。
アップロードやインストール不要、自分の ROM を持参するだけです。
ROMを選ぶだけでブラウザ上からプレイ可能
Web版のページを開くと、3Dモデルで再現されたゲームボーイ風の本体が表示されます。「Choose ROM」から対応するROMを選択すると、ゲームデータの解析と変換が始まり、画面内で『Pocket Voxel』をプレイできる仕組みです。
操作にはキーボードのほか、一般的なレイアウトのゲームパッドも利用できます。また、画面上に表示されている方向キーやボタンを直接押して操作することも可能です。「Rotate」を有効にすると本体の3Dモデルを回転できるため、ゲーム画面だけを表示する一般的なブラウザエミュレーターとは、かなり異なる見た目になっています。
なお、『Pocket Voxel』はゲームボーイのエミュレーター上でROMをそのまま動かしているわけではありません。
ゲーム部分はTypeScriptで再構築され、QuickJS上で実行。3D描画部分についてはRustで作られており、読み込ませたROMから画像やマップ、テキストなどの必要なデータを抽出して利用しています。
PSP用ZIPとPS Vita用VPKも生成可能
Web版の上部にある「Homebrew」を選択すると、PSPまたはPS Vita向けのパッケージを生成できます。
PSP版では、生成された「EBOOT.PBP」とゲームデータの「voxelmon.vxpak」を、所定のフォルダー構成にまとめたメモリースティック向けZIPが出力されます。PS Vita版は、必要なゲームデータを内蔵した単一のVPKファイルとして生成されます。
これまで必要だったBunやRust、cargo-psp、VitaSDKといった開発環境を、一般ユーザーが自分でセットアップする必要はありません。ブラウザ側でROMから必要なデータを作成し、あらかじめ用意されているネイティブ実行環境と組み合わせてパッケージ化する仕組みです。そのため、以前よりも導入のハードルは大幅に下がったといえるでしょう。
ROMはサーバーにアップロードされない
権利面やプライバシーへの配慮として、読み込ませたROMの処理はすべてブラウザ内のローカル環境で実行されます。
公式GitHubの説明によると、ROMや変換後のゲームデータはサーバーへアップロードされず、ブラウザのストレージにも保存されません。処理中のタブを閉じると、メモリー上に作成されたデータも失われます。
『Pocket Voxel』の配布物にも、ゲームのROMやROMから抽出した画像、音声、テキストなどは含まれていません。利用者が自分で所有しているゲームから用意したROMを読み込ませる方式になっています。
現在は北米版『Pokémon Red』のみ対応
Web版で現在利用できるのは、北米版『Pokémon Red』の正規ROMです。ROMは読み込み時にSHA-1で検証されるため、日本版『ポケットモンスター 赤』や改造されたROMなどは利用できません。
また、ブラウザでPSP/PS Vita向けパッケージを簡単に生成できるようになったものの、実機で動かすには非公式ソフトを実行できる環境が必要です。PSPではCFWなどが導入された環境、PS VitaではHENkakuが利用できる本体が必要になるため、通常の無改造本体にファイルをコピーするだけで動かせるわけではありません。非公式ソフトの導入や本体の改造には故障などのリスクもあるため、試す場合は自己責任で行いましょう。
ゲーム部分についても、現時点ではトレーナー戦、技のアニメーション、ボックスシステムなどに未実装の部分が残っています。それでも、これまでは開発環境を構築して自分でビルドする必要があった『Pocket Voxel』を、ブラウザから試せるようになったのは大きな進化です。
以前の記事では「今後、一般ユーザーでも導入しやすい形で公開されるのかにも注目したい」と紹介しましたが、わずか数日でその課題に応えるWeb版が登場したことになります。















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