MSXエミュレーター『openMSX 22.0』公開!『A1 Spirit』付属のハンドルや光線銃にも対応

MSXエミュレーター『openMSX 22.0』公開!『A1 Spirit』付属のハンドルや光線銃にも対応

MSXエミュレーター『openMSX』の開発チームは、2026年10月28日に最新バージョン『openMSX 22.0』を公開しました。今回の更新では、コナミの『A1 Spirit』に付属していたステアリングハンドルやMSX用光線銃など、ユニークな周辺機器のエミュレーションに新たに対応。画面表示の再現精度や設定機能、開発者向けの解析ツールも強化されています。

『openMSX』は、MSXシリーズのハードウェアの動作を再現するオープンソースのエミュレーターです。単にゲームを起動するだけでなく、実機の映像処理や拡張機器の動作まで細かく再現することを目指して開発が続けられています。

●『openMSX』公式サイト・ダウンロード
https://openmsx.org/

●『openMSX 22.0』公式リリースノート
https://raw.githubusercontent.com/openMSX/openMSX/RELEASE_22_0/doc/release-notes.txt

『A1 Spirit』のハンドルや光線銃を再現

今回のアップデートで特に注目したいのが、当時の専用周辺機器をエミュレーター上で再現できるようになったことです。

新たに対応した『Panasonic FS-JH1 Joy Handle』は、コナミの『A1 Spirit』に付属していたステアリング型のコントローラーです。一般的なジョイスティックとは異なる、こうした特殊な入力装置まで再現の対象となったことで、当時のゲームに用意されていた独特の操作環境をPC上で再現するための選択肢が増えました。22.0では、ハンドル用の設定画面も新たに追加されています。

また、MSX用光線銃の『MHT GUN-STICK』と『ASCII Plus-X Terminator Laser』のエミュレーションにも対応しました。こちらはPCのマウスを使って操作する仕組みで、昔の光線銃をそのままPCに接続できるという意味ではありません。専用の入力機器が必要だったゲームの遊び方を、現在のPC環境で再現できるようにする取り組みといえそうです。

このほか、MSX上でセガ・マスターシステム用ゲームを動かすための拡張機器『Franky』や、OPNA音源を搭載したカートリッジ『Makoto』にも新たに対応。『SD Mapper V1』『SM-X WiFi』、プロッターなどのエミュレーションも追加されており、ゲーム用のコントローラーから音源・通信機器まで、幅広いハードウェアへの対応が進んでいます。

画面表示の再現精度や設定機能も強化

エミュレーターとしての基本的な再現精度も改善されています。MSXの画面表示を制御するVDP(ビデオディスプレイプロセッサー)では、描画コマンドの実行タイミングやビデオメモリーへのアクセス処理などを修正。画面の一部が乱れる問題や、スプライトの判定タイミングに関する不具合などにも手が加えられました。

設定面では、新たに『Quick Setup Editor』が追加されています。これはMSX本体や周辺機器の組み合わせを含む主要な設定を、ひとつの画面から作成・変更できる機能です。さまざまな機種や拡張機器を試したいユーザーにとって、環境の管理がしやすくなる改善といえるでしょう。

さらに、仮想的なTCP/IP UNAPIデバイスも実装されました。MSX用のネットワーク対応ソフトを、PC側のネットワーク機能を介して試せる仕組みです。ただし、この機能の利用にはMSX側で専用のドライバーを用意する必要があります。

画面が描かれる途中まで確認できる解析ツール

開発者やMSXの仕組みに興味がある人向けの機能も充実しました。新たな『Raster Beam Viewer』では、画面が完成するまでの描画過程を表示し、走査位置や描画中の状態などを確認できます。完成したゲーム画面を見るだけでは分からない、表示処理の内部を観察できる機能です。

また、『Tracer』では各種イベントを時間軸に沿って表示できるようになり、処理にかかった時間を調べるプロファイリングにも利用できます。ゲームやデモプログラムで特定の表示が起こるタイミングを確認したり、処理の流れを分析したりする際に役立ちそうです。

Windows・Mac・Linux向けに配布中

『openMSX 22.0』は、公式サイトからダウンロードできます。今回公開されているパッケージは、64ビット版Windows、Apple Silicon/Intel搭載Mac、x86-64版Linux向けです。なお、macOS版を利用するにはmacOS 13.3以降が必要とされています。公式サイトにはAndroidなどの旧バージョンも掲載されていますが、それらは22.0版とは異なります。

実際に特定のMSX機種や周辺機器を再現する場合は、必要なシステムROMやゲームデータ、入力装置の設定などを個別に確認する必要があります。今回追加されたハンドルについても、一般的なPC用ゲームパッドなどでどのように操作できるかは、実機での検証や設定情報の確認が必要です。

今回の22.0は、単なる動作改善にとどまらず、MSX時代の個性的な周辺機器や遊び方を現代のPCで再現するための機能が増えた点が魅力です。往年のMSXファンにとっても、改めてチェックしておきたいアップデートではないでしょうか。

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