PSP向けゲームボーイアドバンス(GBA)エミュレーター「GBAdhoc」の最新バージョンとなる「GBAdhoc 4.0.0」が、2026年10月13日に公開されました。開発を手掛けているのはShoshinFauteux氏で、今回のアップデートではゲームの巻き戻し機能やチート機能、2台のPSP間でセーブデータを共有する機能などが新たに追加されています。
GBAdhocは、PSP上でゲームボーイアドバンスのほか、ゲームボーイ(GB)やゲームボーイカラー(GBC)のゲームも楽しめる非公式エミュレーターです。当サイトでも10月5日に公開されたバージョン3.5.0をご紹介しましたが、こちらでは2台のPSPを使ってGBAのリンクケーブル通信を再現できるようになったことが話題になりました。
今回の4.0.0では、そうした通信機能の改善に加えて、ひとりでゲームを遊ぶときにも便利な機能が多数追加されています。
●GBAdhoc 4.0.0
https://github.com/ShoshinFauteux/GBAdhoc/releases/tag/v4.0.0
△ボタンを押している間、ゲームを巻き戻せるように!
今回のアップデートで、特に注目したいのが新たに追加された「Rewind(巻き戻し)」機能です。こちらはゲームプレイ中に△ボタンを押し続けることで、ゲームの進行を過去に戻すことができるというものです。
たとえばアクションゲームで敵の攻撃を受けてしまったり、ジャンプに失敗して穴に落ちてしまったりした場合でも、少し前の場面まで巻き戻してやり直すことができます。ボタンを離せば、その時点から再びゲームを続けられる仕組みです。
巻き戻し中は映像だけではなく音声も逆再生されるほか、画面上にはどの程度過去に戻っているのかを示す円形のインジケーターも表示されます。
この機能は初期設定では無効になっており、「Settings → Rewind」から有効にする必要があります。設定の変更は次にゲームを起動したときから反映されます。
巻き戻せる時間は使用するメモリ容量によって異なり、「Short(1MB)」「Medium(2MB)」「Long(4MB)」の3種類から選択できます。
開発者によると、標準設定のMediumでは『ポケットモンスター エメラルド』で約40秒間の巻き戻しが可能とのこと。ただし、これはすべてのゲームに共通するわけではなく、処理の重い3Dゲームなどでは数秒程度になる場合もあります。
なお、現時点で巻き戻し機能に対応しているのはGBAのゲームのみです。GBやGBCのゲームでは利用できず、通信プレイ中も無効になります。また、ゲーム内で行った通常のセーブは巻き戻しによって取り消されません。

2台のPSP間でセーブデータやセーブステートの共有が可能に
もうひとつの大きな新機能が、PSP同士でゲームのセーブデータをやり取りできる「Share game data」です。
こちらは2台のPSPをアドホックWi-Fiで接続し、ゲームのセーブデータやセーブステートを送受信できる機能です。
利用する場合は、一方のPSPで「Settings → Share game data」を選択して通信ルームを作成し、もう一方のPSPから参加します。
接続すると、両方のPSPに入っている共通のゲームが表示され、相手側のセーブデータやセーブステートを確認できます。セーブステートについては保存時の画像や日時なども表示されるため、どのデータを受け取るのか確認しながら操作できます。
また、セーブデータを上書きする場合は確認画面が表示され、元のデータは「.sav.bak」というバックアップファイルとして保存されます。転送したデータの整合性をチェックする仕組みも備えています。
これにより、たとえば普段使用しているPSPから別のPSPへゲームの進行状況を引き継いだり、友人とセーブデータを交換したりといった使い方が可能になります。
ただし、転送できるのはセーブデータとセーブステートのみで、ゲームのROMファイル自体が送信されるわけではありません。また、セーブステートの共有には両方のPSPで同じバージョンのGBAdhocを使用する必要があります。
チート機能や連射機能も新たに追加
今回の4.0.0では、ゲームごとにチートコードを設定する機能も追加されました。
チートコードはゲームごとに「.cht」形式のテキストファイルで管理され、GBAdhocの「cheats」フォルダ内に配置することで利用できます。RetroArchで使用されている「.cht」形式のファイルにも対応しており、ゲーム内メニューから個別のコードを有効・無効に切り替えられます。
現時点で対応しているのは、GBA向けのCodeBreakerコードやメモリへの直接書き込みコード、GB/GBC向けのGameSharkコードなどです。
一方、GBA向けのGameSharkやAction Replayコードについては、一覧に表示されても有効化することはできません。開発者は今後のアップデートでチート機能を拡張する予定としています。
さらに、AボタンとBボタンに設定できる連射機能も追加されました。
こちらは合計4種類の連射アクションを登録でき、それぞれ1秒間に10回、15回、30回の連射速度を設定できます。ボタンを押している間だけ連射する方式と、ボタンを押すたびに連射のオン・オフを切り替える方式も選択可能です。
ただし、チート機能と連射機能は通信プレイ中には使用できません。
GBAの通信プレイも高速化!『マリオカートアドバンス』などで動作を検証
GBAdhoc 3.5.0で追加されたGBAのリンクケーブル通信についても、今回のバージョンでさらなる最適化が行われています。
この通信機能は、2台のPSPそれぞれで2つのGBA環境を同時に動かし、PSP間ではボタンの入力情報を同期することでリンクケーブル通信を再現するというものです。
今回のアップデートでは、2つ目のGBA環境を動かす際の処理負荷が軽減され、通信プレイのパフォーマンスが改善されています。
開発者がPSP-3000とPSP-1000の組み合わせで検証した結果によると、『Advance Wars 2』では58.6~59.0fps、『マリオカートアドバンス』では約58.4fpsで動作したと報告されています。
また、『スーパーストリートファイターII X リバイバル』では、それまで約39fpsだった動作速度が約47fpsまで改善されています。
新たに追加された「Wireless → Fast link」を有効にすると、通信時に送信するパケット数が削減され、同タイトルでは約50fpsまで向上したとのことです。この機能は初期設定では無効になっており、通信を主催する側のPSPから設定します。
そのほか、『ストリートファイターZERO3↑』の海外版にあたる『Street Fighter Alpha 3』や『ソニックバトル』についても、2台のPSPを使用した通信プレイでフルスピード動作が確認されています。
ただし、これらは開発者による検証結果であり、すべてのタイトルやPSPの組み合わせで同じ動作速度が保証されるわけではありません。
不具合修正や操作性の改善も実施
このほか、いくつかのゲームで発生していた不具合も修正されています。
『黄金の太陽 失われし時代』や『キャッスルヴァニア 白夜の協奏曲』などで発生していた音楽再生の問題が改善されたほか、『Driver 2 Advance』では動作速度が向上し、『Need for Speed Underground 2』で発生していた画面のちらつきも修正されています。
また、スリープからの復帰後にセーブデータが正常に保存されない問題などにも対処されています。
操作面では、アナログスティックを方向キーの代わりに使ったり、各方向に個別のボタン操作を割り当てたりする機能が追加されました。メニュー上でPSPのバッテリー残量を確認できるようになったのも、地味ながら便利な変更点です。
GBAdhoc 4.0.0のダウンロードと導入方法
GBAdhoc 4.0.0は、開発者のGitHubで無料公開されています。対応するのはPSP-1000、PSP-2000、PSP-3000、PSP Goで、利用にはカスタムファームウェアを導入した環境が必要です。開発者は主にARK-4を使用して開発・検証を行っています。
導入する場合は、GitHubから「GBAdhoc-4.0.0.zip」をダウンロードし、解凍したファイルをメモリースティックのルートに配置します。エミュレーター本体は「PSP/GAME/GBAdhoc」に保存され、PSPのXMBから起動できます。
ゲームデータは「GBAdhoc/roms」フォルダに配置します。対応する拡張子は「.gba」「.gb」「.gbc」で、別途BIOSファイルを用意する必要はありません。
すでに以前のバージョンを使用している場合は、「EBOOT.PBP」「gbadhoc_me.prx」「gbadhoc_home.prx」の3ファイルをまとめて更新することで、既存の設定やセーブデータを維持したままアップデートできます。
なお、ゲームデータは適切な権利を持つものを利用する必要があり、GBAdhoc自体に市販ゲームのROMファイルは含まれていません。
これまでのGBAdhocは、PSP上でGBAのゲームを快適に動かすことに加え、実機同士の通信プレイを再現する方向で進化してきました。
今回の4.0.0では、巻き戻しやチート、セーブデータの共有といった機能が追加されたことで、通信プレイだけではなく、普段のゲームプレイの利便性も大きく向上しています。
発売から20年以上が経過したPSPですが、こうしたエミュレーターの進化によって、今でも新しい遊び方が広がり続けているのは興味深いところです。















ダンジョンズ&ドラゴンズ ビジュアル大全 半世紀を超えるその歴史とアート









GameSir Pocket Taco