PS2『リッジレーサーV』がWindowsでネイティブ動作!非公式移植「Fukami」v1.1.0でWindows版が初登場

PS2『リッジレーサーV』がWindowsでネイティブ動作!非公式移植「Fukami」v1.1.0でWindows版が初登場

プレイステーション2(PS2)向けに発売されたレースゲーム『リッジレーサーV』を、PCなどでネイティブ動作させる非公式プロジェクト「Fukami」の最新版となるv1.1.0が、2026年10月14日に公開されました。今回のアップデートでは、これまで対応していたApple Silicon搭載MacやSteam Deckに加え、新たにWindows 10/11への対応が実現しています。

この「Fukami」は、GitHubユーザーのdanisandoval氏が開発している非公式プロジェクトです。オリジナルのPS2版をベースにしながら、ワイド画面表示や最大8倍の高解像度描画などにも対応しているのが特徴です。今回のWindows版登場によって、一般的なWindows PCでも楽しめるようになりました。

●Fukami v1.1.0 配布ページ
https://github.com/danisandoval/fukami/releases/tag/v1.1.0

●Fukami GitHub
https://github.com/danisandoval/fukami

Windows 10/11に初対応!PS2のゲームをネイティブ動作させる「Fukami」とは?

『リッジレーサーV』は、ナムコ(現バンダイナムコエンターテインメント)がPS2向けに発売したレースゲームです。PS2のローンチタイトルとしても知られており、爽快なドリフト走行やスピード感あふれるレースが楽しめる作品となっています。

今回アップデートされた「Fukami」は、そうした『リッジレーサーV』を現代のPC環境で動作させることを目的としたプロジェクトです。

一般的なPS2エミュレーターとは異なり、「静的再コンパイル」と呼ばれる技術が利用されています。これは、PS2向けに作られたプログラムをあらかじめPCなどで動作するコードに変換し、ネイティブアプリケーションとして実行できるようにする仕組みです。

PS2のハードウェアを再現するための仕組みも組み込まれていますが、汎用的なPS2エミュレーターではないため、ほかのPS2用ゲームを自由に動かせるわけではありません。

ちなみに、初めて一般公開されたv1.0.0は2026年10月4日に登場しました。この段階ではApple Silicon搭載MacとSteam Deckが対象でしたが、今回公開されたv1.1.0でWindows 10/11の64ビット版にも対応しています。

Windows版では、標準のグラフィックスAPIとしてDirect3D 11を採用しています。また、設定を変更することでVulkanを利用するための項目も用意されています。

このほか、フルスクリーン表示時にリフレッシュレートを60Hzの倍数に切り替える機能や、FreeSync/G-Syncなどの可変リフレッシュレートに対応するための設定も追加されています。ただし、これらの機能については、今回のWindows版ですべて実機検証されているわけではありません。

ワイド画面や最大8倍の高解像度描画にも対応

「Fukami」の魅力は、単にPS2のゲームをPC上で動かせることだけではありません。オリジナルのゲームをベースにしながら、現代のディスプレイ環境に合わせた表示機能も備えています。

たとえば、画面表示については16:9や16:10、21:9といったワイド画面に対応しています。これは単純に元の映像を横方向に引き伸ばすものではなく、ゲーム内のカメラが描画する範囲を実際に広げる仕組みです。そのため、オリジナルとはひと味違った広い視界でレースを楽しめます。

また、内部描画解像度を最大8倍まで引き上げる機能も用意されています。アンチエイリアスやシャープニング、異方性フィルタリングなどの描画オプションも備えており、PS2時代の作品をより鮮明な映像で表示できるようになっています。

これらは初回のv1.0.0から搭載されていた機能ですが、今回のv1.1.0では表示品質にも手が加えられています。

具体的には、HUDやメニュー、文字、ロゴといった2D表示の描画処理が改善され、タイトル画面のロゴに不要な線が現れる問題などが修正されました。さらに、ワイド画面でのレース中はHUDを画面端に配置しながら、元の4:3の比率を保つ表示方式が標準設定になっています。

オープニング映像についても、16:9の画面全体を使った表示に対応しました。

そのほか、ふたりプレイ時には接続した順番でコントローラーがプレイヤー1、プレイヤー2に割り当てられるようになっています。VSモードで画面が真っ黒になってしまう不具合も修正されました。

Steam Deck版については、内部描画解像度の選択肢が2倍、4倍、6倍、8倍に整理されています。

Windows版の利用には米国版『リッジレーサーV』のゲームデータが必要

今回公開されたWindows版は、GitHubのリリースページから「Fukami-1.1.0-windows-x86_64.zip」をダウンロードすることで入手できます。

導入自体は比較的シンプルで、ZIPファイルを展開し、「Fukami.exe」を実行する仕組みです。ただし、動作にはMicrosoft Visual C++ Redistributableの64ビット版が必要になります。

また、注意しておきたいのが、配布ファイルには『リッジレーサーV』のゲームデータが含まれていないという点です。

利用するには、米国版『Ridge Racer V』(識別番号:SLUS-20002)のディスクを所有している必要があり、そこから自分で作成したCHD形式、またはCUE/BIN形式のディスクイメージを用意しなければなりません。

初回起動時にはゲームデータの確認が行われ、必要なファイルが展開される仕組みです。現時点では米国版のみがサポート対象となっており、日本版のディスクをそのまま利用できるわけではない点にも注意が必要です。

なお、「Fukami」はソニーやバンダイナムコによる公式の移植作品ではありません。あくまでも個人開発による非公式プロジェクトです。

Windows版はまだ検証段階。環境によっては動作に注意

開発者によると、Windows版についてはNVIDIA GeForce RTX 5060 Laptop GPUを搭載したノートPCで動作検証が行われています。

Direct3D 11を利用したウィンドウ表示で、ゲーム起動からデモレースまでの約99秒間を確認したところ、レース中は平均60fpsで動作したと報告されています。ただし、レースの読み込み時には一時的な停止も発生しています。

また、現時点で検証されているWindows環境は限られており、AMD製GPUを含むほかのハードウェアや、Vulkanでの描画、コントローラー操作などについては十分な検証が行われていません。プレイヤーが実際に操作するレースについても、今回のWindows版での動作保証が示されているわけではありません。

Windows版の実行ファイルにはコード署名が施されていないため、起動時にWindows SmartScreenによる警告が表示される場合もあります。ダウンロードする際は公式GitHubのリリースページを利用し、必要に応じて公開されているチェックサムでファイルを確認するといいでしょう。

なお、Mac版についても注意事項があり、今回のv1.1.0はmacOS 27.0より古い環境では起動できないとされています。Steam Deck版はSteamOS 3.7以降が対象です。

まだ開発途上の部分は残されているものの、PS2の『リッジレーサーV』を現代のWindows PCでネイティブ動作させられるようになったことは、レトロゲームファンにとって興味深いニュースといえそうです。

とくに、ワイド画面や高解像度描画を組み合わせることで、当時とはまた違った映像表現で作品を楽しめる点は大きな魅力です。今後のアップデートによって、対応環境や動作の安定性がどこまで向上していくのかにも注目したいところです。

via.Reddit

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