PS Vita向けに、ゲームキューブ用ソフト『大乱闘スマッシュブラザーズDX』をネイティブ動作させる実験的プロジェクト「Smash Melee Vita」の最新版となるv0.8.15が、2026年9月26日に公開されました。
今回のアップデートでは、描画処理やキャラクターアニメーションなどの負荷をPS Vitaの第2CPUコアへ分散する最適化が行われています。これにより4人対戦など負荷の高い場面がよりスムーズになったほか、これまで大きくフレームレートが低下していた一部の演出でも大幅な改善が報告されています。
なお、「Smash Melee Vita」はPS Vita上でゲームキューブをエミュレーションして『スマブラDX』を動かしているわけではありません。ゲームのコードをPS Vita向けにコンパイルし直し、入力やディスクアクセス、オーディオ、セーブ、ムービー再生、グラフィック描画などをVita向けの仕組みに置き換えることで動作させる、実験的なネイティブ移植プロジェクトです。
●Smash Melee Vita GitHubリリースページ
https://github.com/zm2283145/melee-Vita/releases
●Brewology配布ページ
https://store.brewology.com/vita/ahomebrew.php?brewid=1547
リザルト画面は約12fpsから約18fpsに改善
v0.8.15で大きく手が加えられたのが、負荷の高い場面での描画処理です。
これまでメイン側で処理していたグラフィック描画の準備やキャラクターアニメーションを第2CPUコアでも処理するように変更。さらにPS VitaのGPUが読み込みやすい形にテクスチャの配置を最適化し、オブジェクトごとに発生していた処理負荷も軽減されています。
その結果、リザルト画面のフレームレートは従来の約12fpsから約18fpsまで向上。4人のファイターが参加する対戦についても、以前より明らかにスムーズになったとしています。
また、クッパなどバンプマップを利用したマテリアルを持つキャラクターが登場した際に、試合全体の処理速度が低下する問題も改善されました。
フレームレートが低下した際にゲームそのものの進行速度まで遅くなり、いわゆるスローモーションのような状態になる挙動についても変更されています。v0.8.15では描画が追いつかない場合でも、ゲーム自体の進行速度を維持するようになっています。
ギガクッパ前後の演出は約8~12fpsから約30fpsに
特に大きな改善が確認できるのが、ギガクッパが登場する場面です。
これまでクッパ撃破後、ギガクッパが登場する前後の演出ではフレームレートが約8~12fpsまで低下していましたが、v0.8.15では約30fpsで動作するようになりました。クッパがギガクッパへ変身する際に発生していた長い停止時間についても短縮されています。
加えて、ギガクッパ撃破シーンで映像の残像が画面上に残ってしまう不具合も修正されました。
直前のv0.8.2では、アドベンチャーモードのブリンスターステージにおける爆発演出などが改善される一方、ギガクッパへの変身については低速動作が既知の問題として残されていました。今回のv0.8.15で、その部分にも本格的な最適化が入った形です。
ゲームキューブエミュレーターではない点に注意
「PS Vitaで『スマブラDX』が動く」と聞くと、ゲームキューブエミュレーターが登場したように感じるかもしれませんが、仕組みは大きく異なります。
「Smash Melee Vita」は『スマブラDX』の逆コンパイルプロジェクトなどをベースに、ゲームコードをVita向けにビルドしているものです。ゲームキューブ本体のハードウェアを丸ごと再現するのではなく、PS Vita用に入力、映像、音声、セーブなどの機能を実装することで動作を実現しています。
そのため、このプロジェクトが完成したとしても「PS Vitaでゲームキューブソフト全般が動くようになる」というものではありません。あくまで『大乱闘スマッシュブラザーズDX』そのものをPS Vitaへ移植する取り組みです。
利用には自分で用意した『スマブラDX』のゲームデータが必要
「Smash Melee Vita」の配布物には『大乱闘スマッシュブラザーズDX』本編のゲームデータは含まれていません。
動作にはHomebrewが利用できるPS Vitaのほか、「libshacccg.suprx」と、ユーザー自身が正規に所有する『大乱闘スマッシュブラザーズDX』北米版NTSC-U 1.02の非圧縮ゲームデータが必要とされています。GitHubのREADMEでは、対応するディスクイメージとして「GALE01」が指定されており、ほかのリージョンやリビジョン、RVZやCISOなどの圧縮形式には対応していません。
また、現時点では完成版ではなく、開発中の実験的な移植です。シーンやキャラクター、ステージによってパフォーマンスが異なるほか、描画や音声、ムービーの不具合、クラッシュなどが発生する可能性があると開発者自身も案内しています。
9月21日以降だけでもv0.8.2、v0.8.9、v0.8.12、v0.8.14、v0.8.15など複数のバージョンが短期間に公開されており、現在もかなり活発に開発が続けられています。今回のv0.8.15では、単なる不具合修正だけではなくCPUとGPUの使い方そのものに踏み込んだ最適化が行われており、PS Vita上で『スマブラDX』をより快適に動かすための大きな前進となりそうです。















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