iPad 3/4の液晶がレトロゲーム用ミニCRT風モニターに! HDMIからコンポジットまで対応する『PixelVision AV-1000 MkII』

iPad 3/4の液晶がレトロゲーム用ミニCRT風モニターに! HDMIからコンポジットまで対応する『PixelVision AV-1000 MkII』

レトロゲームを遊ぶために、ちょうどいいサイズの4:3ディスプレイが欲しい。そんな人に刺さりそうな、なんとも魅力的なDIYプロジェクトが海外で注目を集めています。

●PixelVision AV-1000 MkII 公式GitHub
https://github.com/retrobuiltRyan/pixelvision_av1000_mkII

RetroBuiltGamesことRyan氏が製作した「PixelVision AV-1000 MkII」は、iPad 3/4向けの交換用として流通している9.7インチIPS液晶パネルを利用して作る、CRT風デザインのデスクトップモニターです。2026年8月17日にはHackadayなどでも取り上げられ、レトロコンピューティング界隈で話題になっています。

最大の特徴は、見た目だけレトロというわけではなく、新旧さまざまな映像入力に対応しているところです。

9.7インチ・4:3のiPad向け液晶を採用

PixelVision AV-1000 MkIIで使用されているのは、iPad 3/4向け交換用として入手できる「LP097QX1-SPC1」という9.7インチのIPS液晶パネルです。アスペクト比はレトロゲームとの相性がいい4:3で、解像度は2048×1536ドット。画素密度は264ppi、リフレッシュレートは60Hz、輝度は440cd/m²となっています。

本体デザインも、昔ながらのCRTモニターを意識したものになっています。Hackadayによると、デザインにはAmiga 1000用モニターや、小型のソニー製CRTテレビなどから影響を受けているとのことです。

しかもスタンド部分は固定式ではなく、CRTモニターのように角度を変えられるスイベル構造になっています。

HDMIだけじゃない! S映像やコンポジットにも対応

レトロゲーム用として注目したいのが映像入力です。PixelVision AV-1000 MkIIでは、HDMI入力時は最大2048×1536ドットに対応。さらにVGAでは最大1920×1080ドットの映像を入力できます。それだけではありません。スキャンラインコンバーターを組み込むことで、

  • YPbPr(コンポーネント)
  • S映像
  • コンポジット

といったアナログ映像にも対応します。これらについては480pで液晶側に出力される構成になっています。

つまりHDMIを搭載したMiSTer FPGAやレトロゲーム互換機などはもちろん、映像出力がコンポジットやS映像しかない昔のゲーム機まで、ひとつの小型ディスプレイにまとめられるというわけです。

スピーカーまで内蔵

さらにPixelVision AV-1000 MkIIにはステレオスピーカーも内蔵されています。公式GitHubによると出力は5Wで、3.5mmステレオの音声入出力にも対応。消費電力は動作時約10W、スタンバイ時約2Wとなっています。

完成時の本体サイズは約248×205×192mmで、重量は約1350g。9.7インチという画面サイズも含め、机の上に置いて遊ぶレトロゲーム用モニターとしてはかなりコンパクトなサイズに仕上がっています。

3Dプリンターがあれば自分でも製作可能

ただし、このPixelVision AV-1000 MkIIは現在市販されている製品ではありません。GitHubで設計データなどが公開されており、必要なパーツをそろえて自分で組み立てるDIYプロジェクトです。

公開されているデータには、

  • 3Dプリンター用データ
  • STEPファイル
  • PCBデータ
  • 組み立て手順書
  • 回路図
  • 部品表

などが含まれています。

ケースにはPLAを使用しており、必要なフィラメントは合計877g。公開されている試算では、3Dプリントに掛かる時間は合計約29.8時間となっています。さらに、液晶パネルやスキャンラインコンバーター、アンプ、スピーカー、電源、ネジ類などを含めた部品代についても掲載されており、作者による試算では合計167.82ドルとなっています。

背面スペースを利用して一体型エミュ機にするアイデアも

もうひとつ面白いのが本体背面です。スキャンラインコンバーターを収めるために背面側には膨らみを持たせたスペースが設けられていますが、Hackadayでは、ここにシングルボードコンピューターなどを組み込むことで、一体型のエミュレーションマシンに改造するアイデアも紹介されています。

もちろん公式仕様として用意されている機能ではありませんが、Raspberry Piなどを組み込めば、見た目は小型CRTモニターながら本体だけでレトロゲームを動かせるマシンを作ることもできそうです。

現在は大型の液晶ディスプレイが主流となり、レトロゲームにちょうどいい4:3の小型ディスプレイは意外と選択肢がありません。

そこに高解像度なiPad向け液晶、3Dプリンター、アナログ映像変換基板を組み合わせて、「自分が欲しいレトロゲーム用モニターを自分で作ってしまった」というのがPixelVision AV-1000 MkIIの面白いところです。

製作のハードルは決して低くありませんが、レトロゲーム機やMiSTer FPGAをたくさん所有している人なら、思わず机の上に1台置きたくなるデザインではないでしょうか。

via.TechEBlog

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