PCエミュレーション不要! 初代『スタークラフト』を68K Amigaでネイティブ動作させる「AmiSC」v0.3.0が公開

PCエミュレーション不要! 初代『スタークラフト』を68K Amigaでネイティブ動作させる「AmiSC」v0.3.0が公開

1998年にBlizzard Entertainmentから発売されたリアルタイムストラテジー『スタークラフト』を、68K Amiga上でネイティブ動作させる移植プロジェクト「AmiSC」が登場しました。

本作はPCエミュレーションやインタープリターを利用するものではなく、AmigaOS 3.x向けにコンパイルされたネイティブアプリケーションです。現在はアルファ版ながら、CPUを相手に資源を集めて基地を建設し、ユニットを生産して勝敗が決まるところまでプレイできるようになっています。

●AmiSC—GitHub+
https://github.com/angree/AmiSC

●AmiSCのリリース一覧
https://github.com/angree/AmiSC/releases

3種族を使ったCPU戦がプレイ可能

「AmiSC」では、テラン、ザーグ、プロトスの3種族がすでにプレイ可能です。

資源の収集や基地建設、ユニットの生産といった『スタークラフト』の基本的なゲームシステムに加えて、フォグ・オブ・ウォー、ミニマップ、ユニット固有の能力、コマンドカード、生産キュー、ゲーム速度の変更、勝利・敗北の判定なども実装されています。

そのため、単にマップやユニットを表示するだけの技術デモではなく、CPUを相手にスカーミッシュを最後までプレイできる段階に到達しています。

一方で、現時点ではコンピューター側の思考ルーチンは未完成です。CPUは基地を建設して防御を固めることはできるものの、積極的な攻撃は苦手で、オリジナル版よりも簡単に勝てる状態となっています。

また、サウンド、キャンペーン、ミッションブリーフィング、マルチプレイについても、まだ実装されていません。

v0.3.0では地形の移動判定を修正

「AmiSC」の初版となるv0.1.0が公開されたのは、2026年8月13日です。その後も短期間でアップデートが繰り返され、8月15日には最新版のv0.3.0が公開されました。

v0.2.0では、コマンドボタンに必要なミネラルやガス、サプライなどのコストが表示されるようになったほか、研究やアップグレードの進行状況、キャンセルボタン、命令を実行できない理由を知らせるメッセージなどが追加されています。

続くv0.2.1では、128タイルを超える大きなマップでミニマップが表示領域からはみ出していた問題を修正。45種類の標準マップのうち、14種類がこの問題の影響を受けていたとのことです。

最新版のv0.3.0では、ユニットが本来移動できない崖や水面を越えてしまう問題が修正されました。

この不具合は、コンパイラーの問題によって地形の通行可否を示すフラグの誤った部分を読み込んでいたことが原因で、すべての地形が移動可能として扱われていたそうです。v0.3.0では地形の判定が正しく行われるようになり、ユニットが崖や水面を越えなくなっています。

●AmiSC 68K v0.3.0リリースノート
https://github.com/angree/AmiSC/releases/tag/v0.3.0

AGAとRTGの両方に対応

「AmiSC」は、AmigaのAGAチップセットと、Picasso96を利用したRTG環境の両方に対応しています。

画面解像度は640×480と320×240の2種類が用意されており、処理速度が足りない環境では320×240を選ぶことで描画負荷を軽減できます。

起動には「SC_universal」という実行ファイルが用意されており、グラフィックカードの有無を判別して、RTGまたはAGAの適切な表示モードを選択できます。起動メニューから解像度を切り替えることも可能です。

主な動作条件は以下のようになっています。

項目動作条件
OSAmigaOS 3.0以降
CPU68020以上
FPU不要
グラフィックAGA、またはRTG/Picasso96
解像度640×480、320×240
メモリースプライトデータ用に約20MB
ストレージゲームデータ用に約250~620MB

68020はあくまでも起動可能な最低ラインで、AGA環境では68060以上が推奨されています。RTG環境でも高速な68040が最低ラインとされており、68060または68080とグラフィックカードを組み合わせた環境が理想的です。

エンジン内部では整数演算のみが使用されており、実行ファイルにはFPU命令が含まれていないため、FPUを搭載していないAmigaでも起動できます。

オリジナル版のゲームデータが必要

「AmiSC」には、『スタークラフト』のグラフィックやマップなどの商用ゲームデータは含まれていません。プレイするには、ユーザー自身が所有している『スタークラフト』から必要なデータを用意する必要があります。

バージョン1.16.1までのCD-ROM版や旧ダウンロード版については、「StarDat.mpq」「BrooDat.mpq」「Patch_rt.mpq」などのファイルをAmiga側にコピーすることで利用できます。

現在無料配布されている新しいPC版は、従来のMPQではなくCASC形式でデータが格納されています。そのため、「AmiSC」に同梱されているWindows用変換ツールを使い、必要なデータをMPQ形式として取り出す仕組みが用意されています。

なお、「AmiSC」はGitHubで配布されていますが、現時点で移植部分のソースコードは公開されていません。ダウンロードできるのはAmiga向けのバイナリと関連ツールであるため、オープンソース移植ではなく、個人開発による非公式な移植プロジェクトという位置付けになります。

まだアルファ版であり、完成版の『スタークラフト』と同じように遊べるわけではありません。それでも、PCエミュレーションを介さず、30年以上前の68K Amiga上でCPU戦が成立するところまで移植されているのは、かなり興味深い試みといえるのではないでしょうか。

今後はサウンドやキャンペーン、マルチプレイ、CPUの思考ルーチンなどがどこまで実装されていくのかにも注目です。

via.GenerationAmiga

『スタークラフト完全日本語版』をウィンドウズ10で完璧に動かす方法を見つけたので共有します!
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