GD-ROM特殊なフォーマットを採用しているということもあり、『ドリームキャスト』のソフトの吸い出しには実機が必要になります。しかし、これにはやや癖があり、全ての 『ドリームキャスト』 に対応しているわけではありません。MIL-CDと呼ばれる規格のCDの脆弱性を利用したものであるため、そちらに対応した機種に限られます。
そちらについては、下記の記事を参考にしてみてください。
具体的なソフトの吸い出し方法には、「ブロードバンドアダプター」を利用したものと、特殊なSDカードアダプターを利用した2種類があります。前者はプレ値が付いているものもありますが、オークションでは比較的安い物も見かけました。
後者はアマゾンで1000円台~3000円台あたりで販売されています。今回はこのSDカードを使用した方法をご紹介していきます。ちなみに、最初に注文した物は1000円台とかなり安かった物の、中国から送られてくるため4月上旬になってしまう可能性があるということで、すぐに付く方を後で追加で購入しました。
それがこちらの『DC用バックアップツール SDカードアダプター [SRPJ2111]』です。2020年3月15日時点の価格は、3852円。
Dreamcast SD Rip ver1.1から.cdiファイルを作成する
最初にやらなければいけないのが、リッピング用のツールであるディスクを作るために、下記のサイトから「Dreamcast SD Rip ver1.1」をダウンロードして解凍しておきます(dcsdrip11というフォルダが現れる)。
●Dreamcast Serial Port & FT232BM
次に、「BootDreams」というツールをダウンロードして解凍します。「BootDreams」を起動すると、下記のような画面が出るので、「Browse」をクリックして先ほどの「dcsdrip11」を選択。「Disc format」のところを「Data/Data」にして「Process」をクリックしましょう。こちらで「dcsdrip11.cdi」というファイルを作るのですが、わかりやすいようにデスクトップに保存しておきましょう。
次に、「DiscJuggler Demo Edition」をダウンロードしてインストールします。特に登録などもせずに、デフォルトのままでインストールしていけばOKです。インストールが完了したら、『DiscJuggler』を起動しましょう。デモ版などで数秒待たされますが、下記のようなメニューが表示されます。
この中から、「Brun disc images」を選んで、OKをクリックします。
「Source & Destination」のタブで、Sourceに先ほど作成した 「dcsdrip11.cdi」 を選択(ドラッグ&ドロップでもOK)。次に「Advenced」のタブでModeを「Mode 2」、Blockを「2352」、Miscのところの「RAW write」にチェックを入れておきます。あとは「Start」を押せばOKです。
Windows10の64bitなどでは、 『DiscJuggler』が上記の方法ではうまくいかないことがあります。その場合は、こちらから『ImgBurn』というライティングソフトをダウンロードしてインストールしましょう。こちらでライティングするときは、ベリファイのチェックは外しておきます。
ちなみに最新バージョンはアドウェアが入っていることから、ウイルス判定されて上手く動作しないことがあります。その場合は古いバージョンを入手して試してみましょう。
とりあえず出来上がったCDを『ドリームキャスト』本体にセットして、下記の画面が出てきたら成功です。
実機で吸い出し開始
先ほど起動した『Dreamcast SD Rip ver1.1』のメニューから、必要に応じて使えるように「BIOS ROM」と「FLASH MEMORY」を選んで吸い出しておきます。
続いてゲームの吸い出しですが、こちらはメニューから「GD-ROM all track」または「GD-ROM all track」のどちらか好きな方を選んでOKです。いずれか選択後、ディスクをゲームに入れ替えてボタンを押すとリッピングが開始されます。
吸い出しに掛かる時間は、1枚あたりおおよそ30~40分ほどです。
完了したら、ディスクを取り出しましょう。何かボタンを押すと再びメニューが表示されます。
この状態でSDカードの中身をいったんクリアしておき、新たなゲームディスクを入れてボタンを押すことで、再びリッピングがスタートします。