※こちらの記事は発売当初メディアに掲載されたものをベースに、一部リライトを行ったものです
1997年に発売した『DIABLO』で全世界を席巻したBlizzard Entertainmentが、その次に新たなムーブメントを作り出したのが『スタークラフト』だ。1998年に英語版が発売され、1999年7月9日にようやくシナリオなどをローカライズした『スタークラフト完全日本語版』が発売されている。
本作は、1998年にもっとも遊ばれたゲームとしても各国で評価されているリアルタイムストラテージシミュレーションだ。『ウォークラフト』で培った技術とノウハウをさらに進化。従来までのシミュレーションゲームで用いられていた2極対立という構造をさらに複雑化し、まったく異なる能力を持った3種族間での争いを実現させている作品だ。
PGL(※1)によるプロリーグも開催されており、今にも繋がるeスポーツブームのきっかけとも言えるタイトルである。
種族ごとのストラテージをとことん追求しよう
『スタークラフト』の心地よいところは、ほかのシミュレーションゲームと比較して、建物やユニットを作るために必要な「資源を集める」といった内政部分を簡略化しているところだ。その分ユニットを速く作り出すことができ、戦術に専念することができるのである。
この戦術も、選んだ種族やマップによって変化。これまでに数多くのプレーヤーにより戦術が編み出されている。また、マルチプレイでは最大8人で対戦が行え、チーム戦による激しい戦いが日夜くり広げられていた。
ちなみに、この日本語版は英語版とはパッチのバージョンが異なり、一緒に遊ぶことはできなかった。その代わりといってはなんだが、バージョンアップで使えなくなってしまった戦術も利用でき、ある種ガラパゴス的な楽しみ方ができたのも思い出深い。
ゲームを育てるスタクラプレーヤーの熱意!
一時期はバトルネットに人があふれんばかりに来ていたが、本作が発売される頃には、『FSGS』(※3)と呼ばれるサーバエミュレーターを利用した個人サーバーでゲームが行われることが多かった。
これは、海外でのユーザーが極端に増えすぎたために、もはやバトルネットの収容能力ではゲームを快適に遊べなくなったといったことが主な理由だ。
※1
PGL(PROFESSIONAL GAMER’S LEAGUE)
賞金を賭けたプロゲーマーのリーグ。『スタークラフト』以外にも、『QUAKE II』などのリーグもあった。当時の優勝賞金は1万ドル。
※2
バトルネット
『DIABLO』や『スタークラフト』に対応した無料のゲームサーバー。
※3
■FSGS(FREE STARCRAFT GAME SERVER)
バトルネットコンパチのサーバーを個人で運営することができるフリーのエミュレーターソフト。『DIABLO』と『スタークラフト』に対応していた。
ゲーム概要
タイトル:スタークラフト完全日本語版
メーカー:ソース
対応ハード:Windows95/98/NT
ジャンル:シミュレーション
発売日:1999年7月9日
価格:9800円(税別)
必須環境 CPU:Pentium 90MHz以上
メモリ:16MB以上
HD空き容量:80MB以上
CD:2倍速以上(推奨4倍速以上)
ディスプレイ解像度:640×480 256色
サウンド:DirectX 2.0以上に対応したサウンドカード
© 1998 by Blizzard Entertainment