Wii向けに開発が進められている非公式ドリームキャストエミュレーター『NullDC4Wii』のAlpha 0.801が、2026年10月31日に公開されました。今回注目したいのは、開発者のBenoitAdam氏が『ストリートファイターIII 3rd STRIKE』について、フルスピードでプレイできるようになったと報告している点です。
10月25日に公開されたAlpha 0.800から6日ぶりの更新となり、新たなキャッシュモードの追加や描画関連の修正などが行われています。
● NullDC4Wii – Alpha 0.801(GitHub)
https://github.com/BenoitAdam/nullDC4Wii/releases/tag/alpha0.801
● NullDC4Wii 互換性表(WiiBrew)
https://wiibrew.org/wiki/NullDC4Wii/Compatibility
『ストIII 3rd STRIKE』がフルスピードで動作すると報告
今回のリリースで大きな話題となっているのが、ドリームキャスト版『ストリートファイターIII 3rd STRIKE』の動作改善です。開発者はこれまでの調整を経て、同作がようやくフルスピードでプレイ可能になったと報告しています。
WiiBrewに掲載されている互換性表でも、同作のWiiでの評価が「Supported」とされており、Alpha 0.801での推奨設定として「CACHE_NORMAL+」が指定されています。グラフィック設定には「LOW」が挙げられているほか、240p表示を試すことも案内されています。
ただし、互換性表で確認できるゲームデータは欧州版(GDI/EU)です。今回の報告は開発者側の検証結果であり、日本版を含むすべてのゲームデータやプレイ場面で同じ速度・安定性が得られると保証されたわけではありません。
新しいキャッシュモード「NORMAL+」を追加
動作改善に関係する変更点のひとつが、新たに追加されたテクスチャキャッシュモード「NORMAL+」です。従来の「NORMAL」と「QUALITY」の中間に位置付けられています。
このモードでは、テクスチャを構成する映像メモリー上のデータが一部でも書き換わると、必要に応じてテクスチャを再生成する仕組みが導入されています。キャラクターの画像を細かく更新する『ストIII 3rd STRIKE』や『Guilty Gear X』などで、表示の正確さと処理速度の両立を図るものです。
互換性表では『ストIII 3rd STRIKE』に「NORMAL+」が必須と明記されており、今回の進展を支える重要な設定となっています。また、『Guilty Gear』と『ストIII 3rd STRIKE』のゲーム別プリセットも更新されました。
色の表示や終了処理も修正、外部ランチャー連携に試験対応
描画関連では、色の表示を修正する「TLUT_FIX」が標準で有効になりました。これにより、一部で発生していた色の不具合の改善が図られています。
このほか、エミュレーターの終了時にまれに発生する可能性があった、Bluetooth関連の深刻な問題への対策も実施。外部アプリからゲーム名やプリセットを引数として渡して起動する機能も、実験的に追加されました。開発者は外部ランチャー「Riftwii」からドリームキャストのゲームを直接起動する用途を想定しています。
一方、ドリームキャスト側の時計をWiiの時計に同期させる機能については、現時点で正常に動作していないため、標準では無効になっています。
ゲームごとの互換性には引き続き注意
当サイトでは9月に公開されたAlpha 0.68についても紹介しましたが、当時はDDR向けの操作方式や複数タイトルの動作改善が中心でした。今回のAlpha 0.801では、『ストIII 3rd STRIKE』のフルスピード動作という、特定タイトルでの実用的な進展が注目ポイントになっています。
もっとも、『NullDC4Wii』は現在も開発途中のAlpha版です。タイトルによって動作速度や描画、音声などの互換性に違いがあり、開発者も今回の更新をもって完全な互換性を保証しているわけではありません。試す場合は互換性表を確認し、BIOSやゲームデータについても適切に入手したものを利用する必要があります。




















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