レトロゲーム機の映像を現代のディスプレイに出力する高性能ビデオプロセッサー『RetroTINK-4K』に、ちょっと面白い機能が追加されました。
●RetroTINK-4K Experimental Firmware v1.75.0
https://retrotink-llc.github.io/firmware/4k-experimental.html
●RetroTINK-4K公式製品ページ
https://www.retrotink.com/shop/retrotink-4k
2026年8月16日に公開された実験版ファームウェア「Version 1.75.0」では、USBおよびHD-15ポートを利用したシリアル制御インターフェイスが大幅に拡張されています。これに対応したWebアプリ『RT4K-Remote』を利用することで、RetroTINK-4KのOSDをPC上にほぼリアルタイムで表示し、そのまま各種設定を操作できるようになっています。
RetroTINK-4Kといえば、レトロゲーム機から入力された映像を最大4K/60fpsで現代のテレビやディスプレイへ出力できる高性能スケーラーです。ピクセルパーフェクトなスケーリングやCRTシミュレーション、各種アナログ/デジタル入力などに対応しており、レトロゲーム環境ではかなり高機能な映像機器として知られています。
最初の機能は、Live Menu OSDのミラーリングです! RT4KをコントロールしているデバイスからTVが見えない場合に便利です。
RT4K-Remoteがこれをサポートするように更新されました:https://rt4k-remote.pipe.hr
ファームウェアの素晴らしい更新を継続して提供してくれてありがとう、@retrotink2 🔥
本体のOSDをPC側にほぼリアルタイム表示
今回とくに面白いのが、PIPe氏が公開しているWebアプリ『RT4K-Remote』との組み合わせです。
●今回の機能を実際に利用するWebアプリ:RT4K-Remote
https://rt4k-remote.pipe.hr/
RetroTINK-4KをUSB、またはHD-15のUART経由でPCに接続し、『RT4K-Remote』へアクセスすることで、本体の各種設定をPC側から操作できます。さらにファームウェアv1.75.0への対応によって「Live Menu OSD mirroring」が利用可能になりました。
これにより、RetroTINK-4K本体が生成しているOSDの内容を、そのままPCのWebブラウザー上に表示できます。単にリモコン代わりに操作できるだけではなく、入力信号の状態表示やRetroTINK-4Kの設定メニューなどもPC側に表示されるため、画面を見ながら各項目を操作することが可能です。
RetroRGBが実際に試したところ、RetroTINK-4KとPCアプリ間の遅延は数フレーム程度だったとのこと。ゲーム映像そのものがPCへ送られるわけではありませんが、RetroTINK-4K側で生成されているOSDについては、ほぼリアルタイムに確認できたとしています。
ディスプレイに映像が出ない状態でも設定できる
この機能が役立ちそうなのが、出力解像度や表示モードを細かく調整するときです。たとえばRetroTINK-4Kでカスタム解像度を設定している途中、接続しているテレビやモニターがその信号に対応していなければ、一時的に映像が表示されなくなることがあります。
これまでは表示が消えてしまうと設定を戻すのが面倒なケースもありましたが、PC側にOSDを表示できれば、接続しているディスプレイとは別に設定画面を確認できます。RetroRGBでは例として、CRTへダウンスケール出力するためのカスタム解像度を、CRT側の電源を入れる前に設定するといった用途を挙げています。
映像環境を頻繁に変更したり、複数のディスプレイやCRTを使い分けているユーザーにとっては、かなり便利な機能になりそうです。
USBシリアル通信も大幅に高速化
v1.75.0ではシリアル制御そのものにも大きな変更が加えられています。これまでUSBシリアル通信のデフォルト速度は115,200bpsでしたが、新バージョンでは2,000,000bpsへ引き上げられました。
また、USBだけではなくHD-15ポートでもシリアル制御インターフェイスが大幅に拡張されています。RetroTINK公式によると、このインターフェイス向けのサンプルソフトウェアやドキュメントについては今後公開する予定とのことです。
つまり今回の『RT4K-Remote』だけではなく、今後シリアルインターフェイスを利用した別のツールやアプリが登場する可能性もありそうです。
バナー表示も強化
v1.75.0では、このほかバナー表示機能にも手が加えられています。バナー画像が8bitパレット方式で動作するようになり、24bit BMPは自動的にパレット化される一方、8bit BMPについては画像内に保存されているパレットを直接利用するようになりました。
FPGA内部のBRAM使用量を減らしながら画質も改善されており、廉価モデルの『RetroTINK-4K CE』でもProと同等品質のバナー表示が可能になっています。またHDRを有効にした場合は、バナー画像の色も自動的に補正されます。
現在は「Experimental Firmware」なので注意
ただし、今回のv1.75.0は正式版ではなく「Experimental Firmware」、つまり実験版として公開されているファームウェアです。RetroTINK公式も、ここで配布されているファームウェアについて、正式リリース前のものであり正常動作は保証されず、機能も開発途中の場合があると注意を呼びかけています。
そのため、安定性を優先したいユーザーは正式版を利用し、新機能を試したい場合のみ実験版を導入したほうがよさそうです。高性能な映像スケーラーというだけではなく、PCと連携することで徐々に「外部から制御できる映像処理プラットフォーム」のような方向にも進化しつつある『RetroTINK-4K』。
今回追加されたシリアル制御機能を利用して、今後どのようなツールが登場するのかにも注目したいところです。
via.RetroRGB















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