Tiger Electronicsが1997年に発売した携帯ゲーム機「game.com」。同機向けに開発されながら発売中止になった『Turok: Dinosaur Hunter』のゲームプレイ映像が発掘されました。映像を発見したのはYouTubeチャンネル「Nostalgic Aubrey」で、1997年に放送されたゲーム情報番組「Cybernet」の映像から見つかったものです。2026年8月20日にはRetro Dodoもこの発見について報じています。
game.comは、モノクロ液晶を採用した携帯ゲーム機でありながら、タッチスクリーンやスタイラス、2本のカートリッジスロット、さらには別売りモデムを利用したインターネット接続機能などを備えていた意欲的なハードです。最終的に発売されたソフトは20本ほどにとどまりましたが、『バイオハザード2』『ソニックジャム』『Mortal Kombat Trilogy』『Duke Nukem 3D』など、当時の人気タイトルも移植されていました。
その一方で、発売予定に挙がりながら日の目を見なかったタイトルも数多く存在しています。『悪魔城ドラキュラX 月下の夜想曲』『メタルギアソリッド』『Command & Conquer: Red Alert』などと並び、『Turok: Dinosaur Hunter』もgame.com向けタイトルとして発表されていましたが、最終的に発売されることはありませんでした。game.com専門サイト「The end of the game.com」にも、未発売タイトルのひとつとして本作の名前が記録されています。
今回発見された映像で興味深いのは、game.com版『Turok: Dinosaur Hunter』が一人称視点のシューティングゲームとして制作されていたことが実際のゲーム映像から確認できる点です。後にゲームボーイやゲームボーイカラー向けに登場した『Turok』シリーズの2D作品とは大きく異なり、NINTENDO64版などで知られるFPSとしての『Turok』を携帯機上で再現しようとしていたことがわかります。

実はgame.com版『Turok』の存在自体は以前から知られていました。1997年12月発売の海外ゲーム誌「GamePro」111号には開発中の画面写真が掲載されており、2016年には未発売ゲームを扱うUnseen64も、この画面写真とともに「Cybernetの古いエピソードで映像が紹介されていたようだ」と記録しています。つまり今回の発見は、長年存在が語られながら簡単には見ることができなかった映像が、約30年を経て再び日の目を見たということになります。
また、game.comには実際に『Duke Nukem 3D』が発売されており、同ハードで一人称視点のゲームを動かす試みそのものが存在しなかったわけではありません。今回の映像は、限られた性能やモノクロ液晶を持つ携帯ゲーム機で、『Turok』のようなFPSをどのように表現しようとしていたのかを知るうえでも貴重な資料といえそうです。
ただし、game.com版『Turok』が発売中止になった理由については、現時点ではハード性能だけが原因だったと断定できる資料は確認できません。Tiger ElectronicsでWeb Marketing Directorを務めていたBrian Rubash氏は過去のインタビューで、同社では発表されたものの発売されなかったタイトルが多数存在し、ライセンス上の問題やプログラム上の問題など、さまざまな理由でゲームがキャンセルされていたと振り返っています。
現時点ではgame.com版『Turok: Dinosaur Hunter』のROMやプロトタイプそのものが公開されたわけではありません。それでも、これまで雑誌に残された数少ない画面写真などでしか確認できなかった未発売タイトルが、実際に動いている姿を確認できるようになったという意味で、今回発掘された映像はゲーム史的にも興味深い資料となりそうです。
via.RetroDoDo















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