PS Vita向け非公式移植『DELTARUNE Vita』v0.79公開! Chapter 3のミニゲームなどでクラッシュを修正、描画処理も改善

PS Vita向け非公式移植『DELTARUNE Vita』v0.79公開! Chapter 3のミニゲームなどでクラッシュを修正、描画処理も改善

『DELTARUNE』をPS Vitaで動作させる非公式プロジェクト『DELTARUNE Vita』の新たな開発版「v0.79」が、2026年10月26日に公開されました。開発を手掛けているのはWolffsRoom氏です。今回のアップデートでは、PS Vitaのグラフィック機能を直接利用する「Native GXM」の安定性が改善され、Chapter 2・3・5の場面切り替え時に発生していたGPUクラッシュなどが修正されています。

また、Chapter 3のゲーム内ミニゲームで発生していたクラッシュや、一部の場面で黒い壁が表示される問題にも対処。従来の描画環境である「VitaGL」に実装されていた機能の一部も、Native GXMで利用できるようになっています。

ただし、今回公開されたv0.79は、一般向けの安定版ではなく、内部開発テスト用のプレリリースです。開発者は、PS Vita実機で描画の不具合やフリーズ、性能低下、GPUクラッシュなどが発生する可能性があると説明しています。

●『DELTARUNE Vita』開発元・リリースページ
https://github.com/WolffsRoom/DeltaruneVita/releases

●更新履歴(Brewology)
https://store.brewology.com/vita/whatsnew.php

Chapter 2・3・5で発生していたGPUクラッシュを修正

今回のアップデートで大きく改善されたのが、Native GXMを使用した際の安定性です。

これまでChapter 2・3・5では、別の場面へ移動するときにGPUクラッシュが発生する問題がありました。原因のひとつとなっていたのが、画像データを管理する「テクスチャ」の解放処理です。

従来は、GPUがまだ画像データを使用しているにもかかわらず、そのデータが早い段階で解放されてしまう場合がありました。特に、場面の切り替えに合わせて背景や画面装飾などの画像が入れ替わる際に、この問題が発生していたとのことです。

v0.79ではテクスチャを解放するタイミングが見直され、GPU側の処理が完了するまでデータを保持するように修正されています。これにより、開発者の更新履歴ではChapter 2・3・5の場面切り替え時に発生していたGPUクラッシュが修正されたと報告されています。

Chapter 3のミニゲームで発生していた強制終了にも対処

Chapter 3については、ゲーム内に登場するビデオゲーム風のミニゲームに関する修正も行われました。

これまでNative GXMでは、一部の図形や画像を描画するための処理が実装されておらず、ミニゲーム中に「C2-12828-1」というエラーが発生して強制終了する問題がありました。

今回の更新では、図形の頂点情報や色、テクスチャを使用した描画処理などが新たに実装され、このエラーによってゲームが終了する問題が修正されたとのことです。

また、Chapter 3の一部の部屋で黒い壁が表示されてしまう問題にも対処しています。こちらは画像の透明度を扱う処理などが原因となっており、描画方法を変更することで改善が図られています。

さらに、Chapter 3のボードカメラで使用されるグレースケール表示についても、Native GXM向けのシェーダーが実装されました。

ただし、これらは開発者が更新履歴で報告している修正内容です。当サイトでは実機による動作検証を行っておらず、ミニゲーム全体が問題なく動作することを確認したものではありません。

Native GXMでも画面フィルターやトロフィー機能などに対応

『DELTARUNE Vita』では、これまで「VitaGL」を利用した描画環境を中心に開発が進められてきました。

一方、Native GXMはPS Vitaのグラフィック機能を直接利用する新しい描画環境です。今回のv0.79では、v0.78以降に非公開でテストされていたNative GXMの改良が統合され、従来のVitaGLにあった機能への対応も進められています。

具体的には、走査線を再現する「Scanlines」や「VHS」などの画面フィルターに対応したほか、PS Vitaのトロフィー機能やゲーム内のトロフィー獲得通知、PlayStationボタンの表示なども利用できるようになりました。

また、画像データを一時保存して再利用するテクスチャキャッシュの処理にも変更が加えられています。必要なデータを事前に生成しておくことで、ゲーム中に画像を読み込む際の負担を軽減する仕組みです。

このほか、文字の行間やフォントの表示位置、画面装飾の表示条件なども調整されており、VitaGLとNative GXMの機能差を縮めるための修正が行われています。

Chapter 5の最終戦闘も改善。ただし、描画や性能面の問題は残る

Chapter 5では、最終戦闘に関する描画処理にも修正が加えられました。

特定の場所を通過したセーブデータを読み込んだ際、内部の設定が正しく初期化されず、最終戦闘で塔を描画する処理が実行されない問題がありました。v0.79では、この設定を適切に初期化することで対処しています。

もっとも、Native GXMの開発が完了したわけではありません。

開発者が公開している既知の問題には、現在も以下のようなものが挙げられています。

  • Native GXMでは、一部のオブジェクトが表示されない場合がある
  • Chapter 5の最終戦闘では、背景が変化する場面などでフレームレートが低下する
  • Chapter 1の一部の戦闘後に、BGMが再開しない場合がある
  • Chapter 3のランキング用エリアやミニゲーム、Chapter 4の一部の部屋では、目標フレームレートに達しない場合がある

今回修正されたChapter 3のミニゲームについても、強制終了の原因となっていた問題には対処したものの、フレームレートの低下は依然として残されています。

つまり、今回のアップデートはゲーム全体の快適な動作を保証するものではなく、問題をひとつずつ解消していくための開発版という位置付けです。

安定動作に向けて開発が進む『DELTARUNE Vita』

今回公開されたv0.79では、Native GXMの安定性を高める修正に加え、VitaGLに実装されていた機能の移植も進められています。

以前、当サイトで紹介したv0.74では、Modern-GLを利用してChapter 5の照明や影などを再現する取り組みが中心でした。それに対して今回のv0.79では、新しい描画環境で発生していたクラッシュの修正や、ゲーム内の機能を正しく動かすための改良が進められている点が特徴です。

v0.79の配布ファイルは「Deltarune-v0.79.Internal-Build-Test.vpk」で、内部ビルド番号はv0.79-1です。ゲームの設定画面からVitaGLとNative GXMを切り替えることもできます。

なお、このプロジェクトは公式のPS Vita版ではなく、配布ファイルに『DELTARUNE』本体の商用ゲームデータは含まれていません。導入には正規に入手したPC版のゲームデータなどが必要となるため、詳しい条件については開発元のREADMEを確認してください。

現時点では、すべてのChapterを問題なくクリアできるかどうかも未確認です。今後、Native GXMの描画やパフォーマンス面の問題がどこまで解消されていくのか、引き続き開発状況を見ていきたいところです。

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