PS Vita向けに『DELTARUNE』を移植する非公式プロジェクト「Deltarune Vita」の新たな内部開発版「v0.74」が、2026年9月16日に公開されました。今回のバージョンでは、実験的に開発が進められている「Modern-GL」を中心に描画処理が改善されており、Chapter 5の街で照明や影を描画するGameMakerシェーダーの実装などが進められています。
ただし、v0.74は通常ユーザー向けの正式な安定版ではありません。GitHub上でも「Internal Development Build」「Pre-release」と明記された内部テスト向けのバージョンとなっており、バグやクラッシュ、グラフィックの欠落、パフォーマンス問題などが発生する可能性があります。導入する場合は、この点に注意が必要です。
●Deltarune Vita v0.74 Release
https://github.com/WolffsRoom/DeltaruneVita/releases/tag/v0.74
Chapter 5の照明や影をModern-GLで描画
v0.74で大きく手が入れられたのが、「Modern-GL」とGameMakerシェーダー周りの実装です。Chapter 5に登場する街の照明や影をはじめ、GameMaker側で使用されているシェーダーの再現が引き続き進められています。
公開ページでは、Chapter 5の「room_town_mid」を例に、Legacy-GLとModern-GLで描画した状態の比較画像も掲載されています。Modern-GLを使用することで、従来の描画方式では再現できていなかった照明や影の表現が追加されていることが確認できます。
また、外部PNG画像や画面のボーダー、フォント、インターフェース用グラフィックなどの描画経路も修正されています。さらに、テクスチャの常駐管理やサーフェス処理、負荷の高い部屋や戦闘で問題を調査するための診断機能などにも改善が加えられました。グラフィック設定からシェーダーを切り替えた際の処理についても修正されています。
もっとも、Modern-GL自体は現在も「experimental(実験的)」という位置付けです。Deltarune Vitaでは通常プレイには従来のLegacy-GLが推奨されており、Modern-GLはまだ調整段階にあります。ただし開発者は、今回Chapter 5で得られた結果については有望であるとしています。
Chapter 3の写真撮影処理なども修正
Chapter 3についても修正が行われています。サーフェスをコピーするときに使用する垂直方向の領域が見直され、ゲーム内の写真撮影処理もその対象となりました。
また、「Round 2」のグレースケール表示をテストするための写真用シェーダーも、Legacy-GL側のシェーダーリストに追加されています。
このほか、フォント周辺ではアクセント付き文字の表示やサイズ、Chapter 5用フォントとのベースライン調整などが行われました。Modern-GL使用時に画面四隅のボーダーが左右・上下反転してしまう問題など、細かなUI表示についても修正が加えられています。
Chapter 5は依然として高負荷。動画が再生されない場合も
一方で、今回のアップデートによってChapter 5が快適に遊べるようになったわけではありません。
既知の問題として、Chapter 5の動画再生時にPS Vita側の「SceAvPlayer」が連続した21MiBのメモリー領域を確保できず、最初のフレームが表示される前に映像再生が失敗する場合があります。この状態でも、音声だけは再生されることがあるとのことです。
また、Chapter 3~5にある負荷の高いシーンでは、現在もフレームレートの低下やロード中の停止が発生する可能性が残されています。特にChapter 5はプロジェクト全体の中でも負荷が高い章とされており、複雑なシーンや戦闘ではメモリー不足やパフォーマンス低下が発生する可能性があります。
今回のv0.74では、テスト用VPK「Deltarune-v0.74.Internal-Build-Test.vpk」が配布されています。v0.73で生成したゲームデータやテクスチャキャッシュは、そのまま利用可能です。
ただし、配布物には『DELTARUNE』本体の商用ゲームデータや楽曲、Chapter用動画などは含まれていません。Deltarune Vita自体も、正規に入手したSteam版『DELTARUNE』のデータを利用することを前提とした非公式移植プロジェクトです。
今回のv0.74はあくまで内部開発版ですが、PS Vita上で再現が難しいChapter 5の照明や影といった描画表現に、Modern-GLで対応しようとしている点は興味深いところです。今後、Modern-GLの安定性やメモリー管理の改善が進み、正式版側へどこまで成果が取り込まれていくのかにも注目したいところです。















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