海外版ファミコン「NES」にCDドライブを追加!DIY装置『NESCD-001』の設計とファームウェアが公開

海外版ファミコン「NES」にCDドライブを追加!DIY装置『NESCD-001』の設計とファームウェアが公開

海外版ファミコンにあたる「Nintendo Entertainment System(NES)」にCD-ROMドライブを追加するという、なんともユニークなDIYプロジェクト『NESCD-001』が公開されました。

●NESCD-001 GitHub
https://github.com/ThroatyMumbo/NESCD

開発したのはThroaty Mumbo氏で、2026年8月29日にGitHubでプロジェクトを公開。回路図やPCB、3Dプリント用の筐体データなどに加えて、その後ファームウェアやサンプルROMも追加されています。さらに8月30日には、一般的な音楽CDをNESで再生するためのROMも新たに公開されました。

もちろん任天堂が開発した公式周辺機器ではありませんが、単なる「NESにCDドライブを載せてみた」という外観だけの作品ではありません。実際にCDからゲームROMを読み込み、NESで起動できるところまで作り込まれています。

NESの下にCD-ROMドライブを合体!

『NESCD-001』は、前面からカートリッジを挿入する北米版NESの下側に設置する形で作られています。内部では「RP2350B」を搭載した基板を中心に、一般的な40ピンIDE接続のCDドライブと「EverDrive N8 Pro」を組み合わせています。

この構成で重要なのが、『NESCD-001』自体がCDからゲームプログラムを直接実行しているわけではないという点です。

CDへ収録されたiNES形式のNES用ROMをRP2350Bが読み出し、それをUSB経由でEverDrive N8 Proへ転送。EverDrive側にゲームを読み込ませてからNES上で起動するという仕組みになっています。

つまり、PCエンジン CD-ROM²やメガCDのように、ゲームプログラムをCDから随時読み込みながら動作する一般的なCD-ROMゲーム機とは少し仕組みが異なります。

NESとCDドライブの間をRP2350Bが仲介し、EverDriveをゲーム実行用のカートリッジとして利用しているというわけです。

ゲーム中にCD音源を鳴らすことも可能

しかし、『NESCD-001』が面白いのは単にCDをゲームROMの保存媒体として利用しているだけではありません。ゲーム側からCDに収録された音楽を呼び出す仕組みも用意されています。

ゲームからEverDriveのCHR RAM上に設けられたメールボックス用のバイトへ要求を送り、それをRP2350Bが監視。指定されたCD音源を再生するという仕組みです。CD側から出力された音声はNES底面の拡張ポートを利用して本体の音声とミックスされます。

そのため、ゲーム自体は通常のNES用ROMとして動かしながら、BGMなどにCD音源を使用するといったことも可能になっています。プロジェクト動画では、「Super Mario Bros. CD edition」と題したデモも披露されています。

普通の音楽CDをNESで再生する機能も追加

さらに8月30日には、通常の音楽CDを再生するためのROMも追加されました。ゲームディレクトリをビルドすると生成される「cdplayer.nes」をEverDrive N8 ProのSDカードにコピーして起動し、CDドライブへ一般的な音楽CDを入れることで、NESをCDプレーヤーとして利用できます。

ゲームとはまったく関係のない機能ではありますが、NESの下に搭載されたCDドライブを見ていると、むしろ真っ先に思い付きそうな使い方でもあります。開発者自身もプロジェクトページで、動画制作時にはこの用途を思い付かなかったと説明しています。

回路図から筐体までGitHubで公開

GitHubで公開されているのはソフトウェアだけではありません。『NESCD-001』のリポジトリには、回路図やPCBデータ、3Dプリンターで製作できる筐体用STLデータ、ラベル、ファームウェア、サンプルゲーム、さらにゲームディスクを作成するためのツールなどが含まれています。

ライセンスはMITとなっており、必要な部品や環境を用意すれば、自分で同様の装置を製作できる形になっています。ただし、完成品や組み立てキットが販売されているわけではありません。CDドライブやEverDrive N8 Proなどを含め、必要な機器や部品は自分で調達する必要があります。

当然ながら市販ゲームのROMなども付属していないため、利用するROMについてもユーザー自身が適切に用意する必要があります。また、今回公開されている筐体は北米型NESを前提に設計されており、日本の初代ファミコンへそのまま取り付けられることは確認されていません。

発想の元になったのは幻のSNES用CD-ROMアドオン

Throaty Mumbo氏によると、このプロジェクトを思い付いたきっかけは、かつて計画されながら発売には至らなかったSNES用CD-ROMアドオンについて読んだことだったそうです。当初はSNES向けのものを自分で作ろうと考えたものの、それよりさらに変わったものとして、ひとつ前の世代であるNESへCDドライブを追加することにしたと説明しています。

なお、プロジェクト動画で披露されているFMV関連のコードについては、今回のGitHubには含まれていません。FMVを実現する際にSomething Nerdy Studiosが開発した非公開技術を部分的に解析して利用したため、第三者の非公開コードを公開することは避けたと開発者は説明しています。

また、CDを挿入してゲームを起動したあと、EverDriveのメニューへ戻るためにNESを自動的にリセットする方法についても、現時点では解決していません。

実機での幅広い互換性や安定性などについても未知数ではありますが、1980年代に登場したNESへ、40年以上後になってCDドライブを追加するという発想だけでもかなりインパクトのあるプロジェクトです。

しかも外観だけではなく、ゲームROMの読み込みからCD音源の再生、さらには音楽CDプレーヤーまで実際に動作する仕組みとして作られているところが、『NESCD-001』最大の面白さといえそうです。

via.TechEBlog

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