『戦国エース』『ガンバード』『ストライカーズ1945』など5作対応! MiSTer FPGA向け彩京コアがタイミング収束済みRBFを公開

『戦国エース』『ガンバード』『ストライカーズ1945』など5作対応! MiSTer FPGA向け彩京コアがタイミング収束済みRBFを公開

MiSTer FPGA向けに開発が進められている「Psikyo core」で、リリース基準のタイミング検証を通過した新しいRBF「Arcade-Psikyo_20260830.rbf」が、2026年8月31日に公開されました。

●Psikyo core releases
https://github.com/ppriest/Arcade-Psikyo_MiSTer/tree/master/releases

●プロジェクトページ
https://github.com/ppriest/Arcade-Psikyo_MiSTer

このコアは、彩京が1990年代にリリースした初期のアーケード基板をMiSTer FPGA上で再現することを目的としたものです。プロジェクト自体は8月22日から公開されており、それ以前にも動作するRBFは存在していましたが、今回はFPGAのリリース用タイミングゲートを初めて回避設定なしで通過。あわせて映像やROMロード、音声関連にも複数の修正が加えられています。

『戦国エース』から『戦国ブレード』まで5作品に対応

現在「Psikyo core」が対応しているのは、彩京が1993年から1996年にかけて発売した以下の5作品です。

  • 『戦国エース』(Samurai Aces)
  • 『ガンバード』(Gunbird)
  • 『バトルクロード』(Battle K-Road)
  • 『ストライカーズ1945』(Strikers 1945)
  • 『戦国ブレード』(Sengoku Blade: Sengoku Ace Episode II/海外名Tengai)

『戦国エース』『ガンバード』『ストライカーズ1945』など、現在でも知名度の高い彩京シューティングがひとつのMiSTerコアでカバーされているのが大きな特徴です。配布フォルダーには、それぞれの作品に対応するMRAファイルも収録されています。

リリース用のタイミング検証を初めてクリア

8月30日19時32分50秒UTC、日本時間では8月31日4時32分50秒に行われたコミットでは、Quartusによるビルドでseed 10714を使用し、worst clk_sys slackがプラス0.076ns、TNSが0となったことが報告されています。

開発者によれば、これはリリース用に設定されているタイミングゲートを、オーバーライドなしで初めて通過したビルドとのことです。

ここでいう「タイミング収束」は、FPGA内部の回路が設定されたクロック条件を満たしていることを示すものです。そのため、オリジナルのアーケード基板と完全なサイクル単位で一致したことを意味するものではありません。

今回の更新では、単にタイミング検証を通過しただけではなく、実際のゲームプレイに関係する修正も加えられています。

映像関連では、スプライトのスナップショットをフレーム途中ではなく垂直帰線期間に取得するよう変更。これにより、処理負荷が高いフレームで発生していたスプライトの揺れや表示の乱れが修正されています。

さらにROMローダーをワンショット動作に変更し、ROMロード中に画面回転処理が進んでしまうことで発生していた分割フレームの問題にも対処。音声についても、ADPCM-A/ADPCM-BのSDRAMアクセスを優先する変更が行われています。

OPL4やハイスコア保存、高速ROMロードにも対応

現行のコアには、SH404基板で使用されるYMF278B/OPL4のPCM処理も実装されています。このほか、ハイスコアの自動保存やDDRを利用した高速ROMロード、HDMI出力時の画面回転など、MiSTer向けコアとして利用するための機能も組み込まれています。

一方で、GitHubのREADMEにあるStatus/Todoには、現在も「タイミング未収束による軽微な描画問題や音の歪み」といった以前の状態を示す記述が残っています。そのため、今回のRBFを「完成版」や「完全再現」と捉えるのはまだ早そうです。

開発にはAIを大幅に活用。実機MiSTerでも動作を検証

この「Psikyo core」で特徴的なのが、開発にAIが大幅に利用されている点です。開発者はREADMEの「AI Attestation」で、コーディングエージェントを利用して開発を進めたことを明記しています。

ただしAIにすべてを任せているわけではなく、MAMEでの彩京ハードウェア開発経験をもとに、メモリーダンプの解析やデバッグ、AIへの指示などを行いながら開発したと説明しています。

検証についても、MAMEの実装や各種テストを参照するだけではなく、実際のDE10-Nano上で対応タイトルを動作させ、MAMEとの比較を行っているとのことです。オリジナル基板上のカスタムチップを実物と個別に比較した「基板レベルでの検証」までは行われていません。この点についても開発者自身が明記しています。

RBFとMRAはGitHubで公開中

今回の「Arcade-Psikyo_20260830.rbf」は、「Arcade-Psikyo_MiSTer」のGitHubリポジトリ内にあるreleasesフォルダーから入手できます。

MiSTerへの導入は、RBFを「_Arcade/cores」に、MRAファイルを「_Arcade」以下に配置する方式です。ゲームROMそのものは配布物には含まれておらず、利用にはユーザー自身が正当に利用できる適切なROMデータを用意する必要があります。

なお、この「Psikyo core」はMiSTerや彩京から公式に提供されているものではなく、コミュニティーによって開発されている非公式のFPGAコアです。

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