Analogue Pocket向けの非公式管理ツール「Pocket Sync」の最新版となる「v6.4.0」が、2026年8月30日に公開されました。今回のアップデートでは、各openFPGAコアの開発にAIが使われている可能性を示す「AI-ness score」の表示機能が追加されています。このほか、3D表示されるAnalogue Pocket本体にSupreme風のカラーとデボス表現を適用する機能も追加されました。
●pocket-sync
https://github.com/neil-morrison44/pocket-sync/releases/tag/v6.4.0
「Pocket Sync」は、neil-morrison44氏が開発しているAnalogue Pocket向けの非公式GUIツールです。Windows、Mac、Linuxに対応しており、openFPGAコアの参照や設定、インストール、セーブデータのバックアップ/復元、スクリーンショットの管理などを行うことができます。AGPL-3.0ライセンスで公開されているオープンソースプロジェクトです。
openFPGAコアの「AI-ness score」を表示
今回のv6.4.0で最も興味深い変更が、各openFPGAコアに対してAI関連のスコアを表示する機能です。この機能はPull Request #479として追加され、2026年8月29日にPocket Sync本体へマージされました。また、設定から表示自体をオフにすることもできます。
Pocket Syncでは内部的に、この値を「AI-ness score」として扱っています。ただし、ここで重要なのは、この数字が「コアの何パーセントがAIによって作られたか」を示しているわけではないということです。
Pocket Syncが利用している判定データは、「openfpga-library」で公開されている「openfpga-ai-check」というプロジェクトから取得されています。openfpga-ai-checkでは、コアに対して複数のチェックを行い、それぞれの結果に応じてAI scoreへポイントを加算したり減算したりする仕組みが採用されています。
つまり、ソースコードそのものを解析して「この部分はAI生成」と正確に割り出しているわけではなく、公開されている開発履歴などからAI利用の可能性を推定するための指標です。Pocket Sync側でも、このスコアについて「rough guide only」、つまりあくまで大まかな参考値であることが明記されています。
AIを使った割合を表す数字ではない
openfpga-ai-check自体も、まだ発展途上の仕組みです。現在のAI scoreには上限が設定されていませんが、将来的には0~1の範囲に収めることが予定されています。開発側が想定しているのは、完全に“vibe-coded”されたコアを「1」、一部のPull RequestなどでAIが利用されたものについては、それより低い値にするというものです。
また、誤ってAI利用度が高いと判定された場合に備えて、将来的にはコア開発者からの申し出によってチェック結果を補正できるホワイトリストのような仕組みも検討されています。
そのため、「AI製のコアを見分けられる」「AI生成コードの割合が分かる」といったものではなく、あくまでAIを利用して開発された可能性を判断するための参考情報と考えるのがよさそうです。
Pocket Syncでは、スコアが0より大きいコアについて一覧上に「AI」と表示する仕組みも実装されています。
FPGAコアのアップデーターや管理ツールはこれまでも多数登場していますが、開発にAIが使われている可能性そのものをGUI上から確認できるようにするというのは、かなり変わった機能といえます。
Supreme風カラーとデボス表現も追加
v6.4.0ではもうひとつ、Pocket Sync内で3D表示されるAnalogue Pocket本体に、Supreme風のカラーリングとデボス表現を追加する機能も実装されています。こちらはPull Request #480として2026年8月30日にマージされたものです。
ただし、Supremeのロゴそのものが追加されているわけではありません。開発者のneil-morrison44氏は、ロゴについてはfair useにはならないとの判断から追加しておらず、Analogueのロゴを3Dモデルに入れていないのと同様の扱いであると説明しています。
そのため、Supremeとの正式なコラボレーションや公式テーマではなく、あくまでSupreme風のカラー表現として追加されたものになります。
FPGA開発と生成AIの関係が管理ツール側にも
Pocket Syncは以前からAnalogue Pocket向けのアップデーター/管理ツールとして開発が続けられており、2026年8月13日には前バージョンのv6.3.2が公開されていました。
v6.3.2ではWindows関連の修正や、Releaseが存在しないOpenFPGA Libraryのコアを除外する変更などが行われており、今回のAI score機能は含まれていませんでした。
生成AIを利用したソフトウェア開発そのものは珍しいものではなくなってきていますが、それがFPGAコアの開発にも広がるなかで、今度はアップデーター側が「どの程度AIが使われている可能性があるのか」を可視化しようとしているところが今回の面白いポイントです。
もっとも、その評価方法はまだ調整段階であり、Pocket Sync自身も参考値であることを強調しています。
今後openfpga-ai-checkの判定方法がどのように整備されていくのか、そしてこうしたAI関連情報を表示する仕組みがほかのopenFPGA向けツールにも広がっていくのかも気になるところです。















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