2026年8月29日、RedditユーザーのOdd-Rice551氏が、SuperStation One/MiSTer向けに開発を進めている非公式の「DVDコア」について新たな進捗を公開しました。
8月24日にお伝えした段階では、実際のDVDディスクから基本的な映像と音声を同期して再生するところまで動作していたものの、DVDメニューやISOファイルの再生、CRTへの出力などは未完成となっていました。
ところが今回の更新では、それらの機能が一気に動作する段階まで進展。Odd-Rice551氏自身も、この時点での完成度について「80パーセント」と評価しています。
DVDメニューやISOファイルの再生が動作
今回大きく進展したもののひとつが、DVDメニューへの対応です。Odd-Rice551氏によると、メニュー内を前後に移動できるほか、アニメーションや静止画を使ったメニューについても動作するようになったとのこと。
さらに、前回はまだ利用できなかったISOファイルの再生にも対応。今回Redditに掲載されたデモ動画も、実際のDVDディスクではなくISOファイルから再生していると説明しています。操作系についても、MiSTer側のコントローラーマッピングに加えて、SuperDockに付属するリモコンを含めて利用できる状態になっています。
前回の記事では、コントローラーやSuperDock付属リモコンへのボタン割り当てまでは確認されていましたが、DVDメニューやISO再生まで組み合わせることで、一般的なDVDプレーヤーに近い使い方ができるところまで近づいてきたといえそうです。
CRTではフルスピード再生。PAL/NTSCもリアルタイム切替
もうひとつ大きな進展となっているのがCRTへの対応です。前回の開発報告時点ではCRT出力は今後の目標のひとつとして挙げられていましたが、今回の報告ではCRTでもフルスピードでDVDを再生できるようになったとのこと。
PALとNTSCの切り替えについても、DVDを再生しながらリアルタイムで変更できるようになっています。
また、CRT向けのフリッカー低減機能も実装されており、とくにPAL環境では揺れて見えていたラインを安定させる効果があると説明しています。
ただし、CRTでのインターレース表示についてはまだ問題が残っており、この段階で完全に解決したわけではありません。映像と音声の同期についても開発者は良好と評価しているものの、まだ幅広いソフトやハードウェアを使った検証は行われていないとのことです。
そのため、環境によるズレを補正できるよう、OSDから5ミリ秒単位でタイミングを調整できる機能も用意するとしています。
さらに開発が進み、現在はクローズドベータ段階へ
実は、この「80パーセント」と報告した投稿のあとにも開発は進んでいます。Odd-Rice551氏はその後、「DVD Core Update #2. Closed Beta!」と題した新たな投稿を公開。現在は少人数によるクローズドベータテストの参加者を募集する段階まで進んでいます。
最新の投稿では、実DVDとISOの再生に加えて、SDカードやUSBストレージ上にあるISOファイルの自動検出、音声チャンネルの切り替え、CRT向けの画像安定化機能、5ミリ秒単位の音声調整などが動作項目として挙げられています。
さらに、実際のDVDからISOファイルを作成するリッピング機能や、DVDを選択して起動するための簡易的なCore Launcher画面も追加されています。
投稿には「Auto detect region」という機能も記載されていますが、これがDVD-Videoのリージョンコードを含めてどこまで対応しているのかなど、具体的な仕様については現時点では明らかになっていません。
字幕やHDテレビ向けアップスケーリングは今後の課題
一方で、まだ完成していない機能も残されています。字幕については次の「V2」での対応が予定されているほか、HDテレビ向けのアップスケーリングについても、Odd-Rice551氏が当初想定していたようには動作していなかったことが判明。こちらも今後のバージョンで対応する可能性が示されています。
音声については複数トラックの切り替えが最新ビルドで追加されていますが、現時点での出力はステレオで、サラウンド音声には対応していません。
また、開発者自身の環境で行われた検証が中心であることから、DVDタイトルやDVDドライブ、PAL/NTSC環境の違いなどを含めた幅広い互換性については、これから確認されていくことになります。
Odd-Rice551氏は今回、PAL/NTSC環境やCRTなどを所有しているユーザーを中心にクローズドベータの参加者を募集。テスト結果をもとに不具合を修正したあと、金曜日を目標にパブリックベータへ移行したいとしています。ただし、これはあくまで開発者が示した予定であり、現時点で一般向けに正式公開されたわけではありません。
なお、このDVDコアはRetro Remakeによる公式機能ではなく、コミュニティユーザーによる非公式プロジェクトです。すべての処理をFPGAだけで行うものでもなく、DVDの読み込みやデコードをARM側、映像・音声の出力をFPGA側で処理する構成となっています。
Odd-Rice551氏はAI支援ツールを利用した、いわゆる「vibe coded」のプロジェクトであることも明かしています。わずか数日の間にDVDメニュー、ISO再生、CRT出力からクローズドベータまで進んでおり、今後は実際のユーザー環境でどこまで安定して動作するのかが注目点になりそうです。
via.Reddit















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