MiSTer FPGA向けに開発が進められているレーザーディスクゲーム用コア「Arcade-LaserdiscGames_MiSTer」が、2026年8月30日に更新されました。
●Arcade-LaserdiscGames_MiSTer
https://github.com/MiSTer-devel/Arcade-LaserdiscGames_MiSTer
今回の更新では、新たに『Dragon’s Lair(ドラゴンズレア)』の「Enhanced」v1.1用MRAが追加されたほか、「LaserdiscGames_20260830.rbf」が公開。さらに、レーザーディスク映像の場面切り替え時に映像や音声が早く途切れてしまう問題を調整するための仕組みも導入されています。
8月23日に掲載した前回の記事では、『ドラゴンズレア』と『スペースエース』に対応した「LaserdiscGames」コアがRBF公開段階まで進んだことを紹介しました。
今回の更新は新しいゲームが追加されたというよりも、『ドラゴンズレア』の別セットへの対応と、レーザーディスクゲーム特有のシーン切り替えをより自然にするための改良が中心となっています。
『Dragon’s Lair (Enhanced)』v1.1用MRAが追加
公式リポジトリの「Alternative Sets」には、新たに「Dragon’s Lair (Enhanced).mra」が追加されています。
MRA内部でのゲーム名は「Dragon’s Lair (Enhanced)」、バージョンはv1.1となっており、ROMセットとして「dle11.zip」を指定。プログラムROMとして以下の4ファイルが要求されています。
- dle11u1l.bin
- dle11u2l.bin
- dle11u3l.bin
- dle11u4l.bin
なお、MRA内部には「homebrew=no」「bootleg=no」といった記述がありますが、これだけを根拠にEnhanced v1.1 ROMの由来や公式性を判断することはできません。
また、MRA内部の「mratimestamp」は2026年7月3日になっていますが、このMRAが公開リポジトリへ追加されたのは8月30日です。内部タイムスタンプと公開日が異なる点にも注意が必要です。
8月30日版RBF「LaserdiscGames_20260830.rbf」も追加
今回の変更に合わせて、リポジトリ内の「releases」フォルダーには「LaserdiscGames_20260830.rbf」も追加されています。前回の記事以降、同フォルダーには8月23日、25日、27日、30日の日付を持つRBFが追加されており、開発がかなり細かいペースで進められていることがわかります。
なお、ここでいう「releases」はGitHubの「Releases」機能を利用した正式な配布パッケージではなく、リポジトリ内に用意されたフォルダー名です。
シーク時に映像や音声が早く切れる問題を改善
8月30日の更新でもうひとつ注目したいのが、レーザーディスク映像の場面切り替え処理です。『ドラゴンズレア』のようなレーザーディスクゲームでは、ゲーム側から別のフレームへ移動する「シーク」が頻繁に発生します。
これまでの処理では、シーク要求を受け取ると映像側もすぐに切り替える仕組みになっていました。しかしソースコードのコメントによると、実際の映像・音声処理のパイプラインには約60~100ミリ秒の遅延があり、シーク開始時点でも直前の映像や音声がまだ処理途中で残っています。
その状態ですぐに映像を切り替えてしまうと、シーンの最後が十分に再生されないまま早めに途切れてしまう場合があります。
そこで8月30日の最初の修正では、シーク要求を受けた後も3フィルムティック分だけ現在の映像再生を継続し、パイプライン内に残った映像と音声をある程度流し切ってから実際のシークを実行する処理が追加されました。
さらにその後の更新では、この待ち時間を固定値ではなく、MRA側からゲームごとに指定できるように変更されています。
ゲームごとに切替タイミングを指定可能に
新しい仕組みでは、MRAの「rom index=”1″」に記述された2バイト目を使って、シーク実行まで何フィルムティック待つかを指定できます。ソースコードのコメントでは、「0」が従来と同じ即時切り替え、「5」が約208ミリ秒に相当すると説明されています。
現在のMRAでは、通常版『ドラゴンズレア』と『スペースエース』が「3」に設定されているのに対して、『Dragon’s Lair (Enhanced)』は「1」に設定されています。つまり、すべてのゲームを同じタイミングで処理するのではなく、それぞれのROMやゲームの挙動に合わせて、場面切り替え時に残す映像・音声の長さを調整できるようになったわけです。
見た目にはわずかな違いかもしれませんが、アニメーション映像そのものがゲーム画面になっているレーザーディスクゲームでは、シーンの終端が早く切れるかどうかはプレイ時の印象にも関わってきます。
ROMやレーザーディスク映像は別途必要
「LaserdiscGames_20260830.rbf」や各MRAは、MiSTer-develの「Arcade-LaserdiscGames_MiSTer」リポジトリから入手できます。手動で導入する場合は、RBFをMiSTerの「/_Arcade/cores」へ、MRAを「/_Arcade」以下へ配置します。
ただし、今回追加されたEnhanced版を利用する場合も、MRAが要求している「dle11.zip」などのROMデータや、レーザーディスクの映像・音声データはリポジトリには含まれていません。これらは利用者側で適法に用意する必要があります。
また、今回の更新でシーン切り替え処理に改善が加えられていますが、実機との幅広い比較や、すべての場面における再生タイミングの正確性までは確認されていません。
前回のRBF公開からわずか1週間ほどですが、Enhancedセットへの対応に加えてレーザーディスク再生部分にも細かな調整が入り始めました。まだ発展途上のコアではあるものの、実際のゲームプレイ時の違和感を減らす段階へと開発が進んできたといえそうです。
















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