開発中の『マリオカート64』ではカメックが参戦していた! E3 1996向け初期映像をVGHFがデジタル化

開発中の『マリオカート64』ではカメックが参戦していた! E3 1996向け初期映像をVGHFがデジタル化

ゲーム史の保存活動を行っている非営利団体「Video Game History Foundation」(VGHF)が、E3 1996に向けて用意された任天堂のプレス用映像から、開発中の『マリオカート64』を紹介する映像を公開しました。

●VGHF Digital Archive:Nintendo 64 B-roll, E3 1996
https://archive.gamehistory.org/item/6bcb8cf1-c1fe-4239-a3ff-0e79a9ca5b2d

●VGHF:初期E3資料のデジタル化について
https://gamehistory.org/e3-history/

当時のタイトルは『Super Mario Kart R』。製品版とは異なるタイトル画面やキャラクターアイコンに加えて、カメックがプレイアブルキャラクターとしてレースへ参加している様子も収録されています。

任天堂のE3 1996 B-Roll(最近VGHFによってデジタル化されたもの)の一部には、当時Super Mario Kart Rとして知られていたMario Kart 64の初期映像が含まれています。このクリップでは、異なるタイトル画面、異なるキャラクターアイコン、そしてプレイアブルレーサーとして登場するMagikoopaのカメックが見つかります。

開発中のタイトルは『Super Mario Kart R』

VGHFは2026年8月17日、公式Xで約1分間の映像を公開しました。これは、任天堂が1996年のE3に向けて報道関係者へ配布したBロール映像を、新たにデジタル化したものです。

映像の冒頭に登場するタイトルは、製品版でおなじみの『マリオカート64』ではなく『Super Mario Kart R』。背景やロゴの構成も製品版とは大きく異なり、マリオやクッパ、ワリオなどのキャラクターが大きく描かれています。

レース画面も製品版とはさまざまな違いがあり、画面左側に縦一列で表示される順位表や、キャラクターのアイコン、速度計を備えたHUDなど、開発途中ならではのデザインを見ることができます。

製品版には登場しなかったカメックを確認

特に注目したいのが、カメックの存在です。VGHFは、この開発版ではカメックがプレイアブルレーサーとして登場していたと説明しています。

公開された映像では、紫色のローブをまとったカメックのアイコンが順位表に表示されているほか、紫色のカートに乗ってコースを走行する姿も確認できます。

1996年12月14日に日本で発売された製品版『マリオカート64』の参戦キャラクターは、マリオ、ルイージ、ピーチ、キノピオ、ヨッシー、ワリオ、ドンキーコング、クッパの8人です。開発版に登場していたカメックは最終的に姿を消し、製品版ではドンキーコングが参戦しています。

ただし、カメックがドンキーコングへ直接置き換えられたのか、その理由が何だったのかについては、今回のVGHFの発表では明らかにされていません。映像から確実に分かるのは、開発途中の段階でカメックがレーサーとして実装されていたという点です。

カメックが『マリオカート』シリーズで正式にプレイアブルキャラクターとなったのは、2021年の『マリオカート ツアー』です。つまり、『マリオカート64』開発版への登場から約25年後に、ようやく正式参戦を果たしたことになります。その後、2023年には『マリオカート8 デラックス』にも追加されています。

1996年5月14日付のプレス用VHSを保存

今回の映像が収録されていたのは、「Nintendo 64 B-roll, Electronic Entertainment Expo 1996」と題されたVHSテープです。VGHFの資料によると、発行日はE3 1996開幕直前の1996年5月14日となっています。

テープには『Super Mario Kart R』以外にも、以下のNINTENDO 64用タイトルの開発中映像が収録されています。

  • 『スーパーマリオ64』
  • 『スター・ウォーズ/帝国の影』
  • 『パイロットウイングス64』
  • 『キラーインスティンクト ゴールド』
  • 『ウエーブレース64』
  • 『ブラストドーザー』
  • 未発売となったNINTENDO 64版『Kirby’s Air Ride』
  • 『スターフォックス64』

このテープは、初期のE3を撮影していたAnthony Parisi氏からVGHFへ寄贈されたものです。Parisi氏自身は、いつ、どのような経緯でテープを受け取ったのかを覚えていないものの、E3会場で配布された可能性が高いとされています。

VGHFは2026年7月、Parisi氏が保存していた初期E3関連映像など、約12時間分のビデオを再デジタル化して公開しました。今回紹介された『Super Mario Kart R』の映像も、この保存活動でデジタル化されたものです。

製品版として完成したゲームだけでなく、開発途中のタイトル画面やキャラクター構成、UIの変遷まで確認できる点は、こうしたプレス用映像を保存する大きな価値といえます。もしカメックがそのまま採用されていたら、『マリオカート』シリーズの歴史も少し違ったものになっていたかもしれません。

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