MiSTer FPGA向けの代替フロントエンド『Degauss』の最新版となる「Degauss 0.3.0」が、2026年8月31日に公開されました。
●Degauss 0.3.0
https://github.com/giancarloerra/Degauss/releases/tag/v0.3.0
●Degauss GitHub
https://github.com/giancarloerra/Degauss
今回のアップデートでは、新たにテーマ機能が追加されたほか、USBストレージやネットワーク上に保存したゲームの自動検索、システム単位でのゲームリスト再構築、フォルダーごとのカーソル位置記憶など、実際の使い勝手に関わる機能が大幅に強化されています。
『Degauss』は新しいゲームコアを追加するものではなく、MiSTerでゲームを探して起動するための「入口」にあたる部分を置き換えるフロントエンドです。

MiSTerのゲームライブラリーをそのまま利用できるフロントエンド
『Degauss』は、giancarloerra氏が開発しているMiSTer FPGA向けの非公式フロントエンドです。MiSTer標準メニューと同じゲームフォルダーを読み込む仕組みになっており、既存のフォルダー構成を大きく変更したり、専用ライブラリーへゲームを登録し直したりする必要はありません。
すでに用意されているアートワークやgamelist.xmlのメタデータにも対応しており、従来からリスト、詳細、タイル、カルーセルといった複数の表示方法や検索機能、MiSTer互換のお気に入り機能などを備えています。また、常駐サービスやバックグラウンドプロセスを必要としない点も特徴です。

USBやネットワーク上のゲームを自動的に検索
v0.3.0で特に実用的な追加となっているのが、外部ストレージへの対応です。起動時に以下の場所が自動的に検索されるようになりました。
/media/usb0/games~/media/usb5/games/media/network/games/media/fat/cifs/games- SDカード内のゲームフォルダー
これはMiSTer標準のローダーと同じ検索順になっています。同じシステムのフォルダーが複数の保存先に存在する場合は、この順番で最初に見つかったものが使用されます。
たとえばUSBストレージとSDカードの両方に同じシステムのゲームフォルダーが存在する場合、USB側が先に見つかれば、そちらの内容がDegauss上に表示されるというわけです。
MiSTerで大量のゲームを扱っている人の中には、SDカードだけではなくUSBストレージやNASなどへゲームを分散させているケースもあります。こうした環境でも、保存先を個別に設定せず利用しやすくなったのは大きな変更といえそうです。

変更したシステムだけゲームリストを再構築可能に
もうひとつ便利になったのが、ゲームリストの再構築です。これまでもDegaussにはゲームライブラリーをインデックス化する機能が用意されていましたが、v0.3.0ではコンテキストメニューに「Rebuild this system list」が追加されました。
これにより、ゲームを追加したシステムだけを選んでリストを作り直すことができます。たとえばスーパーファミコンのゲームだけを追加した場合、ほかのシステムまで含めた全体の再構築を行う必要はありません。現在表示しているシステムだけを更新できるため、頻繁にゲーム構成を変更する環境では使いやすくなっています。

3種類のテーマと新しいフォントを追加
見た目を変更するテーマ機能もv0.3.0から追加されています。標準で用意されているテーマは以下の3種類です。
- Amber
- Mono
- Blue-Orange
テーマは.tomlファイルで管理されており、配色などを変更することも可能です。さらに、新たなフォントとして「Smooth 2」と「Pixel 2」が追加されました。操作面では、左右入力に割り当てる機能も変更できるようになっています。
スクロール速度の変更に加えて、文字単位の移動、ページ単位の移動、方向入力から選択可能です。
また、各フォルダーで最後に選択していたゲームを記憶する機能も追加されています。一度別のフォルダーやシステムへ移動したあとで戻ってきても、以前選んでいたゲームへカーソルが戻るようになりました。ゲーム数が多い環境ほど恩恵を感じやすい機能でしょう。
標準のMiSTerメニューと置き換えることも共存させることも可能
DegaussはGitHubのReleaseページからMiSTer用ZIPをダウンロードして導入できます。標準メニューの代わりとして起動したい場合は、ファイルをSDカードへコピーしたうえで、MiSTer.iniの[MiSTer]セクションに以下の設定を追加します。
main=degauss/MiSTer_Degauss
設定後にMiSTerを再起動すると、通常のメニューの代わりにDegaussが起動します。ゲーム終了後もDegaussへ戻るようになります。元の標準メニューへ戻したい場合は、このmain=の行を削除すればOKです。
一方で、標準のMiSTerメニューを残したまま利用することもできます。この場合はmain=を設定せず、MiSTerのOSDから「Scripts → degauss」を選択することで、必要なときだけDegaussを起動できます。
ただし、この方法ではゲーム終了後に戻る画面はDegaussではなくMiSTerの標準メニューになります。
update_allを利用したアップデートにも対応
DegaussではDownloader用のデータベースも提供されており、update_allを使ってほかのMiSTer関連ファイルと一緒に更新することもできます。
/media/fat/downloader.iniへDegauss用のデータベースを追加しておけば、以降はupdate_allまたはDownloaderから更新可能です。
ただし、Degaussを標準メニューの代わりとして起動するためのMiSTer.iniのmain=設定については、自動では追加されません。こちらは手動で設定する必要があります。
また、v0.3.0では設定ファイルなどの保存場所がScripts/.config/degaussへ変更されました。旧バージョンからアップデートした場合は、初回起動時に設定やインデックスなどが自動的に新しい場所へ移行されます。
MiSTerで大量のゲームを管理している人ほど注目のアップデート
MiSTerでは対応するゲーム機やアーケード基板のコアが増え続けている一方、ゲームライブラリーが大きくなるにつれて「目的のゲームをどうやって探すか」という部分も重要になってきます。
DegaussはMiSTerのゲームフォルダーをそのまま利用しながら、ゲーム選択画面だけを別のスタイルへ置き換えられるのが特徴です。
今回のv0.3.0ではテーマの追加だけではなく、外部ストレージの自動検索やシステム単位のリスト再構築、カーソル位置の記憶など、大量のゲームを扱う環境ほど便利になりそうな改善が盛り込まれています。
Degauss 0.3.0はGitHubから無料でダウンロード可能です。ソースコードも公開されていますが、ライセンスは非商用利用を条件とする「PolyForm Noncommercial 1.0.0」となっているため、一般的なOSI準拠のオープンソースソフトウェアとは区別しておいたほうがいいでしょう。















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