ドリームキャスト用PowerVRテクスチャ変換ツール『pvrstudio 1.1』公開! 圧縮後の実データを再デコード表示

Dreamcast用PowerVRテクスチャ変換ツール『pvrstudio 1.1』公開! 圧縮後の実データを再デコード表示

ドリームキャスト向けのPowerVRテクスチャを表示・変換するためのデスクトップツール『pvrstudio 1.1』が、GitHubで公開されました。

●pvrstudio GitHubリポジトリ
https://github.com/spacestate1/pvr-studio

こちらはドリームキャスト本体上で動作するアプリではなく、ホームブリューなどの開発時にPC上でテクスチャ素材を作成するためのツールです。PNG、JPEG、BMP、TGAといった一般的な画像を読み込み、Sega形式の「.pvr」やpvrtex形式の「.dt」に変換することができます。既存のPVR/DTファイルを読み込むことも可能です。

実際に圧縮したデータを再デコードして表示

『pvrstudio 1.1』で特徴的なのが、変換結果のプレビュー方法です。画面左側には変換元の画像、右側にはエンコード後のテクスチャが表示されますが、単純に「変換するとこう見える」とシミュレーションしているわけではありません。

実際に生成したエンコード済みのバイト列をもう一度デコードし、その結果を右側に表示する仕組みになっています。そのため、16bitカラーへの量子化やVQ圧縮などによって発生した画質の変化を、実際に出力されるデータに近い状態で確認できます。

ドリームキャスト向けのテクスチャを作成するときに、「元画像では問題なかったものの、変換したら見え方が変わってしまった」といった問題を事前に確認しやすいのがポイントです。

Qt6版とGTK4版を用意。コマンドライン変換にも対応

GUIにはQt6版とGTK4版のふたつが用意されています。ただし、テクスチャの変換処理自体を各GUIが個別に行っているわけではなく、共通の「pvrcore.c」を利用する構造になっています。同じ画像と設定なら、Qt6版とGTK4版のどちらを使用しても同一の出力バイト列が生成されると説明されています。

また、X11とWaylandの両方に対応。GUIを開かず、コマンドラインからPVRやDTファイルを生成することもできるため、SSH環境や自動変換処理などで利用することも可能です。

変換方式については、SegaのKatana SDKに含まれていた「pvrconv」の処理を再実装したエンコーダーに加えて、Dreamcast向けのオープンな開発環境KallistiOSで利用されている「pvrtex」も選択可能です。

「.dt」ではVQ圧縮に対応しているほか、128×512などの非正方形テクスチャも扱えるようになっています。

現在はソースからのビルドが必要

2026年8月31日時点では、GitHub Releasesにビルド済みの実行ファイルは公開されていません。READMEではDebian/Ubuntu、Fedora、Arch Linux向けのビルド方法が案内されており、Qt6またはGTK4の開発環境を用意して「make」でビルドする形になっています。Windows版やmacOS版については、現時点では対応を確認できません。

そのため、一般ユーザーがダウンロードしてすぐ利用するタイプの完成アプリというよりも、ドリームキャストのホームブリュー開発者などを対象とした新しいソースプロジェクトと考えたほうがよさそうです。

ライセンスについては注意点も

ライセンス文書では、pvrstudio独自に作られた「pvrcore.c」やQt/GTKのフロントエンドなどについてMIT Licenseが適用されていますが、プロジェクトに含まれるすべてのファイルが同じ条件というわけではありません。

たとえば「file_dctex.h」はpvrtexから収録したファイルで、上流側にライセンスファイルが存在しないため、再配布条件が確認できていないことが明記されています。

また「pvr.c」「pvr.h」については、Sega Katana SDKの「pvrconv.exe」を逆コンパイルして得られたアルゴリズムをもとにした再実装であり、クリーンルーム方式による実装ではないことも説明されています。ライセンス文書でも、基礎となったアルゴリズムについて第三者の権利が存在しないことを保証するものではないとされています。

そのため、プロジェクト全体を単純に「MIT Licenseで自由に使えるソフト」と考えるのではなく、とくに再配布や別プロジェクトへの組み込みを行う場合はLICENSEの内容を確認しておいたほうがいいでしょう。

ドリームキャストのホームブリュー開発では専用形式へのテクスチャ変換が必要になることがありますが、『pvrstudio 1.1』はSega系のPVRとpvrtex系のDTをひとつの環境で扱い、さらに実際のエンコード結果をその場で確認できるという、なかなかユニークな開発ツールとなっています。

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