【書評】単なるカタログとはひと味違うメガドラファン必見の新たなバイブル『メガドライブパーフェクトカタログ』

日本国内よりも、むしろ海外で大きな成功を収めたのがセガの『メガドライブ』です。筆者も当時このハードを持っていた記憶だけはあるのですが、それ以上の印象がなにも残っていません。どちらかというと、国内で『スーパーファミコン』や『PCエンジン』のほうに話題が集まっていた気がします。

さて、この『メガドライブパーフェクトカタログ』は、これまで多くのレトロゲーム系の書籍を執筆してきた前田尋之による『メガドライブ』のカタログ本です。ハードはもちろんのこと、日本で発売されたゲームを年代別に紹介。海外で発売されたゲームも一部紹介されているほか、日本未発売のタイトルのみリスト化してくれているため、資料としても役立ちそうです。

この手の書籍を手に取る度にがっかりするのは、その内容の薄さですね。作り手に「カタログ本」だから、ゲームを網羅してキャプションに毛が生えた程度の紹介文を添えておけばいいだろうという感覚で作られているのかもしれませんが、なんとも味気なく読んでいてもまったく面白みが感じられないものがほとんどと言えます。

しかし、本書は単なるカタログ本では終わっておらず、とくにハード部分に関してはかなり細かく紹介が行われています。また、『メガドライブ』ではどんな機能があり、それをゲームでどのように活かしていたのかという紹介も盛り込まれており、読み物としても十分に楽しめる内容です。

レトロゲームが大好きで、これから『メガドライブ』のことも調べてみようと思っている人は、とにかく入手しておいたほうがいいでしょう。筆者もこの本を熟読してから、『メガドライブ』に再び手を出してみるつもりです。

text.レトロゲームライター 高島おしゃむ

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高島おしゃむ
ライター/編集者。コンピューターホビー雑誌「ログイン」の編集者を経て、1999年よりフリーに。 現在はゲームやホビー、IT、XR系のメディアを中心に、イベント取材やインタビュー、レビュー、コラム記事などを執筆しています。