オープンソースで開発が進められているPlayStation 5(PS5)エミュレーター「SharpEmu」の互換性リストが更新され、2026年10月1日付で『ASTRO BOT』と『Demon’s Souls』がともに「Ingame」として登録されました。
いずれも単に起動やメニュー表示に成功したという段階ではなく、実際のゲームプレイ部分まで処理が進むことが確認されたものです。ただし、SharpEmuにおける「Ingame」は完全動作を意味するものではなく、現時点では描画やパフォーマンスなどに大きな問題が残されています。
●SharpEmu Compatibility
https://sharpemu.app/compatibility/
●SharpEmu Blog
https://sharpemu.dev/blog/
『ASTRO BOT』『Demon’s Souls』がそろって「Ingame」に
SharpEmuの公式互換性ページでは、ゲームごとの動作状況を「Nothing」「Boots」「Menus」「Ingame」「Playable」に分類しています。
このうち「Ingame」は、ゲームプレイ部分まで到達するものの、大きな問題が残っている状態を指します。一方の「Playable」は、軽微な問題、あるいは問題がほぼない状態で最後までプレイできるものとして区別されています。
10月1日に登録された『ASTRO BOT』は、SharpEmuビルド「a424a67」、ゲームバージョン1.018、Windows環境でテストされています。
『Demon’s Souls』については、SharpEmuビルド「36acf4a(main)」、ゲームバージョン1.004、Windows環境でのテスト結果が登録されました。いずれの報告でも、Ryzen 7 5800X3DとGeForce RTX 4070 SUPERを組み合わせたPC構成が記載されています。
PS5を代表するタイトルとして知られる両作品が、起動画面やメニューだけではなくゲーム内まで到達したことは、まだ研究・開発段階にあるSharpEmuの進展を見るうえでも興味深い結果です。

『ASTRO BOT』はAMD GPUでプレイ可能との報告。ただしNVIDIAには問題も
『ASTRO BOT』については、互換性レポートに「AMD GPUではプレイ可能だが、NVIDIAには問題がある」とする報告が掲載されています。
もっとも、同ページに掲載されているテスト環境自体はGeForce RTX 4070 SUPERとなっており、どのAMD GPUで動作を確認したのかなど、詳しい条件までは明らかにされていません。
そのため、現時点で「AMD GPUなら問題なく動作する」「NVIDIA GPUではプレイできない」と一般化するのは避けたほうがよさそうです。GPUやドライバー、SharpEmuのビルドなどによって結果が変わる可能性もあるため、あくまでも今回提出された互換性レポート上の情報として捉えておく必要があります。
なおSharpEmu公式ブログでは、今回の互換性登録に先立つ9月29日にも『ASTRO BOT』の進展が紹介されていました。ゲームプレイ部分では30fps、カットシーンでは60fpsまで動作したとしており、開発が進んでいる様子が公開されています。
今回10月1日付で「Ingame」として互換性データに登録されたことで、その進展が正式なテスト結果としても記録された形です。
『Demon’s Souls』もゲーム内へ。ただし動作はまだ重い
一方の『Demon’s Souls』も「Ingame」に到達しています。
10月1日付の最新互換性レポートでは、実際のゲーム内まで進めることが確認されているものの、いくつかの描画上の問題が残されているほか、パフォーマンスについても依然として重いと報告されています。
現時点では、快適にゲームを遊べる段階に到達したと考えるのは早そうです。
『Demon’s Souls』については以前からSharpEmuの開発対象のひとつになっており、8月にはUIや装備メニュー、3Dのキャラクタークリエイト画面まで描画できるようになったことなどが報告されていました。
そこからさらに処理が進み、今回ゲーム内まで到達した形です。
SharpEmuでは現在61タイトルのテスト結果を公開
SharpEmuは、C#を使ってゼロから開発されているオープンソースの実験的PS5エミュレーターです。Windows、Linux、macOSを対象としており、公式サイトでも現在は「Early development」と明記されています。
開発の主眼もゲームごとの個別対応というより、エミュレーション精度や基盤部分の構築に置かれています。
2026年10月2日時点の公式互換性ページでは、9,135タイトルを追跡しており、そのうち61タイトルについてテスト結果が登録されています。
内訳は「Nothing」が14本、「Boots」が20本、「Menus」が7本、「Ingame」が10本、「Playable」が10本となっており、ゲームプレイ部分まで到達しているタイトルは合計20本です。
もちろん、今回『ASTRO BOT』や『Demon’s Souls』が「Ingame」になったからといって、PS5タイトルをPC上で問題なく遊べる時代がすぐに来るというわけではありません。
それでも、比較的規模の大きいPS5タイトルがメニューの先まで進み、実際のゲーム内処理まで到達するようになったことは、SharpEmuの現在地を知るうえで分かりやすい進展といえます。
まだ実用性よりも研究・開発の色が強いSharpEmuですが、今後描画の不具合やパフォーマンスがどこまで改善され、「Ingame」から「Playable」へ移行するタイトルが増えていくのかにも注目です。















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