MiSTer FPGA向けに開発が進められている「Namco System 12」コアの大型アップデート「Beta 3」が公開され、アーケード版『鉄拳タッグトーナメント』が新たにプレイ可能になりました。
●XelaNotPu「Namco System 12 – MiSTer – Beta 3」
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今回のアップデートを公開したのは、MiSTer FPGA向けに「Namco System 11」や「System 12」などのFPGAコアを開発しているXelaNotPu氏。今回のBeta 3は、同氏によるとSystem 12コアが公開されて以来、最大規模のアップデートになっています。
アーケード版『鉄拳タッグトーナメント』に対応
今回最大の目玉となっているのが、『鉄拳タッグトーナメント』への対応です。『鉄拳タッグトーナメント』は1999年にナムコからリリースされたアーケードゲームで、「Namco System 12」を採用しています。2000年にはPlayStation 2版も発売されましたが、今回MiSTer FPGAで再現されているのは、こちらの家庭用移植版ではなくオリジナルのアーケード版です。
実は『鉄拳タッグトーナメント』は、既存のSystem 12対応タイトルを追加するのとはかなり事情が異なっていたようです。
本作で使われている「M8F4」ROMボードには、「KC044 KEYCUS」に加えて追加のプログラマブルロジックが搭載されており、これまでSystem 12コアでは必要とされていなかった保護機構への対応が必要になりました。
ゲーム側から64bitのチャレンジデータを送り、それに対する正しいレスポンスを返す仕組みになっており、これが正しく動作しない場合は映像を初期化するところまで起動処理が進みません。
今回のコアでは、このチャレンジ&レスポンスの動作をアルゴリズムとして再現することで対応。保護チップなどから秘密情報をダンプして利用する方式ではなく、ハードウェアの振る舞いそのものをFPGA上で再現しています。
『鉄拳3』の2倍となる56MBのゲームROMにも対応
もうひとつ大きな問題になったのがROM容量です。『鉄拳タッグトーナメント』では、バンク切り替え方式のゲームROM領域として56MBを使用しています。これは、同じSystem 12で動作する『鉄拳3』の2倍にあたる容量です。
従来のメモリ配置では、この領域がサウンドエンジンや波形ROMに割り当てられていた部分と衝突してしまうため、Beta 3ではオーディオ関連のデータを2枚目のSDRAM側に移動しています。
そのため、MiSTer FPGAで『鉄拳タッグトーナメント』を動かす場合は、128MB SDRAMモジュールが必須となっています。
また、ゲームを起動できるようになった後にもROMデータが破損していると判定される問題が発生。こちらはSystem 12コア側ではなく、MiSTerのMRAローダーで32bitワードのインターリーブを使用したときに、データの半分がゼロとして読み込まれてしまうことが原因だったとのこと。
最終的にはバイト単位でデータを読み込み、コア内部で並べ直す方式に変更することで解決しています。
一気に14タイトル、36バージョンへ対応
Beta 3では『鉄拳タッグトーナメント』だけではなく、新たに以下のタイトルも追加されています。
- 『鉄拳タッグトーナメント』(4つの地域バージョン)
- 『アクアラッシュ』
- 『ミスタードリラー』(日本版)
- 『パカパカパッション』
- 『パカパカパッション2』
- 『パカパカパッション スペシャル』
これまで対応していた『鉄拳3』『ソウルキャリバー』『エアガイツ』『ファイティングレイヤー』『リベログランデ』『オーバキューン』などと合わせて、対応規模は14タイトル、36ゲームバージョンまで拡大しています。
『アクアラッシュ』については初回起動時にEEPROM関連で停止してしまう問題も修正されています。
CRTの表示位置をMiSTer側から調整可能に
ゲーム以外にも、Beta 3ではいくつか興味深い機能が追加されています。そのひとつが「CRT Adjust」です。アナログCRTに映像を出力している場合、MiSTer FPGAのOSDから、
- 水平方向のサイズ
- 水平方向の表示位置
- 垂直方向の表示位置
などをリアルタイムで変更できるようになりました。これにより、ゲームごとにCRT本体側の調整を行わなくても、MiSTer側から画面サイズや位置を合わせることができます。
この機能はデフォルトでは無効になっており、利用しない場合はHDMIを含めて従来の映像出力に影響はありません。
メガドライブ用パッドやNEOGEO系アーケードスティックにも対応
MiSTer FPGAのユーザーポートを利用した、DB9/DB15コントローラーのネイティブサポートも追加されています。対応しているのは、
- メガドライブ/Genesis用3ボタンコントローラー
- メガドライブ/Genesis用6ボタンコントローラー
- NEOGEO/SupergunタイプのDB15アーケードスティック
などです。
Antonio Villena製のスプリッターを使用することで、2人分のコントローラーをMiSTer FPGAのユーザーポートに接続することもできます。
ただし、開発者によると電気的・論理的なチェックは完了しているものの、スプリッターとアーケードスティックを組み合わせた実機での最終テストは、Beta 3公開時点ではまだ完了していないとのことです。
まだいくつかの制限もあり
Beta 3はかなり大規模なアップデートですが、いくつか既知の問題も残されています。『ソウルキャリバー』では実機との比較時に、音楽へわずかなノイズが混ざることが確認されており、現在も調査中です。
また、『ミスタードリラー』は日本版のみ収録。米国版では断続的に画面が点滅する問題が残されているため、現時点では公開されていません。『オーバキューン』についてもアトラクトモードまでは起動できるものの、ライトガンによる照準操作はまだ実装されていません。
それでも、つい先日『鉄拳3』からスタートしたばかりのNamco System 12コアが、早くも『鉄拳タッグトーナメント』まで動作するようになったのは大きな進展といえそうです。
XelaNotPu氏は今回のリリースについて、今後もSystem 12の開発を続けていくとしています。『鉄拳タッグトーナメント』への対応で複雑なハードウェアへの対応も進んだことから、今後どのタイトルが追加されていくのかにも注目です。















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