1990年代から2000年代にかけて、スーパーファミコン(SNES)エミュレーターの定番として人気を集めた『ZSNES』。そのオリジナル開発者らが再集結して開発している新世代版『SUPER ZSNES』の最新バージョン「v0.300」が、2026年8月18日に公開されました。
●SUPER ZSNES公式サイト/v0.300リリースノート・ダウンロード
https://www.zsnes.com/
●iOS版(App Store)
https://apps.apple.com/us/app/super-zsnes/id6786741278
今回のアップデートでは、『ゼルダの伝説 神々のトライフォース』へのEnhancement対応をはじめ、『クロノ・トリガー』のオーディオ強化、SA-1やCx4といった特殊チップのエミュレーション、新しい3D表示モードなど、かなり大規模な機能追加が行われています。さらに、これまで予告されていたiOS版もついにApp Storeで配信が開始されました。
GPUを活用してSFCゲームを拡張する『SUPER ZSNES』
『SUPER ZSNES』は、かつて『ZSNES』を開発したzsKnight氏と_Demo_氏らによって新たに開発されているスーパーファミコン向けエミュレーターです。
単純に昔の『ZSNES』を現代向けに改修したものではなく、ゼロから書き直された新しいエミュレーターとなっており、CPUやオーディオのエミュレーション精度も旧ZSNESから大きく改善。さらにPPUの処理にGPUを活用することで、高解像度Mode 7など独自の映像拡張を実現しています。
中でも特徴的なのが「Super Enhancement Engine」です。ゲームごとに高解像度グラフィックやテクスチャ、ノーマルマップ、ワイドスクリーン表示、オーバークロック、非圧縮オーディオへの置き換えなどを適用できる仕組みで、オリジナルのゲームをただ再現するだけではなく、現代的に“拡張して遊ぶ”ことをひとつのテーマにしています。

『神々のトライフォース』もEnhancement対応
v0.300では、新たに『ゼルダの伝説 神々のトライフォース』がEnhancementに対応しました。また、『クロノ・トリガー』にはtssf氏によるオーディオEnhancementが追加されています。これまで『F-ZERO』『スーパーマリオカート』『ロックマンX』『スーパーメトロイド』など、タイトルごとの専用Enhancementが少しずつ追加されてきましたが、今回もその対応範囲がさらに広がった形です。
Enhancement Engineそのものにも改良が加えられており、新たにShadow/Highlightsを追加。より幅広い陰影表現が可能になったほか、固定色レイヤーへのノーマルマップ対応も追加されています。
さらに、一部のEnhancement対応ゲームではワイドスクリーン表示時に画面端をミラーリングするモードが利用できるようになり、『ロックマンX』にも実装されています。

SA-1やCx4など特殊チップのエミュレーションも追加
エミュレーターとしての基本部分も大きく強化されています。今回、新たに「SA-1」「Cx4」「SuperFX3」のエミュレーションが追加されました。また、SPC700のタイミング改善、SuperFX関連の修正、画面描画途中で発生するスプライト更新処理の修正、各種タイミングやOpen Busに関するバグ修正なども実施されています。
特殊チップへの対応は、スーパーファミコンのゲーム互換性を広げていくうえで重要な部分です。公式側も『SUPER ZSNES』について「まだすべての特殊チップが実装されているわけではない」と説明しており、現在もエミュレーター本体そのものが開発途上にあります。

SFCの各レイヤーを立体的に眺められる「3D Layers」も登場
今回のアップデートで、個人的にかなり面白いと思ったのが新しい「3D Layers」モードです。これはスーパーファミコンが描画している各レイヤーを、3Dのパースを付けた状態で表示できる機能です。「Options」→「Graphics Mode」から利用できるようになっています。
『SUPER ZSNES』ではこれまでもMode 7を利用したゲームを立体的に表現する3D機能を実装してきましたが、今回の3D Layersはゲーム画面を構成する各レイヤーそのものを立体的に確認できるという、一風変わった機能になっています。
実用的なエミュレーション機能というよりも、「スーパーファミコンの画面がどのようなレイヤー構造で作られているのか」を視覚的に楽しめる、エミュレーターならではの遊びと言えそうです。
スーパースコープやSNESマウスにも対応
入力デバイス関連では、「SNES Mouse」と「Super Scope」への対応も追加されました。利用する場合はゲームごとの設定画面から有効化する必要があります。
そのほか、複数ボタンやキーの同時入力をひとつの入力として割り当てるコンボ設定や、終了用ショートカットなども追加。ゲームごとにオーバークロック設定を保存できるようになるなど、細かな使い勝手も改善されています。
UIについてもユーザー定義のカラースキーム、Water/Fireエフェクト、マウスカーソルサイズ変更などが追加されています。

iPhone/iPadでも『SUPER ZSNES』が利用可能に
もうひとつ大きなニュースがiOS版の登場です。これまでWindows、macOS、Linux、Android向けに展開されてきた『SUPER ZSNES』ですが、今回ついにApp Store版が公開されました。
App StoreではZEMU Software Inc.から配信されており、iPhoneおよびiPadに対応。iOS/iPadOS 15.0以降が必要で、米国App Storeでの価格は2.99ドルとなっています。ROMデータはアプリには含まれておらず、利用者自身で用意する必要があります。
次は『スターフォックス』のEnhancementやRetroAchievementsに注目
開発者のzsKnight氏によると、次回のメインリリースでは『スターフォックス』のEnhancementに重点を置く予定で、すでに開発もかなり進んでいるとのこと。さらにRetroAchievementsへの対応や、一般ユーザー向けにEnhancement Editorを公開していく作業も予定されています。
公式サイトではこのほか、ネットプレイ、カスタムワイドスクリーンパッチ、さらなる最適化、新しいEnhancementなども今後の機能として挙げられています。
エミュレーション精度そのものを追求するだけではなく、「昔のゲームをGPUでどう拡張できるか」という独自路線を歩んでいる『SUPER ZSNES』。今回のv0.300で特殊チップ対応や対応デバイスも増え、徐々にエミュレーターとしての土台も整ってきました。
今後予定されている『スターフォックス』のEnhancementがどのようなものになるのかも、かなり気になるところです。
via.Reddit















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